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「第13次5ヵ年計画」期の経済社会発展をはかるにはとらえるべき幾つかの理論問題

発表時間:2015-07-22 | 字体拡大 | 字体縮小

著者:逄錦聚 | 出所:『光明日報』

  内容の要約: 

  我が国の人民の日増しに増大する物質・文化的需要と後れている社会生産の間の矛盾をしっかりととらえる必要がある。生産力の発展を首位におき、発展こそ絶対的な道理であることを堅持し動揺しない。 

  需要と消費の不足を客観的に評価しなければならない。我が国に現れている需要の不足は構造的な需要不足ではなく、おおまかに我が国がすでに「過剰経済」だと考えるべきでなく、的確に措置を取り、非常に慎重に総需要を刺激する政策をとらなければならない。 

  我が国の経済の新常態をしっかりととらえるべきである。発展パターンの転換を加速し、経済構造を調整し、革新による駆動に力を入れ、情勢に応じて有利に導き、経済の新常態を制御し、引率して、経済の新常態を健全に発展するよう促進する。 

  品質、効率・効果と成長率の関係を適切に処理しなければなならない。新常態は経済成長を要らないではなく、品質と効率・効果の向上・発展を中心の地位におくことを求め、経済の安定的な中・高速度成長の維持を求めている。経済の成長がなければ、すべての前進する中の問題を解決する基礎は失われてしまう。 

  改革を深く推し進めることと、民生を益することをしっかり結び付ける。改革は生産力と生産関係、経済的土台と上部構造という社会の根本的な矛盾を処理することであり、経済社会の持続的健康な発展の根本な動力を推進する。改革と発展の根本的な目的は人民のためであり、人民の生活保障・改善を出発点と立脚点にすることを堅持し、改革と発展の成果をより多く、より公平に、より確実に広範な人民群衆に実益をもたらさなければならない。 

  社会の主要な矛盾をしっかりととらえなければならない 

  社会の主要矛盾をとらえること、これは「第13次5ヵ年計画」期における我が国の経済社会の発展をはかる重要な基礎である。 

  我が国は何回もわたって次のような判断を下し、党の第18回代表大会は更に指摘し、「我が国は、今もなお、そしてこれからも長期にわたって社会主義の初級段階にあるという基本的国情は変わらないし、人民の日増しに増大する物質・文化面の需要と立ち遅れた社会的生産の矛盾というこの主要な社会矛盾も変わらない。我が国は世界最大の発展途上国の国際地位が変わっていないのである。いかなるで状況でも社会主義初級段階のこの最大の国情をしっかりととらえなければならない。いかなる方面の改革と発展でも社会主義初級段階の推進はこの最大の実際にしっかりと立脚しなければならない」。理論の上で見んなはこの判断について論争がないようであるが、過去のいくつかの政策・措施を見れば、我が国の経済はすでに過剰の経済となったような感じであり、社会の主要矛盾は人民の日増しに増大する物質・文化面の需要と立ち遅れた社会的生産の矛盾ではなく、需要の不足と生産過剰の矛盾である。一体われわれが社会のいまの発展段階と主要矛盾に対する判断に偏差があるのか、それとも実際に政策と措施が妨害されたのか、筆者は後者であり前者ではないと思う。 

  ここには現象と本質、短期と長期を区分する方法論の問題がある。唯物弁証法は、現象と本質は別に全く一致せず、現象を通して本質を見るべきである。経済運営にあらわれる短期的問題は長期的な根本問題と一致するとは限らず、当面に立脚し、長期的視野に立たなければならにない。このような方法で問題を分析すれば、発見することができ、我が国の経済はある期間にいくつかの原因に影響され、一部の産業では生産能力過剰が現れ、それは短期の、一部の業界の問題であり、構造的な問題である。決して我が国がすでに「過剰」経済となったことを意味するわけではない。局部に生産能力過剰が見られる原因が我が国の主要矛盾によるのではなく、投資誘導と市場ゆがみの結果である。長期から見れば、人民の日増しに増大する物質と文化的需要と立ち後れた社会的生産との間の矛盾が依然として我が国社会の主要な矛盾がであり、相対的に立ち遅れている社会生産力は依然として矛盾の主要方面である。したがってあくまでも生産力の発展を第一義に置き、発展こそ絶対的な道理であること堅持し、動揺しない。これは「第13次5ヵ年計画」期の経済社会発展をはかる基本点とすべきである。 

  需要と消費の不足を客観的に評価する 

  我が国社会の主要矛盾は人民の日増しに増大する物質・文化面の需要と立ち遅れた社会的生産と間の矛盾ということを承認するには、論理の上で需要の不足が我が国の経済社会が発展する主要問題ではないことを承認しなければならない。 

  社会の総需要は投資の需要、消費の需要と輸出からなる。実際の情況から見れば、我が国の投資の需要はほとんどこれまで不足が存在しなかったし、存在しているのは投資の方向、構造の不合理と投資効率があまり高くなかった。輸出の需要は全体として盛んであり、段階的不足が現れたことがあり、輸出製品の構造と品質の問題があったが、主として国際市場が揺れ動いた影響を受けたのであった。1997年アジア金融危機と2008年の世界金融危機後のいくつかの年度に我が国の輸出は急激な下落したのは、典型的な証明である。   

  重視しなければならないことは消費の需要の不足が存在するかどうかということである。消費は生産的消費と生活的消費に分けることができ、生産的消費は投資である。したがって、これを問題として分析せず、肝心なのは生活的消費である。我が国の消費率は長い間は比較的低くて、いくつかの期間には生活的消費の不足をが現れて、これを支える統計データがあるのだ。しかしその原因を分析すれば、主として分配政策が不合理で、市場のゆがみと社会保障などの措置がついていなかった原因による、構造的消費不足に属しているので、我が国が需要不足の経済だと言うことができない。生活的消費は重要であり、それは我が国が経済を発展させる根本目的を体現し、経済の効果的成長を牽引することができるから、生活的消費問題の解決を重視しなければならない。それを解決する道は的確に措置を取ること、分配政策の問題であれば分配政策を調整し、市場問題と社会保障の問題に属すればば改革を深く推し進め、制度を完備させ、非常に慎重に総需要を刺激する政策をとる。 

  ここ数年来、われわれは先進国の経済学理論と政策、需要分析の理論と総需要刺激政策を含んで、比較的多く参考にしてきた、これはもちろん、当然なことであるが、必ずはっきりしなければならないことは、欧米先進国と比較して、我が国の発展段階、制度、社会の主要な矛盾の相違はかなり大きくて、我が国の構造的需要不足を欧米諸国の総量的需要の不足に等しくて、更に簡単に西側諸国を見習ってバブル消費をとり、借金で消費などの需要を刺激する措置をとってはいけない。我が国の消費不足を解決する措置として多く選択できる項目があるが、根本的なのは生産を発展させ、生産で消費を促進することである。 

  経済の新常態をしっかりととらえる 

  我が国は現在すでに経済の新常態に入って、国民経済の中・高速度の成長を維持し、生産パターンの転換と構造調整の足どりを速め、経済発展の主要な原動力は要素の投入から革新の駆動へ転換ずること、これはすでに国民経済の発展の主旋律になった。世界の範囲において、経済環境は依然として比較的複雑で、チャンスと挑戦は織りなしあい、時勢は全体としてわれわれに有利であり、我が国の発展の重要な戦略のチャンス期は依然として存在する枠組みは根本的に逆転することはありえない。国内では、小康社会を全面的に完成し、全面的な改革を深く推し進め、全面的な法律に基く国家統治(がバナンス)、全面的な厳格な党統治(がバナンス)という戦略的配置が変わることはありえない。したがって、経済の新常態は「第13次5ヵ年計画」期に依然として継続し、変化するのは経済発展の質的向上の速度、構造調整の進捗は「第12次5ヵ年計画」期の末期より速くなり、革新による駆動の力は「第12次5ヵ年計画」末期より大きくなる。 

  経済の新常態に適応するには、「第13次5ヵ年計画」期における経済の新常態の変化趨勢をしっかりととらえ、情勢に応じて有利に導いて、経済の新常態を制御し導いて、経済の新常態の健全な発展を促進し、肝心なことは発展のパターンを転換させ、経済構造を調整し、革新による駆動に力を入れる。 

  経済発展のパターンは規模速度型の粗放な成長から質・効率型の集約的成長へ転換し、重要な道筋は新型の工業化、情報化、都市化、農業の現代化の同調的発展を推し進める、重点的方向は経済構造を調整し合理化することである。経済構造を絶えず合理化・高度化し、都市と農村地域の格差をだんだん縮小させ、住民収入の国民所得分配中に占める割合を上昇させる。経済構造合理化する重要な一環は産業構造を合理化し、市場の作用と企業の吸収・合併・再編などの形で、既存の部分を調整し、増加分を最適化させ、生産能力過剰の産業を圧縮し、実体経済と新興産業、サービス業の発展に力を入れ、戦略的新興産業とサービス業のサポートする役割を強め、在来産業のミドル・ハイエンドへの邁進に力を入れて推し進める。経済発展を合理化する空間の構造は経済構造調整の重要内容である。地域政策を充実化させ、各地区の調和取れた発展、協同発展、共同発展を促進する。 

  経済の新常態をしっかりととらえるには、要素投入による駆動から革新による駆動へ転換を主として、諸要素の生産性の向上に力を入れる。人は革新事業の最も活発な要因であり、有効な政策・措施をとって、革新の積極性を引き出し、発揮させる。企業はイノベーションの基本であり、より多く革新型企業、活力あふれる中小企業を作りをサポートし、イノベーションの原動力を果たして、在来産業の高度化を促進し、できるだけ早く新しい成長分野と原動力を形成する。革新は必ず経済の効果的な成長と発展に転化させ、その成果を確実な産業活動に換かさせなければならない。 

  質、効率・効果と速度の関係を適切に処理する 

  これは旧い問題であり、「第13次5ヵ年計画」期に必ず直面しなければならない新しい問題でもある。社会の主要矛盾と経済の新常態をしっかりととらえることは、経済成長を要らないではなく、新段階の新しい特徴の中・高速度の成長に適合しなければならず、資源環境と人口の調和の取れた経済成長が必要であり、良質・高効率で安定した成長がなくてはならない。はっきりしておくべきことは、経済成長は経済発展の基礎であり、経済発展がなければ、経済は成長しがたいし、経済成長と経済発展がなければ、すべて前進途上の問題を解決して基盤が崩れて、我が国はの世界における地位の更なる向上に基礎が失われてしまう。しっかりと認識すべきことは、我が国はすでに経済規模の大国であるが、一人当たりのGDPはまた多くの国家の下位にランクされている。 

  中・高速度の成長を実現するには、経済発展の質と効率の向上を中心として、優位を十分に発揮させ、成長の潜在力を掘り起こし、発展の原動力を育成しなければならない。我が国には多くの経済成長の新しい成長分野があり、潜在力が大きくて、新しい成長分野を積極的に発見し、それを新常態の下で経済成長の重要なサポートとする。 

  我が国は地域が広大で、東・中・西部の発展が段階的相違と継起的なことが、問題にするより、むしろ優位であり、このような優位を十分に発揮し、東・中・西部は互いに促進しあい、中高速度の成長を確保しなければならない。 

  改革を深く推し進めることと、民生を益することをしっかり結び付ける 

  改革は生産力と生産関係、経済的土台と上部構造という社会の根本的な矛盾を解決し、経済・社会の持続的に健康な発展を推し進める原動力である。中央は全面的改革を深く進めることについて全体的配置をした後、肝心なことはそれを実行することであり、経済・社会の発展に際立った問題となる体制や仕組み的障害の除去を中心に、行動の能力を高め、更に政府と市場の関係を処理し、市場に資源の配置の中で決定的役割といっそう良く発揮するよう政府の機能をはたさねければならず、対外開放の新しい体制を形成し、国際競争の新しい優位の育成を加速させる。 

  改革と発展の根本的な目的は人民のためである。民生の保障・改善を出発点とすることを堅持し、人民大衆の関心をよせる教育、就業、所得、社会保障、医療衛生、食品安全などの問題を全面的に解決し、改革と発展の成果をより多く、より公平かつ確実に広範な人民大衆にもたらすべきである。 

  (作者:中国の特色ある社会主義経済建設・協同創造・革新主任、南開大学教授) 

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