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法律に基づく政府機能を全面的に履行する

発表時間:2014-12-29 | 字体拡大 | 字体縮小

著者:徐 紹史 | 出所:『人民日報』2014年11月28日

 法律に基づいた政府機能の全面的な実行は、法律に依拠する行政推進及び、法治政府の建設に必要な条件である。中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議において、議決された『法律に依拠する国家建設における重要な問題点に関する中共中央の決定』 (以下『決定』と略する)では、現在の政府機能を実行する過程における重要な問題点に対して、法律に基づいて政府機能を実行するための基本的な要求と任務を全面的且つ深く述べられている。法律に基づく国家建設、法律に基づく執政、法律に基づく行政を共に推進し、法治国家、法治政府、法治社会の一体的な建設を堅持し、国のガバナンス体系とガバナンス能力の近代化を促進ことに、重要な意味を持つ。

 法律に基づく政府機能を全面的且つ正確に履行することの重要性と緊急性

 法律に基づく政府機能を全面に履行するのは、法治政府を建設する内在的要請である。2004年、国務院によって、『法律に基づく執政の実行を全面に促進する要項』が発行され、法治政府を建設する目標が設定されている。その後、『地方政府(市政府と県政府)の法律に基づく行政を促進する国務院の決定』と『法律に基づく法治政府の構築を促進する国務院の決定』が発行されたことによって、法治政府を建設するプロセスが効果的に促進されてきた。2020年までに、全面に裕福な社会が構築される際に、法律に基づく国家ガバナンスの基本戦略が全面的に実行され、法治政府が基本的に構築できているべきだと、中国共産党第18期会議で明記されている。法治政府とは、行政主体が「合法的行政、合理的行政、正当的手順、効率的便利性、誠実的信頼性、統合的権利と責任」などの要求に従って、権力を行使し、役割を果たし、責任を負うことである。一方、政府は法治化された軌道で権力を行使し、権利の無断拡大を防ぎ、行政行為の主体、、権限、根拠と手順は、法律法規を厳格的に従い、越権と権力の濫用をしないことが要求される。他方、政府が法律で定められた機能を全面に実行し、経済コントロールから、市場監督、社会管理、公共サービスに至る機能を漏れ無く実行し、管理すべきことを過不足なく管理し、職務上の脱落と過失をしないことも要求される。同時に、強い責任感と精神力を持ち、積極的に大衆からの要望に応え、大衆に反映された大事なことから回避せずに徹底的に管理し、適切に法的機能を実行することも要求される。

 政府機能を法律に基づいた面的な実行は、法律の効果的な実施を保障する重要な役割を果たす。長期に渡る努力を通じて、中国の特色ある社会主義法律体系がすでに形成されており、国家及び社会生活の各方面において、根拠となる法律がほとんど構築されている。法治建設は歴史上の新たな出発点において、効果的な法律の実施を重視し、保障すると同時に、「有法必依、執法必厳、違法必究」(法律があれば必ず従い、法律を執行すれば必ず厳格に、法律を破れば必ず追求する)をやり遂げるべきである。行政機関は法律法規を実行する重要な主体である。我が国では、80%以上の法律法規は、行政機関によって実行されている。政府機能の法律に基づく全面的な実行は、法律を実施する面においてもっとも重要なことである。忠実に憲法と法律を執行するのは、あらゆるレベルでの政府の神聖たる義務である。国家と社会事務の管理者である各レベルの政府は、リードと手本の役割を十分に発揮し、法治を信仰し、法治を堅持し、法治的な考え方を用いて、改革を深化させ、発展を推進し、矛盾を解決し、調和を維持し、あらゆる行政行為が法律的根拠により、妥当な手順を踏まえることが実現されてはじめて、全社会で法律の尊厳と権威を確立することができ、人々が法律を十分に信頼し、自ら法律を運用するように繋げられ、法律の効果的な実施を根本から確保できるのである。

 政府機能の法律に基づく全面的な実行は、政府の役割をよりよく発揮できるための重要な保障である。現在、我が国は全面に改革を深化させ、経済発展スタイルの転換を快速させる重要な時期に置かれている。社会主義市場経済体制改革を深化させ、社会ガバナンス体制を創造的に改革し、経済発展スタイルの転換を快速させるために、政府と市場、政府と社会の関係をよく整え、資源分配における市場の決定的な役割を発揮させ、社会パワーを十分に活かすと共に、政府の役割をよりよく果たすことが核心的な内容である。これは政府がモデル転換を加速させなければならない。政府の「やるべきこと」と「やるべきではないこと」を明確に区別し、ミクロ問題への介入を最小限に抑え、平等的な市場競争環境作り、必要な公共サービス提供、社会の平等正義維持に仕事の焦点を当て、「万能型政府」から「限定付き型政府」への転換を実現させる。政府のやるべきこと、干渉すべきではないこと、行使してよい権利、負うべき責任などは、最終的に法律によって決められるべきである。これは政府と市場及び社会との境界線を明確に引くための唯一の方法である。

 政府機能の法律に基づく全面的な実行は、政府の信頼性と執行力を高めるための急務である。信頼性と執行力は政府の生命力であり、与党の統制力の具体的な現れであり、国民の支持や、統制の成功と失敗に関わっている。現在、各レベルの政府の信頼性と執行力は、中国共産党中央政府、国務院、人民大衆の期待に比べれば、まだ遅れている。地方政府と部門においては、法律法規の違反、信頼性の喪失、命令伝達の障害、執行の不十分といった問題点がまだ顕著に存在している。これらの問題点を解決するには、政府機能の法律に基づく全面的な実行を強調せざるを得ない。政府は自ら法的拘束力を受け入れ、法律で定められた権力を行使し、法律で定められた手順を踏まえ、法的責任を負うべきである。そうして初めて、規則を守り、信頼性のある良好なイメージが形成され、安定した社会予期を実現させ、他の社会主体の行為を効果的に導くことができるようになる。同時に、各レベルの政府は、高度な責任感と意欲で、法律によって定められた職務を全面に実行し、上層部からの指示を過不足なく実施し、民衆によって反映された問題を全力で解決し、監督システムと責任追求制度を整え、行政効果を着実に高めるべきである。

 政府機能の法律に基づく全面的な実行の基本的な要求を正確に把握すること

 「職権法定」(職権は法律によって定められること)を貫く。「職権法定」は法律に基づく行政の基本的な要求であり、政府機能の法律に基づく全面的な実行の基礎でもある。社会主義市場経済の下で、法治政府の構築を加速させるためには、法律法規用いて、政府と市場、政府と社会の関係を調整し、政府職権が法律によって授けられ、手順が法律によって定められ、行為が法律によって制限され、責任が法律によって追及されることの実現を最大の努力で遂げる。

 職権法定を守るには、まず、行政機関の職能と権限を法律によって規定し、政府機構を科学的に設置し、人員削減を確認することで、政府責任の推進、機構と編成の法定化及び、組織の法定を実現させるべきである。「機構、機能、権限、手順、責任の法定化を推進すること」と『決定』によって明確に記述されている。行政機関が法律の範囲を超えた権利を設けてはいけないのは、法治政府の基本的な特徴であり、権利を制度のかごに乗せるための重要なキーである。しかし、実践においては、行政機関が法律法規の範囲を超え、無断に権利を設ける問題点はまだ存在する。例えば、審査手続きや審査事項を増やしたり、法律に違反する優遇政策を設けたり、地方と業界保護を行ったりするなどが挙げられる。そのため、行政権利は法律によって授けられるのを厳格に守らなければならない。各レベルの行政機関は、いかなる機能を果たす際に、行為から手順、内容から形式、決定から実行、あらゆる面において法律を守り、行政権利を法律と制度の枠組みの中で行使しなければならない。

 職務を全面に遂行することを貫く。職務を全面に遂行するのは、政府と市場、政府と社会の関係をうまく調整するための核心的な一環である。各レベルの政府は、法律によって授けられた経済コントロール、市場監督、社会管理及び公共サービスなどの職務を円滑的且つ全面に遂行してはじめて、経済社会の持続的健康な発展を促進できるようになる。全面に職能を遂行するには、「政治を簡潔化、権利を放す」ことを続け、行政承認制度の改革を深め、政府と市場の境界線をはっきりさせることが要求される。そうすることで、政府を原点に復帰させ、市場の役割をよりよく発揮し、人々に利益をもたらすが可能になる。

 全面的な職務遂行は、各レベルの行政機関が法律に従って、積極的に職務を遂行すること、法律によって決められた各種決策を着実に実施すること、法律に反映された意志と利益要求を維持し、実現させること、ただ受動的、或いは消極的に職務を遂行し、責任を負うだけで終わらないことが要求される。『決定』では、「行政機関は法的職責を貫くこと」、「責任を取り、責務を引き受ける勇気を備えること」などと明記されている。同時に、各レベルの行政機関は、法治精神に従い、積極的に責務を行い、法律制度の枠組みの中で行政管理を厳格に実施する必要がある。『決定』では、「断固として不作為や権利の濫用を是正し、断固として政務の怠けと疎かを克服し、断固として職務怠慢を厳重に罰する」と強調されている。また、全面に職能を遂行するには、社会管理と公共サービスを重視する必要がある。さらに、持続的基本公共サービス制度体系の建設を加速させ、公共サービス提供及び、社会公平正義の維持における政府の役割を果す必要がある。社会の声に応え、市場監督を強め、大衆に強く訴えられている生産安全、食品安全、環境保護、社会治安などの問題点を着実に解決し、経済社会の秩序を維持する必要もある。

 権利と責任の統合を貫く。権利と責任の統合は、法治政府の内在的要求である。政府の権力は、法律を通じて人民に与えられたものであり、人民に奉仕し、人民に責任を持つべきである。権利と責任、職権と職積の統合は、法治の基本要求であり、現代の責任政府の基本的理念である。国家の法律によって与えられた公共権力を部門権力と個人権力にするやり方や、権力だけ行使し、責任を負わないやり方は、法律に基づく行政の基本的要求に違反する行為である。

 権利と責任の統合を貫くには、法律によって、「法律を執行する際の保障があり、権利があれば責任もあり、権力を行使する際の監督を受け、違法すれば責任が問われ、権利を侵害する際の賠償をする」ことを実現させる必要がある。法律機関は法律に責任を持ち、自身の過失によって起こした法律上の責任を取らなければならない。権力があれば責任もあり、権力を行使すれば責任も尽くし、責任を負わない権力の存在は許せない。権力の行使が監督を受けねばならず、監督が全面的に行われ、監督を受けない権利の存在は許せない。違法を是正し、担当者が責任を取るような健全な行政訂正と責任追及の仕組みを備えるべきである。しかし、一部の地域と部門においては、行政権力の実行が公開的ではないこと、監督ルートが滞っていること、行政権利への監督が緩やかで甘いこと、事件が発生したにもかかわらず、調査せずに、矯正せずに、罪を賞罰しないことなど、問題点は相当存在している。

 これらの問題を解決しないと、正真正銘の責任政府を構築することは困難である。行政機関は法律違反、または、職権の不適切な行使をしたら、法律によって法的責任を負わなければならず、権利と責任の統合を実現させるべきである。職務の欠如、越権行為、職能の錯雑などの行政行為に対して、監督制約と責任追及を強化する必要があり、制度を「張子の虎」や「案山子」にするわけにはいけない。

 各レベルの政府は、各自の職責を果たすことを貫く。職責と権利の規範化、法律化を推進し、中央と地方政府の職責と権利に関する法律制度を改善するのは、政府機能の法律に基づく全面的な実行の前提である。改革の実践に存在する経済社会事務管理権限における中央と地方の境界が曖昧である問題や、職能が錯雑している問題、中央と地方政府の職責と権利を調整するための政策的書類が法的拘束力と権威性に欠けている問題などに対して、『決定』では、以下のように明記されている。「各レベルの政府の職責と権利の規範化、法律化を推進し、各レベルの政府、特に、中央と地方政府の職責と権利に関する法律制度を改善する。中央政府のマクロ管理、制度設定の職責と必要な法律施行権を強化する。省レベルの政府の統括を強化し、地域内における基本公共サービスの均等化を推進する。市と県レベルの政府の執行職責を強化する」。あらゆるレベルの政府が各自の長所をよりよく発揮し、職責を法律に基づいた全面的な履行ができるように、進むべき方向を明らかに示されている。

 「中央政府のマクロ管理、制度設定の職責と必要な法律執行権を強化する」というのは、中央政府がミクロ管理と具体的管理事項を段階的に減らすと共に、中央職権を強化することである。例えば、国防、外交、国家安全など全国政令の統一に関わることや、市場の統一を維持すること、地域の調和を促進すること、国家の各領域の安全を確保することなど、重要を事項を中央政府に集中させ、国家の統一された管理を強めるべきである。中央政府はマクロ管理を更に改善、強化し、開発計画の制定、制度システムの設計、大局的事項の統括的管理、体制改革の統括的協調などの職責を強化し、経済社会の安定的且つ健全な発展を推し進める。同時に、重要な領域における中央の必要な法律執行権を強化する。「省レベルの政府の統括を強化し、地域内における基本公共サービスの均等化を推進する」というのは、省における住民の基本公共サービス均等化の任務を省レベルの政府に任せるということである。「市と県レベルの政府の執行職責を強化する」というのは、公共サービス、市場監督管理、社会管理、環境保護などの面における市と県レベルの政府の執行職責を強化し、より積極的に措置を取り、大衆の日常生活、生産に密着している食品安全、市政管理、環境汚染など際立っている問題点を着実に解決し、現場に寄り添った管理ができる利点を十分に発揮することである。関連する法律の設定と改善を通して、中央と地方の各レベルの政府の職権を明確し、権限の授受における任意性を減少し、各レベルの政府が法治の軌道に乗った業務展開を保障する。

 政府機能の法律に基づく全面的な履行にめぐる主な任務

 行政組織と行政手順に関わる法律制度を改善する。組織法制と手順規則を改善するのは、政府機能の法律に基づく全面的な履行の重要な保障である。改革開放の30年以来、政府権力の規範化とコントロールを核心とした我が国の行政法律体系が次第に形成されてはいるが、全体的に見ると、行政組織と行政手順の法律制度は、まだ完備されていない。各部門の役割分担が主に「三定」によって規定され、解決される問題、中央と地方の関係が主に政策によって調整される問題、行政機関の職能が交錯しており、機関が重なりあい、多くの部門から政策が出される問題など、依然として目立っている。行政処罰、行政許可、行政強制以外の行政行為に対して、手順化された規定に欠けており、行政機関の自由裁判権がやや過大している。

 したがって、「行政組織と行政手順の法律制度を改善し、機構、職能、権限、手順、責任の法定化を推進する」という『決定』の要求に従い、政府職能の規範化、法律履行のシステム構築の重点として、行政組織と行政手順の法律制度の推進を加速する。政府権力の出所と境界、機構職責の設置、人員の配置は、法定化された方式で確立し、行政行為を行う全過程を法治化された軌道に乗せる。「一致された権力と責任、合理的な役割分担、科学的な決策、円滑的な執行、有力な監督」のような行政管理体制の形成に、制度的保障を提供する。

 政府権力のリスト制度を実施する。「政府権力のリスト制度を推進し、権利の貸出ができるような空間を断固として取り除く」と『決定』で明記されている。現在、行政承認業務がある60か所の国務院部門は、すでに行政承認のリストを公開しており、全国の省レベル、市レベル、県レベルの権力リストも続々と公開されている。既存の基礎の上で、政府権力のリスト制度を推し進めるには、以下のことをやるべきである。第一、政府権力の事項を全面に整理し、政府権力の境界を明確すること。行政承認事項のみならず、中央と地方の各レベルの政府、及びその業務部門は、憲法、法律や法規によって授けられた権限、職権範囲、手順などについて全面に整理し、法律に定められた権限と手順を明らかにすべきである。これは政府機能の法律に基づく全面的な履行をするための前提と基礎である。権力の交錯が存在する事項に対し、各レベルの政府、あるいは、同レベルの異なる部門の間では、相互の協調性を強化し、権限の境界線をはっきりさせ、責任を明確にする。レッドテープを通じて、法律法規の範囲を超えて、違法的に設定された権力事項に対し、断固として取り除くべきである。法律違反で行政権利を実施する非行政主体に対し、徹底的に無くすべきである。強化すべき行政権力を強化する必要もあり、政治の簡潔化、権利の手放しと監督の強化を2本立てで推し進め、調和させる。第二、政府権力リストを編成し、社会に公開すること。政府やその部門の権力設定根拠、実施主体について、審査及び確認を行い、目録を編成し、社会に公開し、社会からの監督を自発的に受ける。政府権力リスト以外の権力を一切実施してはいけないし、規定に反して、新たに設定することが更に禁止される。政府権力リストは、法律法規の修正及び改善によって、動態的に調整しなければならない。第三、制度を改善し、政府権力の執行過程を規範化すること。政府の権力執行手順、ふしぶし、過程、責任を分解し、細分化する。それに応じた政府権力執行基準、執行プロセス、監督制約制度を設定することを通じて、政府権力執行の任意性、異化と濫用を防止する。

 監督と責任追求のメカニズムを改善する。政府権力対する効果的な監督は、法治政府を構築する鍵である。まず、政府内部の監督を強化すること。行政機関内部において、業績と効果評価システムを充実させるべきである。評価指標システムを科学的且つ合理的に設計し、責任の明確化を推し進め、評価結果を奨励処罰、または、昇進の重要な根拠とする。同時に、相応する奨励制度を改善し、業績と効果の優れた部門と人員を表彰する。上層部の行政機関は、下の行政機関に対する指導と監督を着実に強め、違法や不正行政行為を直ちに正さなければならない。

 次に、政府情報の公開を拡大する。行政機関は政府情報の公開を法律に基づく行政の重要な内容としなければならない。法律に基づき、職権執行の根拠、条件、要件、過程と結果を公開し、行政権力を公平且つ透明に執行し、大衆が見える、分かる、監督できるようにする。また、行政責任の追及を厳しくする。行政責任追及の立法を強化し、法律に基づいて、行政責任追及を規範化させ、保障する。行政監督法、公務員法、行政機関公務員の処罰条例、党の政治リーダーの責任追及制暫定規定を厳しく実施し、過失があれば必ず改正、責任があれば必ず追究できるようにする。条令を執行しないこと、禁止事項を違反すること、職務を履行しないこと、職務を怠慢すること、法律違反で行政を行うことで、地域や部門において、重大な責任事故、事件、または、重大な違法行政事件を招いた場合、法律に基づき、関係責任者、最高経営責任者の責任を厳格に問い、行政機関と担当者の法律に基づいた職権と職責の履行を監督し、促進する。

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