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経済発展の質的変革、効率の変革、原動力の変革を推し進めよう

発表時間:2018-02-28 | 字体拡大 | 字体縮小

著者:劉世錦 | 出所:求是 2017年11月15日

  習近平総書記は党の第19回代表大会の報告の中で次のように指摘し、「わが国の経済は、すでに高速成長の段階から質の高い発展を目指す段階へと切り替わっており、まさに発展パターンの転換、経済構造の最適化、成長の原動力の転換の難関攻略期にある。現代化経済体系の構築はこの難関を乗り越える上での差し迫った要請とわが国の発展の戦略的目標である。現代化経済体系の構築を加速するには、必ず党の第19回代表大会の報告で強調した通り、「質第一、効率優先」を堅持し、供給側構造改革を主軸として、経済発展の質・効率・原動力の変革を促し、全要素の生産性を高めなければならず、それによって我が国の経済のイノベーション能力と競争力を絶えず強め、「2つの百年」の奮闘目標を実現するために確固たる基礎を打ち立てた。 

  一、発展段階の転換は三つの大きな重要な変革の推進を急がなければならない 

  改革開放以来40年ほど、我が国の経済は10%近くの急速な成長を維持した。世界の注目を集める歴史的な成果をあげたことは多くの条件に依拠してきた。この時期、我が国の経済の発展水準が全体として比較的低くて、基盤が弱く、基数が小さかったし、成長の余地が大きかったが、人類社会のすでに創り出した多くの技術と経験を導入し、参考にすることができたからだ。我が国は世界の最も多くの人口を擁して、需要の規模と潜在力が大く、労働力の数量が多く、コストが低かったのであって、土地とその他の自然資源のコストはより低くて、生態環境の制約が比較的緩かったことを意味する。更に重要なのは、我が国社会の政治が安定的で、社会主義市場経済体制を確立するとともに徐々に整備され、開放型経済を発展させ、国際国内の2つの市場と2種類の資源を効果的に利用してきた。以上のこれらの条件が互いに結合し、ともに働いた結果、人類の歴史上でかつてなかった人口の大国が経済の長期的高度成長の奇跡を生み出すとともに、このような成長は数量と規模の急速に拡張する特徴を帯びることが不可避であり、一部の不均衡・不調和、持続できない矛盾と問題に伴っている。 

  2008年、国際金融危機の衝撃に直面して、われわれは成長の安定化という刺激政策をとって、成長速度は世界範囲で先駆けに回復して、そして2011年の第1四半期にピーク値に達し、その後成長速度はだんだん緩やかになった。党の第18回代表大会以来、新しい情況、新しい問題に直面して、党中央は我が国の経済発展が新常態に入ったという重要な判断を下した。我が国の経済の成長を支える原因と条件から見ると、すでに経験したあるいは今経験している多くの重要な変化には、次のようなことが含んでおり、我が国の15~59歳の労働力人口数が2012年から下がり始め、農村からの都市入りの就労者数が減って、賃金水準もそれに応じて上昇し、労働力の低コストの優位は弱まったし、不動産などの端末における需要と鋼鉄、石炭などの重要な工業製品は次々と需要の歴史的ピーク値が現れ、成長速度は明らかに減速し、生産能力過剰と製品の在庫過剰が際立った。土地などの資源の価格は上昇し、一部の都市の住宅の価格はかなり高くなり、生態環境の圧力は増大し、ある面では受容の限度ラインに迫まるかひいてはそれを超えている。我が国の要素コストの上昇、輸出規模の増大および国際市場の環境変化にしたがって、これまでのように輸出の急成長は引き続き維持することができず、必ずさらに内需に頼らなければならない。金融と実体経済の間、不動産とその他の分野の間、実体経済の内部には深刻な不均衡が現れ、一部の分野ではレバレッジ率が高すぎて、金融リスクは増大し、経済成長率は減速傾向が見られた。これらの変化に伴って、我が国の経済構造は大きな転換が現れ、経済の成長は消費、サービス業と国内の需要、より多く労働者の素質の向上、技術の進歩と全要素の生産性の改善への依存に転換している。それに応じて、経済の発展の段階は変わり始め、これまでの急成長の段階から質の高い発展段階に転換している。 

  工業化と経済成長の歴史から見ると、我が国の経済の発展段階の転換は法則に合致し、参考になる国際経験もある。こうした転換は我が国の発展が依然として重要な戦略的チャンスに恵まれた時期にあるという判断を変えていないが、チャンス的時期の内包は大きく変わった。もしこれまでは主として「規模を拡大する」というなら、今後は主に「段階に上る」ことである。我が国の成長率はいくらか減速したが、毎年の増加分及び世界経済に対して牽引する役割が依然として最大だ。努力して、実現できる成長率を保つとともに、困難なのは主としてどのように経済成長の質と効率的向上の挑戦を新たな発展のチャンスに変えることである。 

  二、変革のカギは全要素の生産性を高めることである 

  品質の変革、効率の変革、原動力の変革を推進することは、質の高い発展段階の必然的な要求であり、発展方式の転換、経済構造の最適化、成長原動力の転換を推進する難関攻略期の重要な内容である。 

  質の変革は、通常の言った製品とサービスの質的向上を含んで、更に重要なのは国民経済の各分野、各方面の素質を全面的に高めることである。これは理念、目標、制度から具体的な分野における取り組みの細部までの全方位の変革である。供給体系の質的向上を重点方向として、国際の先進品質基準に照準し、質的向上のキャンーペンを展開し、我が国の経済の質的強みをいっそう強め、中国製造と中国のサービスを高品質の標識になるようにする。企業と製品の優勝劣敗を推し進め、資源は優良企業と良質製品に集中し、十分かつ効果な市場競争を通して、徐々に多くの長期安定した国際競争力のある質の高いブランド企業と製品を形成する。革新に有利な環境を営み、革新の要素の移動と集積を推し進め、製品とサービスの質的向上を目的とする各種類のイノベーションを励まし、革新を質的向上の強大な原動力となるようにする。グリーン発展を質的向上の重要な内容として、消費、生産、流通、投資から生活様式まで、全方位的なグリーン型への転換を加速し、グリーン・低炭素を質の高い製品とサービスの重要な特徴になるようにする。 

  効率の変革は、これまでの急成長段階で覆い隠されたか無視された各種の低効率の弱みを探し出すとともに補強し、質の高い発展のために効率と競争力のしっかりした基礎を築きあげる。市場競争は、とどのつまりコストとパーフォーマンスの競争、効率の高低の競争である。必ず行政的独占の問題が依然として際立った分野の改革を深めければならず、重点として石油・天然ガス、電力、鉄道、電気通信、金融などの業界で競争を導入・強化し、実体経済を運営するためにエネルギー、物流、通信、融資などのコストを全面的に下げて、実体経済特に制造業の引き付ける力、競争力を高める。更に実質的に市場参入基準をゆるめ、退出仕組みを整備し、社会保障体制の健全化をはかり、効率の高い要素は加入することができ、効率の低い要素は退くことができること、生産要素の合理的な移動と最適化した組み合わせ、企業の合併再編、産業のパターン転化・グレードアップを通じて、経済の効率と効果を全面的に高める。実体経済への金融の貢献能力を強め、各種類の経済バブルを防止・対策し、高すぎたレバレッジ率を下げ、金融リスクを解消し、実体経済の革新・発展、パターン転化・グレードアップのために効果的な金融サービスを提供する。開放型経済のレベルを高め、導入と海外進出を結合し、より大きな範囲、より高レベルで国際競争と協力に参加し、我が国の産業のグローバルバリューチェーンにおける地位を着実に高める。 

  原動力の変革は、労働力の数量とコストの優位が徐々に弱まってから、質の高い、高効率の現代化経済体系を整備する必要に応して、労働力の数量の紅利(ボーナス)から品質の紅利(ボーナス)への転換を速める。必ず教育事業の発展を優先させる位置に置かなければならず、教育の現代化を速め、基礎教育、高等教育から職業教育まで、教育の質を全面的に向上させ、経済社会の発展の各レベルの労働者の素質を高める。知的所有権の保護と激励を強化し、多くの国際レベルの戦略的科学技術人材、科学技術のリーダー、科学技術の若手人材とハイレベルの革新チームを育成し、各種類の人材の合理的な移動を促進し、さらに企業家、科学者、技術者とその他の人材の主動性、積極性と創造性に引き出す。労働を栄誉あるものとする社会的気風と研鑽に励む勤勉な気風をつくり出し、労働を尊重し、創造を尊重し、知識型、技能型、革新型の労働者を数多く育成し、現場第一線労働者の社会地位を高め、階層の固定化の打破、縦方向の流動、奮闘により有能な人材になるルートと機会を広げる。 

  我が国の経済が質の高い発展段階に入った後、すでにこれまでのように主に要素の投入の量的な成長に頼ることができなくなり、必ずより多く全要素の生産性の向上に頼らなくてはならない。三大重要な変革中で、質の変革は主体で、効率の変革は主軸で、原動力の変革は基礎で、肝心なのは着実に、持続的に全要素の生産性を高めることである。この肝心な問題をしっかりと解決してこそ、われわれは一定の成長率を保つとともに、質と効率が明らかに向上し、安定性と持続可能性が明らかに強まる発展の新局面を切り開くことだ。 

  三、三大変革を実現するには、必ず改革を深め、環境を整備しなければならない 

  国際経験が立証されたように、経済後進国は工業化の比較的早い段階で急成長を実現することが比較的容易であるが、中所得の段階から高い所得の段階への移行において、発展の難しさは明らかに増大する。第二次世界戦争以降、多くの国家は工業化プロセスに入るとともに、中所得の段階に達したが、高所得段階に入ったのは13の経済体しかなかった。一部の国家は「中所得の罠」にかかり、成長は減速し、ひいては後退した。もし急成長の段階は数・規模の拡張の効果があげやすく、短期内で大いに様相が変えられるというなら、質の高い発展の段階になると、かなり長い時間をかけてはじめて質と効率の向上の効果が現れ、新たな段階に上る。質の高い発展段階に入った以降、それまで急成長の段階にかつてあわなかった挑戦に出会い、多くの新たな矛盾、新しい問題に直面し、それを解決しなければならず、根本的に言えば、必ず供給側構造改革を深めなければならず、質の高い発展に適応する体制政策環境づくりを急がなければならない。 

  まず、経済発展の目標への認識の問題を解決しなければならない。質の高い発展段階に入ってから、もしそれまでの急成長を引き続き維持するようと試みとして、質と効率を重視しないなら、成長率が上がらないか、短期内に上がってもまた減速し、経済の大きな起伏を引き起こし、時間が経ってから総決算をすれば、実質の成長率はかえって低くなった。ゆえに、質と効率を強調して、発展の安定性と持続可能性を強調するのは、長期から見れば、実に必要な成長率を維持するのに有利である。必ず「GDPのみ」による傾向を是正しなければならず、発展の目標の上で雇用・起業、質と効率、リスクの防止・抑制、安定性と持続可能性をいっそう重視しなければならない。 

  その次に、真に市場に資源の配置の中で決定的役割を発揮させる。生産要素の移動と配置の最適化の促進、独占の打破、競争の奨励、優勝劣敗であれ、企業家の予期の安定化、各方面の人材の積極性、創造性の喚起であれ、いずれも市場に資源の配置の中で決定的役割を発揮させることを確実に実施しなければならない。政府の機能をより良く発揮するかどうかを見分けるには、市場が資源の配置の中で決定的な役割を発揮するに有利であるかどうかを見なければならない。必ず財産権制度の健全化と要素の市場化配置を重点としなければならず、財産権の保護、国有企業と国有資産、土地、財政租税、金融、政府の行政管理などの重点分野の改革を深めなければならない。改革を深化するには、トップダウン設計を重視し、方向を明確にし、最低ラインを引かなければならない。同時に地方、末端と企業の改革の探求を重視し、試行錯誤を通じて改革の不確実さを減らし、長期的発展の方向に合致するとともに現実にかなう改革の方法を見付けだすのである。 

  また、革新の環境づくりをいっそう重視する。みごとな革新は多く条件にかかっており、根本的な一つは、イノベーションに有利な環境条件を形成し、知的財産権の保護と激励、企業家、科学者など革新の主体の安定的な予期、各種の革新の要素の自由流動と最適化した結合、異なる段階の金融製品の効果的なサービスの革新、産業関連条件とイノベーション・インフラの支えなどを含む。国内外の経験は立証されたように、みごとな革新は主に地域的革新センターと新型都市から生まれている。これらの地域がその他の地域に比べてより良い革新環境が備わったためである。必ず科学技術の体制改革を加速しなければならず、よりいっそう生産要素市場を開放・革新し、革新の環境を改善する地域間の競争メカニズムを形成し、より多くの地域革新センターと革新型都市が頭角を現すように促進する。 

  第4、グリーン発展を促進する体制・仕組みを構築する。エコ文明の建設とグリーン発展の新しい理念は人々の心に染込んでおり、肝心なのはどのように理念を行動に変えることであり、習近平総書記の提起した「緑の山河は金山・銀山にほかならない」という戦略的理念の実行を真に徹底する。グリーン発展は新しい発展の方式で、減らすだけでなく、汚染対策に力を入れる上、より重要なのはプラス・相乗効果を発揮して、新たな消費高度化の原動力、経済成長を形成する。グリーン発展を促進するには、生態資本の採算の研究と実践・探求を重視し、グリーン発展は政府の提供した公共製品、社会団体と個人の展開の公益事業から、より多くの企業と個人の参与する日常的経済活動に転じるようにする。グリーン生産と消費の法律制度、政策方針の作成を急ぎ、グリーン生産と低炭素循環発展の経済体系を確立し、整備する。市場志向のグリーン技術革新体系を構築し、グリーン金融に発展して、グリーン発展で未発達地域で貧困脱却助成の有効な方法を積極的に模索する。 

  第5、国際国内の2つの市場と2種類の資源をより良く利用する。我が国は依然として発展途上国であり、先進国と比較して、われわれは依然として追跡期間にあって、慢心したりうぬぼれたりしてはならず、引き続き先進国の先進技術とノーハーを習うする必要であり、よりハイレベルでグローバルな分業体系に融け込むようにすること、これはまさに我が国が総じてすでに資金欠乏でないが、依然として外資を導入する原因である。一方で、海外進出を積極的かつ着実に行い、国際におけるバリューチェーンのミドル・ハイエンドの技術、管理、サプライチェーン、マーケティングルート、ブランド、人材などの良質の要素をドッキングして、我が国の産業と企業の国際競争力を全面的に高め、より広さと深さを持つ開放型経済体系を形成する。 

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