ご意見・ご感想

中国経済が中高速成長の潜在的原動力をもっている

発表時間:2015-09-28 | 字体拡大 | 字体縮小

著者:何自力 | 出所:「経済日報」2015年8月28日

 2011年から中国の経済は持続的に減速感が広がり、近頃株式市場はより大幅な下落が見られ、人民元安観測も強まり、こうした状況に直面して、国内外のマス・コミはまた中国経済の衰退と煽った人がいる。実には、もとより中国経済は昔の急成長と明らかに違和感のある減速態勢が現れ、株式市場と為替市場もいくつかの新い状況が現れたが、経済を見るには、現在の現象を見るだけでなく、発展の基礎と趨勢をも見なければならない。中国の経済の基礎条件とファンダメンタルズ要因は依然として良好な状態にあり、比較的長い時期内で中高速成長を維持する潜在力と原動力をもっている。

 経済のグローバル化の背景下で、中国の経済の現状と発展の趨勢をみるには、世界経済、特に発達国の経済状態に対してある程度知っておかなければならない。中国経済はまさに世界経済へ深く融け込む過程にあり、各国と密接な関係をかかわっていて、中国経済は世界に離れられないし、世界経済も中国を必要とする枠組みを形成した。ポスト危機の時代に、かつて世界経済のエンジンだったヨーロッパ、日本、米国経済がひどく衰退に陥り、景気回復は困難と曲折に満ちている。中国経済は過去30年余りこの三大経済体と密接な関係を形成し、中国はこれらの国から多くの資金とより先進的な技術を吸収するとともに、中国の多くの良質で廉価な消費財と工業製品でこれらの国の民衆のより高い生活水準に満たしてきた。こうした相互需給の経済関係はこれらの国の経済成長を牽引しているだけでなく、中国経済の発展を推し進めてきた。だが、国際金融危機以降、このような関係を維持する背景は深く変動し、世界経済への影響は極めて大きく、当面する経済の下押し圧力の一部分にもなった。

 中国経済が外部環境の影響を受けて減速傾向が見られているのが客観的な事実であるが、中国経済はとどまりなく減速することはなく、一部の人が予言したのように更に崩壊に向かうことはありえない。中国は経済の減速に歯止めをかける条件と能力が完全にあるとともに、経済の中高速成長を実現することができる。こうした自信は中国経済の客観的な基礎と有利な条件によるものである。なぜかというと、それは次のようなことがあげられる。①中国は世界一の製造業大国であり、顕著な優位は産業チェーンが完全なものであり、これは中国経済の競争力の主要拠り所である。中国は工業化の後進国で、30年余りで欧米諸国の200年余り歩んだ工業化の道のりをクリアし、世界で国連産業分類の中で全工業部門分類(最も粗い分類の39、中分類の191(サブカテゴリー、細かい分類の525)を有する唯一の国家であり、分類のそろった単独で完全な工業体系を形成した。小さくはボルトなどの基礎部品から、大きくは通信、宇宙飛行、高速鉄道まで、完全な産業チェーンは中国が自国の世界工業市場において取って代わらない地位をしっかりと確保しており、中国は完全にこの大きな制造業の優位に頼って絶えず競争力を維持して高めることが完全にできる上、経済の中高速成長を実現するために強大な原動力を提供することができる。②工業の現代化、情報化、都市化と農業の現代化の「4つの現代化」は並行して推し進め、特に情報技術と制造業の深度融合は、製造加工のインテリジェント化のレベルを大幅に高め、制造業の質と効果的向上に大いに促進的役割を果たすであろう。都市化と農業の現代化は地域の集積度、産業の集積度を大いに高め、農業の産業化経営の規模を拡大し、都市で農村を促進し、工業で農業を促進する都市・農村一体化レベルの向上を推し進めて、巨大な投資の機会と消費の需要が生みだされ、中国経済が新しい持続的発展の原動力を獲得している。3、中国の広い国土は深度の対策が求められている。その中には河川湖沼の汚染退治、土地の質的改良と生態回復、森林と草地の涵養と開発などが含まれ、これらはすべて巨大なビジネスチャンスが潜まれており、経済成長を押し上げることに役立つのである。4、広大な農村と辺鄙な山岳地帯の低耐震等級の危険な住宅、老朽化住宅の改築、都市部のバラック区の再開発などは不動産業発展の新たなスポットであり、経済成長の新しい原動力となる。5、大中小都市の地下排水、送配電、ガス輸送などのパイプライン施設の改良、改善はすでに当面の急務となった上、成長を押し上げる原動力となっている。6、中国の人口が多くて、所得増に従って、医療衛生、教育、保健、スポーツ、高齢者介護、観光などの必要がますます大きくなり、巨大な消費の潜在力が形成され、経済に対してかなり大きな牽引力となる。7、コンピュータ製品の生産とプログラムの改善・イノベーションの優位が著しく、モバイル・ネットワークとモバイルペイメントは世界のトップレベルにあり、スマートフォン、ソーシャル・メディアと電子商取引の普及レベルは世界のいかなる地方を上回っており、それらが中高速成長を実現するための無限な潜在力と原動力となる。8、高速鉄道技術、原子力発電技術、通信技術と大型装備制造業は新たな競争優位を形成し、輸出の競争力は絶えず向上させ、中国経済の成長に重要なエンジンとする役割を発揮している。

 中国経済は中高速成長を実現する客観的な基礎と有利な条件についてと自信に満ちている外、わが党と政府は絶えず経済構造の改善を通じて、発展パターンの転換に努め、積極的に体制改革の深化をはかり、経済成長の可能性のある原動力を現実の動力と転じさせ、経済の中高速成長という目標の実現のために重要なエンジンとする役割を果たすようになる。

 一、あくまでも改革という社会主義の方向を揺ぎなく堅持する。社会主義の基本的な経済制度は社会主義市場経済の強靭な基礎であり、改革の社会主義的方向を堅持することは、つまり公有制を主体とする、多種の所有制の経済が共に発展する基本的な経済制度を堅持することである。社会主義の基本的な経済制度とその実現する形式を踏まえて発展パターンの数量型から品質型への転換、経済構造のローエンドからの中高次元化を推し進め、実現させること、これは、中国の特色ある社会主義経済発展の道の重要な内容であり、中国経済の中高速運営を実現するための重要な制度・条件でもあり、全面的私有化と全面的市場化でなければ、経済運営の質と効率の向上ができないと考える観点と主張は全く誤ったのである。

 二、積極的な財政政策とより緩和的通貨政策を実施する。市場の自発的調節メカニズムが短期性、盲目性とタイムラグの特徴があり、外部経済環境の悪化、経済の持続的減速に対して単純な市場調節ではどうすることもできないのである。

 したがって、政府の役割をよりよく発揮させ、政府のマクロコントロール機能を強め、経済、行政と法律的手段を総合的に運用してコントロールを行う。金融危機後の中国の債務規模は多くの国に比べれば比較的小規模なものであり、経済減速傾向に直面して、積極的財政政策を実施する余地がある。多数の国家と比較して、金融危機後の中国の通貨政策は穏健である特徴を見せ、積極的財政政策ととより緩和的通貨政策を実施することが極めて必要であり、財政政策と通貨政策は両方から同時にを進めば、的確に力を入れて、経済の減速に歯止めをかけ、経済の中高速運営業を実現するのに役立つのである。

 三、基幹企業の機関車と「ブースター(推進装置)」の役割を着実に発揮する。我が国の国有大・中型基幹企業は、依然として我が国の経済発展を支える重要な原動力である。現在、中国がすでに形成された労働集約型産業を基礎として、資金集約型産業は骨幹とし、技術集約型産業を目標とする産業発展の枠組みは、欧米の技術集約型産業一点張りで、その他の産業が萎縮し、凋落される奇形の構造と比較して、中国の産業構造は大きな優位性と競争力が現れている。国有企業の経済実力がかなり強まり、運営の規模が大きくて、組織体系が厳密、人的資源が豊富、管理制度が厳格であり、重化学工業と戦略的新興産業の発展の企業制度の革新の要求に適応し、労働密集型、資金集約型と戦略的新興産業の有機的統一し、協同発展に最も適合する企業の組織形式である。経済の新常態の下で、われわれは質と効率的向上・雇用拡大、国家の競争力強化の国有経済の機関車とする「ブースター(推進装置)」の役割を高度重視し、発揮させさえすれば、経済の中高速成長の目標の実現を確実に保障することができる。

 四、投資の経済成長における肝心な役割を高度に重視し、発揮させる。生産手段を優先に増加する法則は工業化大規模生産の特別な法則であり、投資は経済成長の中で発揮する肝心な役割はこの法則の具体的な体現である。これは客観的な必然性があり、人間の意志に左右されるまい。投資の経済成長への促進する役割は制造業の発展を通じて実現するのである。制造業はかつて欧米発達経済体の支柱産業であって、投資する主要な目標的産業である。脱工業化と産業空洞化の出現に従って、今日の欧米発達経済体の制造業はすでにひどく萎縮し、投資は目標と原動力が失われ、経済成長を牽引するすべがなくて、その教訓は非常に深刻である。中国は産業の構造調整、経済のパターン転換の重要な段階にあるが、これは経済発展と産業発展の主体とする制造業の核心的地位を変えていない。革新を基礎とする制造業への投資を促進して更に経済成長の物質・技術的基礎を強化し、ハイ・テクへの投資を軽視するなら工業化プロセスの停滞につながり、実体経済は萎縮し、経済成長が遅くなり、民生の改善は物質的保障が失われてしまう。当面では、製造大国から製造強国への転換を推し進めることは当面の急務である、「中国製造(メード・イン・チャイナ)2025」と「Internet+」の実施プランの展開を加速させ、イノベーション能力が弱く、製品の付加価値が高くないし、管理とアフター・サービスが立ち後れて、資源・環境の制約が募るなどの問題を克服し、創業・イノベーションで産業と技術革新の後押しをして、体制の革新を通じて各種類の革新資源の能力と内生的活力を強化し、集中させ、より多くの生命力のある最端技術と新興産業集積が盛んに発展させ、中国制造業の新たな輝きを成就し、経済の中高速成長を促進して、発展の中高次元化へ前進する。

 五、国際競争の新たな優位づくりに努め、経済のグローバル化の新しい段階へのまい進を積極的にリードする。2008年、世界金融危機の勃発により世界経済の枠組みは大きな変わり、米国、EU、日本のエンジンとされた役割はすでに目に見えて弱まり、新興経済体は特に中国は世界経済と経済のグローバル化プロセスの主要推進力となる。中国は世界2番目の大きな経済体であり、中国の経済発展が世界経済への影響は全局面を左右し、こうしたことにより中国経済は受身的に外部の経済環境に適応することはできなくなることを決定され、国際競争の新たな優位づくりに努め、積極的に経済のグローバル化の過程に参与してそれを導くべきである。国際競争の新たな優位を創出すること、これは世界の産業技術発展の最先端を目当てに、3Dプリント技術、高級デジタル制御装置、工業ロボットなどの新技術・新装備の運用と製造を加速させ、カスタマイズ機能で国内外の膨大な数のユーザーにドッキングして、スマート製造で国内外市場の必要に満足させ、グリーン生産で持続可能な発展の未来を勝ち取り、先進国の先進技術と発展途上国のローコスト競争の2重の押し出しを突破し、中国の装備価格の優位プラス性能、品質の優位で国際生産能力の協力ためにより大きな展開する余地を広げ、中国経済と世界経済が協力しながら発展し、共同発展と持続可能な発展を推し進まる。経済のグローバル化に積極的に参与しそれを導くの重要な段取りとして、現在、「一ベルト一ロード」戦略の実施とアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立と運営作業をしっかりと行うべくであり、これは国際経済秩序の革新、世界経済秩序の刷新と改革および経済面のグローバルガバナナス経済面のグローバル・ガバナン体系の整備を推し進め、全世界を改革し改善して体系を管理して、アジア地区の経済全球化の過程を加速して重要な戦略の意味があるのだけではなく、経済減速に歯止めをかけ、経済の中高速運営の実現に重要な現実的な意味がる。

(作者:南開大学経済学院教授)

関係論文