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中国社会の主な矛盾の転換を正確に認識

発表時間:2018-04-18 | 字体拡大 | 字体縮小

著者:林兆木 | 出所:『人民日報』(2018年03月30日)

  中国社会の主な矛盾をいかに認識し、まとめるかは、重大な理論と実践問題だ。社会の主な矛盾を正確に認識すればこそ、正確な戦略、策略、政策と弁法を作成し、社会矛盾の解決を促進し、社会進歩を推進することができる。習近平氏は党の十九大報告で、中国社会の主な矛盾は人民の日増しに増大する素晴らしい生活への需要と発展の不均衡・不十分との矛盾である重大な政治論断を下し、社会の主な矛盾理論の時代性と革新性を実現し、党と国の仕事に対して数多くの新しい要求を提起した。 

  社会の主な矛盾理論の時代性と革新性 

  前世紀50年代以来、共産党は社会の主な矛盾という重大問題をめぐって理論と実践の探索を行い、理論上の飛躍を二回も実現した。第一回目は1956年の党の八大から始まり、1981年の党の第十一回六中全会に完成した。1956年、中国社会主義制度が基本的に構築された後、国内の主な矛盾は、人民の先進的な工業国の建設に対する要求と後れを取った農業国の現実との矛盾で、人民が経済文化の高速発展に対する需要と今の経済文化が人民の需要を満足できない状況との矛盾になったと党の八大が提起した。中国の実際に相応しいこの正確な判断に従い、社会の主な矛盾を解決するための根本的な任務は社会生産力を解放、発展させることだ。しかし、党の主要な指導者の注目点が変化し、党の八大で提起された社会の主な矛盾に関する正確な論断は徹底的に貫かれなかった。その代わりに、「階級闘争を要綱にすること」が提起され、「文化大革命」のような全局にかかわる厳重な間違いを起こした。1981年、党の第十一回六中全会はポジティブとネガティブな歴史的経験をまとめ、中国の基本的国情と発展段階を正確に認識したうえで、「社会主義改造が基本的に完成されて以来、中国が解決すべき主な矛盾は、人民の日増しに増大する物質文化に対する需要と、後れを取った社会生産との矛盾であること」を提起した。この論断は、党の八大で提起された社会の主な矛盾に対する論断の延長と改善で、党が社会の主な矛盾に関する理論の始めての飛躍なのだ。幾多の曲折のあるプロセスから見れば、この正確な論断は苦労のたまもので、重大な意義を持っている。ここからこそ、「階級闘争を要綱にする」という間違った理論と実践を徹底的に否定し、党と国の工作重点を社会主義現代化の建設にすることを堅持し、改革開放を堅持することによって、中国の経済社会発展が巨大な成果を成し遂げるように促進することができる。 

  社会の主な矛盾理論の第二回目の飛躍は、「中国特色のある社会主義が新時代に入り、中国社会の主な矛盾はすでに、人民の日増しに増大する素晴らしい生活への需要と発展の不均衡・不十分との矛盾へと変化している」と習近平氏が党の十九大報告で提起したことだ。中国社会の主な矛盾の変化は、新中国が成立して以来、特に改革開放以来の経済社会発展の深い変化を全面的に分析したうえで出した重大な戦略的判断で、中国特色のある社会主義が新時代に入った重要な依拠で、習近平新時代の中国特色のある社会主義思想の需要な内容で、中国が「二つの百年」奮闘目標の発展進展を実現するために重大で深遠なけん引と指導の役割を発揮する。 

  新時代の社会の主な矛盾に対する新しい論断は、継承・堅持と発展・革新との統一を現れ、社会主義初級段階という基本的な国情に変わりがないこと、根本的な任務が依然として社会生産力の開放と発展であることを堅持したのみならず、唯物弁証法によって社会主義初級段階矛盾運動の異なるプロセスを深く分析し、変化した実際から社会の主な矛盾に対する新しい理論総括をも出した。この新しい論断は、人民を中心とする発展思想を鮮明に表した。発展目的と中身に関しては、「人民の日増しに増大する素晴らしい生活への需要」によって、「日増しに増大する物質文化への需要」の代わりをとり、人民が物質文化生活へのより高い要求を満足させるだけでなく、人民が民主、法治、公平、正義、安全、環境などの面における日増しに増大する新しい要求を満足させることも含まれている。発展が直面する主な問題に関しては、「不均衡・不十分の発展」によって、「後れを取った社会生産」の代わりを取り、発展の重点を物質生産から経済、政治、文化、社会、生態文明の「五位一体」の発展に拡張し、発展の不均衡・不十分問題の解決を要求するようになった。この二つの方面は、党が新時代の社会の主な矛盾及び矛盾両側の持つ特殊性に対する深い理解と正確な把握を十分に現れ、社会の主な矛盾理論の時代性と革新性を実現し、理論と実践の面で革新的、深遠な指導的意義を持っている。 

  中国社会の主な矛盾が変化する条件と依拠 

  中国社会の主な矛盾が変化する条件と依拠は次のようだ。 

  一、社会生産力発展レベルが大幅に向上し、社会の主な矛盾の転換に基礎を打ち立てた。改革開放以来、中国は二戦以後、世界で経済高速成長の最長持続時間を記録した。経済総量は世界の第十一位から2010年以来の世界第二位に上がった。2017年の国内総生産は82.7兆元に達し、比較価格で計算すれば、1978年より33.5倍上昇した。製造業生産価値は8年間連続で世界第一位を維持し、220余種の主要工農業製品の生産能力は世界第一位になった。一部の製品は大量の過剰化に直面している。それは、中国が長期的に直面した不足経済と供給不足の状況がすでに根本的に変化したことを現し、「後れを取った社会生産」は主な矛盾を構成する一部ではなくなったことを意味している。 

  二、人民の生活レベルが著しく向上した。中国は十数億人の移植問題を解決し、世界で最も人数の多い中所得層を形成した。今年、社会消費品小売り総額はアメリカを超えて世界一になり、消費構造も引き続き最適化、グレードアップし、数量満足型から質量至上型に変化し、人民が素晴らしい生活への需要も物質文化生活の分野から政治、社会、生態環境などの各分野へと拡張した。 

  三、経済の持続的な高速成長と粗放的な発展方式、不合理な経済構造とシステム・メカニズムは、都市・農村、区域及び社会、生態環境などの分野の発展不均衡・不十分問題を際立たせた。また、中国経済の実力は大幅に向上し、過去より不均衡・不十分の問題を解決する条件を持つようになった。 

  四、党の十八大以来、習近平氏を中核とする党中央は一連の革新的な新理念・新思想・新戦略を提起し、習近平新時代の中国特色のある社会主義思想を形成し、社会の主な矛盾の転換を認識、対応するために科学的な理論指導を提出した。それは、中国が社会の主な矛盾の客観的な変化に基づいて新しい理論をまとめることができた根本的な理由だ。 

  社会の主な矛盾の転換と、社会主義初級段階の基本的な国情に変わりのないこととの関係を深く理解 

  中国社会主な矛盾の転換を正式に認識するためには、歴史段階に変わりのないことと、同一の歴史段階の異なる過程、異なる時期変化との関係を正確に把握しなければならない。認識すべきなのは、中国社会の主な矛盾が変化したが、中国は今もこれからも長期的に社会主義初級段階にある基本的な国情に変わりがなく、中国が世界最大の発展途上国としての国際地位に変わりもないことだ。1997年、党の十五大報告は九つの面から社会主義初級段階の中身を分析した。まとめてみれば次のようになる。社会主義初級段階は長期的な歴史プロセスだ。この歴史的プロセスにおいて、社会主義初級段階自身も発展、変化しているため、異なる過程、異なる時期を含んでいる。異なる過程、異なる時期は異なる矛盾の特殊性を持っている。社会の主な矛盾の転換は、社会主義初級段階の発展・変化と異なる過程、異なる時期の矛盾の特殊性の現れなのだ。 

  社会主義初級段階を前半と後半に分ければ、「人民の日増しに増大する物質文化に対する需要と、後れを取った社会生産との矛盾」という社会の主な矛盾に関する記述は前半の実際に相応しいが、「人民の日増しに増大する素晴らしい生活への需要と発展の不均衡・不十分との矛盾」という新しい記述は後半の実際に相応しい。強調すべきなのは、新時代の社会の主な矛盾の転換は社会主義初級段階内の変化で、歴史段階を乗り越えた変化ではない。そのために、転換後の社会矛盾を解決するためには、社会主義初級段階という基本的な国情と最大の実際に基づかなければならない。社会の主な矛盾を解決するための根本的な任務は依然として社会生産力の解放と発展だ。人民の日増しに増大する素晴らしい生活への需要を満足させ、発展の不均衡・不十分問題を解決するためには、社会主義初級段階の現実条件と実際状況から出発し、力を尽くしながらも力相応に事を行い、順を追って一歩一歩進め、徐々に向上すべきだ。社会生産力の現実レベルを脱離して高すぎる要求を提出してはならないのだ。 

  中国社会の主な矛盾の転換を正確に認識、人民を中心とする発展を実現 

  中国社会の主な矛盾の転換を正式に認識すれば、人民の当面と長期的な利益をよりよく実現することができる。改革開放前のある時期、社会の主な矛盾に対する正確な判断を徹底的に貫かなく、党と国の仕事中心を社会主義建設にすることができなかったために、社会生産力の発展が速くなく、安定でなく、協調でなくなり、人民の生活も大きく改善されなかった。しかし、改革開放40年来、経済社会が盛んに発展し、人民生活が著しく改善された。それは、党が社会の主な矛盾を正確に把握したからだ。 

  党の十九大報告が中国社会の主な矛盾に関して出した新しい理論要約は、根本的な出発点は、人民民衆が美しい生活への需要を満足させ、発展しながら民生をよりよく保障、改善し、発展しながら民生の短所をよりよく補完し、発展の不均衡・不十分問題を解決することだ。それによって、人民民衆は利益をもらい、生活が改善された。例えば、正確な貧困脱却という攻略戦を展開することによって、すべての貧困人口が貧困を脱却し、生活が改善されるようにさせる。農村振興戦略を実施し、農業農村の現代化プロセスを加速させ、数億人の農民の生産、生活を著しく改善する。区域協調発展戦略を実施し、中西部地区の発展を加速させ、区域発展の格差を縮小し、ますます多くの人を裕福にさせる。汚染予防・管理の攻略戦を展開し、人民民衆が新鮮な空気、きれいな水と美しい生態環境に対する意欲を満足させる。経済の高質な発展を推進し、商品とサービスの品質を著しく向上し、人民民衆の多様化、個性化、引き続きグレードアップする消費需要を満足させ、生活の品質を向上する。教育、医療などの社会事業の発展を加速させ、人民民衆が優秀な教育、医療資源への需要をよりよく満足させる。就職優先戦略と積極的な就職政策を実施し、より高質、より十分な就職を促進し、人々が懸命に励むことによって発展のチャンスを実現する。とにかく、党の十九大報告で提起された党と国の仕事に関する新しい要求と配置は、いずれも社会の主な矛盾の転換をめぐって出したものだ。これらの新しい要求と配置を貫いて実施し、「五位一体」の全体的な配置を系統的に推進し、「四つの全面」戦略配置を協調的に推進することで、人民民衆の各方面の権益をよりよく保障し、各方面の需要をよりよく満足させる。 

  中国社会の主な矛盾の転換は、世界経済発展に新しいプラスエネルギーを注ぎ 

  中国社会の主な矛盾の転換は全局にかかわる歴史的変化で、新時代の中国特色のある社会主義事業を推進するために重大で深遠な影響を与え、世界経済の発展に新しいプラスエネルギーを注ぐ。 

  社会の主な矛盾の転換の要求に従って、中国は発展方式の転換を加速させ、経済構造を最適化させ、成長エネルギーを転換させ、経済の高質な発展を推進する。それは、国外のハイテク、グリーン・低炭素・エコ技術、ハイエンド製造業製品と現代サービス業に巨大な市場を提供する。 

  社会の主な矛盾の転換要求に従い、中国は全面的に開放する新構造の形成を推進し、ハイレベルの貿易と投資の自由化・利便化政策を実施し、参入前の国民待遇プラスネガティリストブの管理制度を全面的に実行し、市場参入を大幅に緩和し、サービス業の対外開放を拡大し、外商に中国経済発展の新チャンスを共有するために巨大な投資機会を提供する。 

  人民の日増しに成長する美しい生活への需要を満足させ、発展の不均衡・不十分問題を解決し、中国の中所得層の拡大を促進する。中国住民の所得が引き続き成長し、国外商品とサービスへの需要が増大し、国外旅行、買い物、クロスボーダーオンラインショッピングは高速成長し、世界経済の成長に強い動力を提供する。 

  中国新時代の社会の主な矛盾を解決し、中華民族の偉大なる復興という中国夢を実現することは、平和な国際環境と安定な国際秩序を離れてはならない。よって、中国は終始して平和発展の道を歩み、終始して世界平和の建設者、世界発展の貢献者、国際秩序の維持者としての役割を果たす。それは、世界経済の健康な発展に強い保障を提供する。 

(著者が国家開発発展委員会マクロ経済研究院の研究員)

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