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社会主要矛盾の転換を理解するための四つの側面

発表時間:2017-11-03 | 字体拡大 | 字体縮小

著者:聶輝華 | 出所:光明網

  10月18日、中国共産党第十九回全国代表大会は北京の人民大会堂で開催された。習近平氏は第十八回中央委員会を代表して大会に報告を行った。習近平氏によると、中国特色のある社会が新時代に入り、中国社会の主要な矛盾は人民の日増しに増加する美しい生活に対する需要と不均衡・不十分の発展との間の矛盾にすでに転換したという。それは非常に重要な判断だ。社会の主要な矛盾の転換は、党と国家仕事の重心の変化、工作方針と政府政策の変化、発展理念と発展戦略の変化を意味している。中国社会主要矛盾の転換をいかに理解するか。四つの側面から解読することができると思う。 

  一、供給の矛盾から需要不均衡の矛盾まで 

  長期以来、中国は生産力のレベルが低く、一人当たりの所得レベルが高くないため、民衆の服・食・住宅・交通などの基本的な需要はほとんど満足されなかった。そのために、改革開放の初期に、中国社会の主要な矛盾が人民の日増しに増加する物質文化と後れを取った社会生産との矛盾ということに党ははっきりと認識した。この主要な矛盾は、中国の根本的な任務が力を集中して社会生産力を発展させることを決定した。改革開放して三十年以来、中国の生産力は高速成長し、全体的な物質財産は比較的に豊かになり、貧困人口は極めて少なくなった。今、中国の国内総生産は世界の第二位を占め、すでに経済大国になり、一部の分野では製造業強国になった。このような状況では、社会の主要な矛盾は民衆の基本的な需要と遅れをとった社会生産力との供給矛盾ではなくなり、民衆が美しい生活に対する需要と需要満足の不均衡、不十分との矛盾になった。簡単に言えば、昔の社会の主要な矛盾は需要と供給との矛盾だったが、今の社会の主要な矛盾は民衆内部の需要を満足する程度の矛盾になった。中国の生産力は比較的に高くなったため、一部の人は非常に裕福になり、もう一部の人は比較的に裕福になったが、まだ裕福でない人もいる。すべての人には、美しい生活を求める権力がある。発展の起点が異なり、スピードが不平等で、程度が不均衡であるため、数多くの百姓の美しい生活に対する需要は満足されなかったり、十分に満足されなかったりしている。次の工作目標は、より多くの人の美しい生活に対する需要をより良く満足させることだ。 

  二、量の追求から質の追求まで 

  全体的生産力が低い過去、社会はまず、民衆が基本的な量の物質財産と精神財産を獲得することを保障しなければならなかった。全体的生産力が比較的に高い今、消費の量に留まらずに、消費の質をより重視するようになった。例えば、昔、民衆はご飯さえお腹いっぱい食べたら満足できたが、今はより繊細、より健康、より栄養を持つものを食べたがっている。量の追求から質の追求まで、この需要側の転換は、社会生産の供給側が遅れをとらないことを意味している。企業が単純の量の拡張や規模経済のみを求めて、製品の品質、個性的な需要、技術革新を重視しなかったら、民衆の美しい生活に対する需要を満足できなくなる。この意味では、供給側の構造的改革は、社会の主要な矛盾が大きく変化する背景における必然的な選択肢と戦略だ。そのために、マクロコントロールは、供給側の構造的改革を手かがりに、技術の革新と産業のモデルチェンジ・グレードアップによって国内と国際競争力を向上し、民衆の高質な需要を最終的に満足させなければならない。 

  三、物質の追求から全面的な発展まで 

  「倉廩実ちて礼節を知り、衣食足りて礼節を知る」という諺があるように、物質文明は精神文明の基礎で、精神文明は物質文明のより高い段階だ。広義的な精神文明には、文明礼儀だけでなく、人々が民主、法治、公平、正義、安全、環境などの各面に対する追求、つまり、人の全面的な発展に対する追求も含まれている。中国は貧困状態を脱出した。飲食・娯楽の需要のほか、民衆は社会公共事務により多く参加し、社会公平と正義を推進するためにより多くの力を注ぎ、社会安全と環境保護をより重視するようになり、それはより高いレベルの需要だ。そのために、生産力を引き続き発展させるのみならず、中国は政治システムの改革を推進し、法治建設を促進し、環境保護を強化し、国家の統一と安全を維持しなければならない。逆に言えば、清らな政治、完全な法治を持ち、公平と正義な国であればこそ、百姓の美しい生活に対する追求をより良く保障することができる。社会発展のより高い段階は、人々の各種の合理的な需要が満足される段階で、人の全面的な発展が実現される段階だ。中国発展の経験から見れば、経済発展を促進すればこそ、民主と法治強国を建設するために固い物質基礎と安定な民衆基礎を打ち立てることができるのだ。一方、経済レベルが低い状況で政治システムの改革を軽率に推進したら、東ヨーロッパのような失敗をしてしまうかもしれない。 

  四、ケーキを大きくすることからケーキをより良く分けることまで 

  主要な矛盾の転換は仕事重心の転換を意味している。生産力が低い時代に、民衆の基本的な物質文化を満足させることは主要な目標だった。そのために、生産力を高速成長させ、経済ケーキをより大きくすることが肝心だった。しかし、経済総量が一定の程度に達したら、経済ケーキを公平的に分配することは主要な問題になってきた。当面、所得分配政策がまだ完全でなく、住民所得分配の格差が大きく、特に財産分布の格差が大きいため、社会矛盾と衝突を不可避的にもたらしてくる。社会の主要な矛盾はすでに人民の日増しに増加する美しい生活に対する需要と不均衡・不十分の発展との間の矛盾になった以上、新時代の仕事の重点は均衡的な発展を実現することになった。例えば、政策の調整で所得の格差を削減し、支払政策の転換で地区格差を減少し、正確な貧困扶助で貧困格差を減少することなど。過去数十年、中央は西部大開発、中部発展、東北振興などを推進し、ある程度で地域発展の格差を減少し、区域経済の協調的発展を加速させてきた。中国は国土が広くて、地域の差異が大きい。一つの省の面積と経済総量はヨーロッパの一つの国に相当する。そのために、中国は均衡的な発展を実現し、地域格差を削減する一方、京津冀一体化と長江経済ベルト戦略によって先導的地区が西洋の発達国を上回るように促進し、他の地域の連動的発展を推進しなければならない。言うまでもなく、それは多きなチャレンジだ。区域経済の協調的発展をうまく行えば、その成果は生産力の低い国から経済大国までの転換に相当すると考える。 

(著者:中国人民大学国家発展と戦略研究院の副院長、経済学院の教授) 

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