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中国特色のあるマクロコントロールを革新、改善

発表時間:2018-05-10 | 字体拡大 | 字体縮小

著者:劉元春 | 出所:『人民日報』(2018年04月03日)

  マクロコントロールの革新と改善は、社会主義市場経済システムを改善し、現代化経済システムを建設し、社会主義現代化を実現するための必然的な要求だ。習近平氏は党の第十八回三中全会、五中全会、党の十九大、2017年中央経済工作会議において、マクロコントロールの指導思想、基本的構想、重大措置の革新と改善を提起し、過去の五年間の偉大なる実践に基づいて新時代中国特色のあるマクロコントロール理論を形成した。新時代中国特色のあるマクロコントロール理論は新時代中国特色のある社会主義思想の一部で、新時代にマクロコントロール作業を展開するための根本的な法則だ。 

  新時代は中国特色のあるマクロコントロールに対して新しい要求を提起した 

  習近平氏は2017年の年末に開催された中央経済工作会議において次のことを述べた。中国特色のある社会主義は新時代に入り、中国経済発展も新時代に入った。その基本的な特徴は、中国経済が高速成長段階から高質発展の段階に入ったことだ。新時代の経済発展段階の変化は、中国特色のあるマクロコントロールに対して新しい要求を提起した。 

  社会の主な矛盾の変化は伝統的なマクロコントロールにチャレンジしている。中国特色のある社会主義が新時代に入り、中国社会の主な矛盾はすでに「人民の日増しに増大する物質文化への需要と、後れを取った社会生産との矛盾」から「人民の日増しに増大する素晴らしい生活への需要と、不均衡・不十分な社会生産との矛盾」に変化した。社会主な矛盾の変化は、経済総量と速度を中核とする伝統的なマクロコントロールにチャレンジしている。伝統的なマクロコントロールは、後れを取った社会生産条件における経済総量の成長問題を解決するためには有効だったが、発展の不均衡・不十分問題を解決するにあっては意余って力足りない。新時代中国特色のあるマクロコントロールは、発展の不均衡・不十分問題の解決に重きを置き、人民の日増しに増大する素晴らしい生活への需要を満足することを出発点と立脚点とし、新発展理念をけん引に、高質な発展の促進を根本的な要求に、引き続き理論の革新と実践の革新を展開する。 

  経済発展環境の変化は、中国経済発展法則を見直し、把握することを要求している。新時代に入り、中国経済情勢が大きく変化し、経済成長率は高速から中高速になり、経済発展方式は規模速度型から品質効率型に変化し、経済発展動力は伝統的な動力から新動力に転換した。それは、経済発展段階の変化につれて、経済発展法則も変わった。マクロコントロールはひだすらに経済成長の速度だけに狙いをつけるのではなく、重点を新しい経済発展動力の構築、発展品質の向上に置くべきだ。 

  経済分野が直面する際立った矛盾と問題は、マクロコントロールの理念と構想を調整することを要求している。当面中国経済が直面する問題には、総量性、周期性の問題があるが、最も際立った問題は供給側にあり、供給の品質が低く、構造が不均衡で、市場の供給均衡が困難で、発展動力が不足していることに現れている。伝統的なマクロコントロールは、短期の需要管理を重点にし、供給側の構造的問題を解決できないのみならず、これらの問題を悪化させる可能性もある。そのために、短期需要管理の枠組みを突破し、供給側により多く転向し、構造的道具をより多く採用し、財政、貨幣、産業、区域などの政策の協調と配合を強化することは、新時代中国特色のあるマクロコントロールの革新的な方向だ。 

  新時代中国特色のある社会主義発展の戦略配置の実現は、マクロコントロールの戦略性の全面的な向上を要求している。党の十九大報告は、新時代中国特色のある社会主義発展の戦略配置を提起し、次の要求をも提案した。2020年小康社会を全面的に完成してうえでまた15年奮闘し、社会主義現代化を基本的に実現し、今世紀の中頃までに、中国を富強・民主・文明・調和・美しい社会主義現代化強国に構築する。この戦略配置を実現するためには、「マクロコントロールが周期総量調整を逆らわせる短期的なコントロール」という西洋のドグマを破り、マクロコントロールの短期化困難を克服し、国家発展計画の戦略的動向としての役割を十分に発揮し、各種の政策道具を革新させ、マクロコントロールの目標、手段、道具および実施モデルを国家戦略配置に一致させなければならない。 

  経済環境の複雑化は、党が経済活動に対する集中的、かつ統一的な指導を強化することを要求している。中国経済発展が新時代に入り、マクロコントロールは安定な成長のみならず、改革の促進、構造の調整、民生福祉の推進とリスクの防止をも重視しなければならない。また、一般的な市場主体の経済関係のみならず、制度のレベルから各種の利益関係も調整しなければならない。そのために、過去の「道具と目標の一致」の分類管理方法では、各種の利益関係を根本的に調整し、各目標を統合し、調整とコントロールの合力を形成しにくい。党が経済活動に対する集中的、かつ統一的な指導をさらに強化すればこそ、機関の局限を乗り越え、市場故障と政府故障のダブル制約を破り、経済社会の持続的、健康な発展を促進することができる。 

  新実践によって中国特色のあるマクロコントロール理論の革新を推進する 

  党の十八大以来、習近平氏を中心とする党中央は世界経済の長周期と中国経済発展の新法則を綜合的に分析したうえで、マクロ経済分野において改革と革新を引き続き推進し、中国経済社会の持続的、健康な発展を保証し、習近平新時代の中国特色のある社会主義経済思想に重要な内容を加えた。 

  五年以来、中国は成長の安定、改革の促進、構造の調整、民生福祉の推進、リスクの防止などの分野において歴史的な成果を成し遂げ、習近平氏を中核とする党中央が中国マクロ経済情勢に対する判断、マクロコントロール構想の調整、マクロ政策道具の革新、および正念場のマクロ政策が科学的、正確であることを十分に証明している。党中央の指導の下で、中国経済発展は国際上の「中国で空売りを行う」「中国崩壊論」「中国経済のハードランディング」などの声に反撃した。国内総生産は54兆元から82.7兆元に上昇し、年間平均で7.1%上昇し、世界経済に占める割合は11.4%から15%に向上し、経済実力が新しい段階に上がった。経済構造の調整は大きな進歩を成し遂げ、長年実現しようとも実現できない構造調整の目標にむかって進んでいく。5年以来、消費貢献率は54.9%から58.8%に上昇し、サービスの割合は45.3%から51.6%に上昇し、経済成長の主な動力になった。装備製造業とハイテク製造業は引き続き二桁の成長率を保ち、実体経済構造が著しく改善された。改革を全面的に深める面では、一部の肝心な、基礎的な改革は重大な突破を成し遂げ、特に、供給側の構造的改革の推進によって、数多くの難問を解決し、市場配置資源の効率と全要素生産律を向上するために肝心な役割を発揮している。民生福祉の促進の面では、5年以来、雇用成長は所期を上回り、都市・農村の新規雇用は6600万人以上増加し、住民所得が年間平均で7.4%上昇し、貧困人口が6800余万人減少し、貧困発生率が10.2%から3.1%に低下し、人民の生活レベルが大幅に向上した。このような成果は、習近平新時代の中国特色のある社会主義経済思想が理論上の科学性のみならず、着実な実践基礎も持っており、中国経済法則を深く把握し、中国経済問題を有効に解決するための中国特色のある社会主義政治経済学の最新の成果だ。習近平新時代の中国特色のある社会主義経済思想を理論基礎として構築した中国特色のあるマクロコントロール理論は、現代中国のマクロ経済問題を解決するためのかぎだ。 

  五年以来、マクロ経済分野の具体的な革新は、中国特色のあるマクロコントロール理論の革新を大きく推進した。まず、党が経済活動に対する集中的、統一的な指導を強化し、マクロコントロールの科学性と実施の強度を全面的に向上する。次に、高質な発展を根本的な要求とし、マクロコントロールの目標を安定の成長、改革の促進、構造の調整、民生福祉の推進し、リスクの防止に拡張し、各種の長期的な目標と短期的な目標を統合する。三、西洋危機管理の強刺激のドグマを破り、「粗放型の灌漑」のようなコントロールモデルを放棄し、区間調整構想を創造的に確立し、経済成長の合理的な区間を明確にし、区間コントロールに基づいて定向的コントロール、時機コントロール、正確なコントロールなどの新しい措置を採用する。四、西洋のドグマを乗り越え、国家中長期発展計画の目標と経済改革の目標に従って短期マクロコントロールを実施し、短期的なマクロコントロールが戦略定力を保ち、現代化建設と民族復興大局にサービスを提供することを確保する。五、改革を全面的に深めることによって、マクロ経済政策が実施されるマイクロ基礎と制度環境を再構築する。例えば、マクロ慎重政策を財政政策、貨幣政策と並行する三大マクロ経済政策の一つとした。貨幣政策道具を革新させ、社会融資規模を中間コントロール目標に取り入れ、過去、外国為替資金残高に頼ることで齎した各種の問題を有効に克服した。地方財務融資総額に上限をもうけ、地方融資プラットホームの管理を強化した。社会主義市場経済システムを改善し、マクロコントロールのために良好な環境を作り出した。六、マクロ経済が直面する主な矛盾と問題に応じて、供給側の構造的改革を深く推進し、次のことを要求した。マクロコントロールが需要側のみならず、供給側をも重視し、総量管理のみならず、構造的問題をも重視し、一般的な政策の実施からのみならず、システムとメカニズムの改革から着手し、短期的な波動のみならず、中長期的経済成長の潜在力と新動力の育成をも重視し、金融リスクのみならず、金融が実体経済にサービスを提供するをも重視しなければならない。七、安定の中で進歩を求める仕事の総基調を形成したことは、マクロ形勢を判断し、マクロ戦略を把握し、マクロ政策を選択し、具体的な政策を実施する中でタイミングと効率をうまく把握することを保証している。 

  新思想によって、新時代中国特色のあるマクロコントロールの革新を指導する 

  党の十八大以来、中国特色のある社会主義と中国経済発展が新時代に入るにつれて、中国特色のあるマクロコントロールは革命的な革新を実現した。当面、習近平新時代の中国特色のある社会主義経済思想を指導に、中国社会の主な矛盾の変化をめぐって、高質な発展の要求に従い、中国特色のあるマクロコントロールをさらに革新、改善しなければならない。 

  党が経済活動に対する集中的、統一的な指導の強化を堅持し、マクロコントロールの戦略性、系統性、協同性を全面的に向上する。「四つの意識」を強化し、経済活動の分散主義、自由主義、本位主義、セクト主義、地方保護主義を動揺せずに反対し、実際にそぐわない目標を設定したり、選り抜きに実行してはならない。党の十八大以来形成されてきた中央政治局常務委員会、中央政治局で経済形勢を定期的に研究、分析し、重大な経済事項を決定し、中央財形委員会(指導者グループ)が重大経済問題をタイムリーに研究し、中央全面深化改革委員会(指導者グループ)が経済分野の改革問題をタイムリーに研究するなどの新しい制度基礎に基づき、党がマクロコントロールを指導する情報集積システム、研究分析システム、政策作成システムと実施システムをさらに探索し、それをより制度化、規範化、科学化にさせるべきだ。 

  基礎性改革を深め、マクロコントロールを有効に実施するために良好な環境を構築する。マクロ政策の伝送ルートが順調でなく、実施効率が低い問題はマクロコントロールが長期的に直面する問題だ。基礎的改革を深め、マクロ政策伝送メカニズムを改善することによって、マクロコントロールを有効に実施するために良好な環境を構築すべきだ。例えば、財税システムの改革によって財政政策の自動安定器としての機能を強化し、為替レート形成メカニズムの改革によって為替レート制度の防波堤としての機能を強化し、利息市場化改革によって、価格型貨幣政策道具の効率を向上し、金融システムの改革と市場秩序の整頓によってマクロ慎重政策と効率を向上し、国有企業改革によって高質な発展のマイクロ基礎を構築するなど。 

  供給側の構造的改革を主線に、高質な発展を根本的な要求に、マクロコントロールの機能をさらに改善する。新時代中国特色のあるマクロコントロールは、品質と効率を導きに、立脚点を実体経済に置き、品質の変革、効率の変革、動力の変革を推進し、高質な発展を促進しなければならない。供給側の構造的改革を主線にし、需要管理のテンポと強度を把握し、新時代中国特色のあるマクロコントロールが総量側、構造側、需要側、供給側などの各方面の機能を全面的に改善すべきだ。国家計画が短期的なマクロコントロールに対する導きとしての戦略的な役割を強化し、「二つの百年」奮闘目標にフォーカスして、年度任務と指標を分解し、財政、貨幣、産業、区域などの政策協調メカニズムを改善し、各種のマクロ政策道具の所期けん引機能を向上する。 

  安定の中に進歩を求める仕事の総基調を堅持し、時代とともに「安定」と「進歩」の中身を理解する。異なる経済発展段階において、マクロ経済の「安定」の標準と中身が異なり、ボトムライン管理の標準も異なる。また、供給側の構造的改革と基礎的改革の推進につれて、「進歩」の中身も変化する。そのために、時代とともに、「安定」と「進歩」の中身を理解し、当面の発展情勢によって「安定」と「進歩」の具体的な目標を確定すべきだ。 

(著者の所属:中国人民大学)

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