習近平主席の世界健康サミットでの演説全文

出所:jp.china-embassy.org | | 発表時間:2021-05-25

 北京21日発新華社電によると、習近平国家主席が同日夜、オンラインで開催された世界健康サミットで行った「手を携えて人類衛生健康共同体を築こう」と題する演説全文次の通り。

 尊敬するドラギ首相

 尊敬するフォンデアライエン委員長

 同僚の皆さん

 世界健康サミットに出席することを非常にうれしく思っている。昨年、20カ国・地域グループ(G20)は新型コロナウイルス肺炎対応特別サミットとリヤド・サミットを成功裏に開催し、世界団結・防疫の推進と世界経済回復の後押しについて多くの重要な共通認識に達した。

 この1年余り、新型コロナの感染拡大が繰り返され、ウイルスが頻繁に変異し、この百年で最も深刻なパンデミックが依然として猛威を振るっている。新型コロナに早期に打ち勝ち、経済成長を回復することが国際社会の最も重要な任務である。G20メンバーは世界の防疫協力の中で責任を担うべきで、同時に正反両面の経験を総括し、足りない点を補い、不備をなくし、弱い点を補強し、突発的重大公衆衛生事態に対応する能力と水準の向上に力を入れなければならない。次に五つの点について意見を述べたい。

 第1、人民至上、生命至上を堅持する。新型コロナとの闘いは人民のためであり、また人民に依拠しなければならない。実践で証明されたように、新型コロナに完全に勝利するには、人民の生命の安全と身体の健康を際立った位置に据え、極めて大きな政治的責任感と勇気で、非常の措置で非常の事態に対応し、最大限の努力を尽くし、感染者を一人も取り残さず、患者を一人も見捨てず、一人ひとりの命の価値と尊厳を確実に尊重しなければならない。同時に人民大衆の生活への影響を少なくし、社会秩序が全体的に正常であることを保証しなければならない。

 第2、科学的施策を堅持し、システム的対応を統一的に計画する。今回の新型感染症に対し、われわれは科学的精神を発揚し、科学的態度を堅持し、科学的法則に従わなければならない。新型コロナとの闘いは総力戦で、システム的に対応し、医薬と医薬以外の関与措置を一体とし、常態化した的確な予防抑制と応急措置を一体とし、新型コロナ予防抑制と経済・社会発展を一体として取り組まなければならない。G20メンバーは責任あるマクロ経済政策を取り、相互協調を強化し、グローバル産業チェーン・供給チェーンの安全とスムーズな運営を維持しなければならない。引き続き債務返済猶予や発展援助などの方法で発展途上国、特に困難が極めて大きく、ぜい弱な国を支援しなければならない。

 第3、同舟相救うことを堅持し、団結・協力を提唱する。今回の新型コロナがあらためて示したように、人類は栄辱を共にし、運命がつながっている。パンデミックに直面し、われわれは人類衛生健康共同体の理念を堅持し、団結、協力し、難局を共に乗り越え、政治問題化やレッテル貼り、汚名を着せるなど、さまざまなたくらみに断固反対しなければならない。政治的操作は自国の感染症対策に少しも役立たず、世界の防疫協力を乱し、世界各国人民にこれまで以上の危害をもたらすだけだ。

 第4、公平・合理を堅持し、「免疫格差」を埋める。私は1年前、ワクチンを世界の公共財にすることを提起した。現在、ワクチン接種の不均衡問題が一段と際立っており、われわれは「ワクチン民族主義」を捨て、ワクチンの生産能力と分配の問題を解決し、発展途上国が入手でき、費用を負担できるようにしなければならない。ワクチン研究開発・生産大国は責任を担い、ワクチンを差し迫って必要としている発展途上国により多く提供し、自国企業の能力のある国との共同研究、ライセンス生産を支持すべきだ。多国間金融機関は発展途上国のワクチン調達に包括的融資支援を行うべきだ。世界保健機関〈WHO〉は「COVAXファシリティー」の推進を加速すべきだ。

 第5、対応策と抜本策の両方を堅持し、ガバナンスシステムを整える。今回の新型コロナは世界の衛生ガバナンスシステムに対する集中的検証となった。われわれは国連とWHOの役割を強化し、生かし、世界の疾病予防抑制システムを整備し、今後の感染症をより良く予防し、対応しなければならない。共同協議・建設・享受を堅持し、発展途上国の意見を十分聞き、発展途上国の合理的訴えをより一層反映しなければならない。監視警戒と緊急対応能力、重大感染症の救命治療能力、緊急物資の備蓄・保障能力、虚偽情報取り締まり能力、発展途上国支援能力を高めなければならない。

 同僚の皆さん

 今回の歴史的に前例のない感染症との闘いの中で、中国は多くの国の支持、支援を受け、中国も大規模なグローバル人道行動を展開した。昨年5月、私は第73期WHO総会で世界防疫協力を支援する五つの措置を宣言し、現在、実施に力を入れている。生産能力が限られ、自国のニーズが極めて大きいという状況の中で、中国は約束を果たし、ワクチンを差し迫って必要としている80余りの発展途上国に援助し、43の国に輸出した。中国は新型コロナの影響を受けている発展途上国の防疫と経済・社会発展回復に20億㌦を援助し、150余りの国と13の国際機関に防疫物資を援助し、世界に2800億枚余りのマスク、34億着余りの防護服、40億個余りの検査試薬キットを供給した。中国はアフリカと41の一対一病院協力メカニズムを確立し、中国が建設を支援するアフリカ疾病予防センター本部ビルが昨年末、正式に着工した。国連と協力して中国に設立するグローバル人道緊急対応倉庫・ハブも重要な進展を収めた。中国はG20の「最貧国債務返済一時猶予」の呼びかけを全面的に実行に移しており、総額が13億㌦を超え、G20の中で最大となっている。

 世界の団結・防疫を引き続き支援するため、次のように宣言する。

 ―中国は発展途上国の感染症対策と経済・社会発展回復を支援するため今後3年間に30億㌦の国際援助を行う。

 ―中国はすでに世界に3億回分のワクチンを供給しており、今後もできる限り対外的により多くのワクチンを提供する。

 ―中国は自国ワクチン企業が発展途上国に技術移転し共同生産することを支持する。

 ―中国は新型コロナウイルス肺炎ワクチンの知的財産権保護免除を支持すると宣言しており、世界貿易機関〈WTO〉など国際機関が早期に決定することを支持する。

 ―中国はワクチン協力国際フォーラムを設立し、ワクチンを生産、研究、開発する国、企業、利害関係者が一つになって、世界のワクチンの公平で合理的な分配をいかに推進するかを検討することを呼びかける。

 同僚の皆さん

 古代ローマの哲人、ルキウス・アンナエウス・セネカは、われわれは同じ海に漂う波と言った。手を携え、肩を並べ、新型コロナ対策の国際協力を揺るぎなく進め、人類衛生健康共同体の構築を共に進め、健康で素晴らしい人類の未来を共に守ろう。


版权所有中央党史和文献研究院

建议以IE8.0以上版本浏览器浏览本页面京ICP备11039383号-6京 公网安备11010202000010