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法に基く国家統治の方策はどうのように形成され、発展したのか

発表時間:2014-12-01 | 字体拡大 | 字体縮小

著者:王利明 | 出所:『求是』2014年第21号

 党の第18期第4回中央委員会全体会議(以下、全会とする)は法に基く国家統治を全面的に推進する重要な戦略任務をうち出した。中国共産党は法に基く国家統治を全面的に推進する強靱な指導中核であり、党の指導は社会主義法治の最も根本的な保障である。法に基く国家統治は党が人民を指導し、国政運営の基本方策である。法に基いて政権を担当することが党の執政の基本的な方式である。法に基く行政は政府の行政権を運行する基本原則である。今回の全体会議は法に基く国家統治を全面的に推進するためにはっきりしたロードマップを制定し、中国の特色ある社会主義法治体系、社会主義法治国家を建設する総目標をしっかりと中心に据え、システム的に計画し、全面的な配置をおこなって、法治中国の構築のために新しい一章を書き出した。今回の全体会議がうち出した『決定』は党の第15回代表大会報告で提起された「法に基く国家統治」の更なる深化であり、わが国の社会主義法治国家の建設は新たな歴史段階に入ったことを表明している。こうした戦略計画を理解するには、法に基く国家統治方策を形成し、発展した過程を振りかえる必要がある。総じて言えば、法に基く国家統治基本方策の形成と発展は、大体以下の3段階を経験した。

 第1段階、育んだ段階

 (1978年~1997年)

 1949年、中華人民共和国が成立し、中国共産党は政権党となった。党はどのように政権を執るか、どんな方策で国家統治をするか、この問題について、党は苦難に満ちた曲がりくねた模索・探究の過程を経験した。1954年、中華人民共和国の最初の憲法が制定され、一応社会主義法制の基礎が打ち立てられた。「文化大革命」の10年間、社会主義法制はひどく破壊された。10年動乱後、「文化大革命」の深い教訓を総括したことを踏まえて、わが党は国家統治の新しい方法を探求し始めた。党の第11期第3中全会が開催する直前の中央活動会議で、鄧小平同志は次のように強調し、人民民主を保障するため、必ず法秩序を強化し、人民民主の制度化、法律化をはからなければならず、依拠すべき法があり、法律があれば従わなければならず、法の執行を厳しくして、違法をすれば必ず追究する。この談話は、法制の健全化の基本要求を正確かつ簡潔に16字にまとめて、鄧小平同志の民主と法制思想の基本精神を体現し、わが国の法に基く国家統治基本方策の形成のために基本理論の基礎を打ち立てた。

 党の第11期第3中全会は確立して思想を解放して、事実に基づいて真実を求める思想路線、同時に社会主義の民主を強化し、社会主義の法制を強化する任務と目標を出した。全体会議コミュニケは次のように指摘し、「人民民主を保障するには、社会主義の法秩序を強めて、民主の制度化、法律化を推し進め、この制度と法律の安定性、連続性と絶大な権威をもたせなければならない。つねに依るべき法律があり、法があればかならず依拠し、法を執行するにはかならず厳正で、法にそむけばかならず追及する」。この「16字方針」は、法治の基本的精神の核心を正確に述べ、法に基く国家統治の基本的内包を詳しく述べて、法に基く国家統治方策の最終に提起したために思想的基礎を打ち立てた。鄧小平同志はまた次のように強調した、「四つの現代化を実行するには二つの手法が必要で、一つの手法だけでは駄目だです。二つの手法とは、一方では建設に力を入れ、一方では法秩序に力を入れることである」。これは更に法に基く国家統治の実施する方向を指し示した。

 党での第11期第3中全会精神の指導の下、党は人民を指導して一連で重要な立法活動を行った。1979年第5期全国人民代表大会第2回会議では刑法などの7部の重要な法律が採択された。1982年、全国人民代表大会は現行の憲法が採択した。この憲法第5条第1項目が次のように規定し、「国家が社会主義の法秩序の統一と尊厳を守る」、これは憲法の中における法に基く国家統治を最初述べたのでり、一応法に基く国家統治方策の憲法の基礎を打ち立てた。憲法は国家統治・の長期安定をはかる総規程である。人民にとって、これは基本権利の宣言書である。わがの党にとって、これは政権を運営して国を発展させる法的保障である。憲法の関連法律の規定によって、司法機関は再建された。党の第11期第3中全会後、「経済建設を中心とする」と「中国の特色ある社会主義を建設する」基本思想と方針に従って、立法機関は立法過程を推し進め始めて、相前後して民法通則などの一連の重要な民事、経済の法律を制定し、改革開放と社会主義現代化建設のために強固な法的保障を提供した。

 改革開放の深化と社会主義市場経済体制の確立は、法制の建設の着実な進歩を強力に推し進めた。1989年、行政訴訟法の公布は、わが国法治政府建設の重要な始まりである。1993年、党の第14期第3中全会で採択された『社会主義市場経済体制の構築をめぐる若干問題に関する中共中央の決定」において「各級政府はみな法に基く行政をし、法に基いて事をはこばなければならない」。これは初めて党の正式文書の中で「法に基く行政」を提起し、法治政府の建設を法治建設の重点とすること、更に法に基く国家統治の内包を豊かにした。この時期、国家賠償、行政再審議、公務員などの法律制度は次々と確立され、政府の行政行為は法律規範の軌道に逐次組み入れられた。司法機関は犯罪を取り締まり、人民の権益の保護の中で日に増しに重要な役割を発揮し、次第に経済発展の需要と国家統治に適応する司法体系を形成した。

 この段階で、法に基く国家統治方策はまだ提起していないが、「16字方針」の提起と憲法および一連の重要な法律の改正と実施は、法に基く国家統治の基本精神をはっきり、詳しく解釈し、社会主義の法制体系は形成し始めた。こうしたことは法に基く国家統治方策の形成のために思想的基礎と制度的基礎を打ち立てた。

 第2段階、形成と発展の段階

 (1997年~2012年)

 党の15期代表大会は法に基く国家統治の基本方策を正式にうち出した。15回代表大会報告は次のように指摘し、「法に基く国統治は、党が人民を指導した国家統治の基本方策であり、社会主義市場経済を発展する客観的な需要であり、社会文明が進歩する重要な標識であり、国家の長期安定の重要な保障である」。こうして法に基く国家統治を正式に国家を治める基本方策と引き上げた。法に基く国家統治方策の提起は、わが党の国家統治の経験に対する全面的な総括と昇華であり、党の執政の理念、指導方式の上で歴史的飛躍を実現し、わが国のそれ以後の国家統治と社会統治のために方向を明示し、一里塚の意義を持っている。「法治」と「法制」は1字の差しかないが、その内包はかなり大きな違いがあり、つまりもう「法律」をただ統治の道具だけでなくなり、国家制度の根拠と基礎とし、国を治める基本方策である。この時点から、「法制」はその本来の意義に回復し、法・制度の総称となり、主として法律の規則の面から法体系の完全的かつ統一的なことを強調している。「法治」は人治(主義)と対立する国家統治の方策として、法に基く統治を強調して、「法に基いて事を運ぶ」制度と運行仕組みの具備を求めるだけではなく、法律の前ですべての人の平等、権力の規範化、権利の保障、手続きの公正、良き法の支配の精神と価値を強調している。

 1999年3月、第9期全国人民代表大会大2回会議では採択された憲法の修正案が次のように定め、「中華人民共和国は法に基く国家統治を実行し、社会主義法治国家を建設する」。そしてこの条項を憲法の第5条の第1項目として、法に基く国家統治を憲法の基本原則として正式に確立し、国家の根本法律を通じて法に基く国家統治のに対して保障を与え、それに憲法による保障されるようになり、「法に基く国家統治」の基本方策は長期的かつ安定的な制度上の基礎えを持たせた。

 党の15回代表大会が法に基く国家統治の基本方策をうち出すことを踏まえ、党の第16期代表大会は法に基く執政は、絶えず執政能力を高める思想を堅持し、絶えず党の指導方式と執政方式を改革し充実するようを求め、民主、法治、人権の建設をこれまで「精神文明」の範疇から独立し出し、「政治文明」の概念を正式にうち出したことで、更に法に基く国家統治の内包を豊かにし、法に基く国家統治とその他統治の方式との関係をはっきりした。党の第16回代表大会は「三つの統一」の法治原則をうち出し、つまり「社会主義民主政治を発展させるには、そのもっとも根本的なことは党の指導の堅持、人民の主人公としての地位の確立と法による治国を有機的に統一させることであり」、こうして中国の特色ある社会主義は法に基く国家統治の方策という根本原則を確立した。2004年、党の第16期第4中全会は「科学的な執政と民主的な執政、、法に従った執政」の理念を出して、法に基く執政を中国共産党の政権担当の基本方式の一つとした。これは、わがの党は新しい歴史の時期に必ず執政方式の根本的な転換を実現し、法治を国政運営の基本方式としなければならないことを深く理解したことが明らかになった。法に基く執政をするには、党が立法を指導し、法律の執行を保証し、率先して法律を守り、更に法に基く国家統治と党の指導を結合するようにしなければならないことを求められている。「法に基く執政」をうち出したことは、わが党の法に基く国家統治理念の更なる深化と発展を表明している。

 法に基く国家統治の基本方策の指導の下、わが国の立法事業は重要な進展と著しい効果を収めた。15回代表大会の報告に基づいて2010年まで「中国の特色ある社会主義法体系を形成する」要求を打ち出し、2010年、わが国は期限どおりに憲法を始めとして憲法の関連法律、民法・商法など多数の法律部門の法律を基幹として、法律、行政法規、地方的な法規などの多層的な法律規範からなる中国の特色ある社会主義法体系を形成し、国家と社会生活の各方面は総体的に従うことができる法があることを実現しました。これはわが国の社会主義の民主法制度の建設の歴史の上の重要な一里塚である。

 法に基く国家統治の重要な構成部分として、法に基づいた行政も明らかな進展を得た。国家は『法に基く行政の実施を全面的に推し進める綱要』の中で、「法に基く行政を全面的に推し進め、10年前後のたゆまぬ努力で、法治政府建設の目標を基本的実現する」と提起するとともに、法律の執行に対する監督を強化し、法に基く行政を進めるよう明確に提起した。行政処罰法、行政許可法など一連の重要な法律の公布以後、多くの行政行為の規範化した法律法規は次々と実施され、行政公聴、告知・弁明、情報公開となどの行政手続きは次々と確立し、われわれが法に基く行政、法治政府の確立する面で初歩的成果を得たことが示されている。

 法に基く国家統治方策を実施する要請に適応し、国家は司法建設・改革を着実に推し進めた。最高人民法院は相前後して『人民法院5年改革綱要』と『人民法院第2次5カ年改革綱要』を発表した。最高人民検察院は相次いで相応する改革措置をとった。これらの措置は訴訟手続き制度を改革し充実させ、司法の公正の実現を目指して、司法の効率を高め、司法の権威を守り、司法への大衆の信頼感を高めることに力を尽くして、中国の特色ある社会主義の司法制度の発展を促進した。

 この段階で、法に基く国家統治の方策が正式に確立され、法治の観念の普及が力強く推し進められ、中国の特色ある社会主義法体系の形成を導いて、法治政府の建設と司法体制の改革を促進し、わが国の法治建設は立法、行政、司法などの各分野においてすべて重大な進展と著しい成果を獲得した。

 第3段階、充実化の段階

 (2012年~現在まで)

 党の第18回代表大会は次のように強調し、法に基く国家統治は党が人民を指導して国家統治の基本方策であり、法治は国政運営の基本方式である。党の18回代表大会は法に基く国家統治の新しい任務と目標を確立し、つまり2020年まで小康社会を全面的に完成した際、法に基く国家統治の基本方策は全面的に実行され、法治政府は基本的に構築され、司法に対する大衆の信頼感は絶えず高まり、人権は着実に尊重され保証されるようになった」。この戦略目標は2020年、小康社会の全面的な実現という雄大な目標を同時に提起したのであり、更に法に基く国家統治の重要性をはっきりと示した。習近平同志は何度も法に基く国家統治の重要性を強調し、「法治中国を建設する」国家統治の目標を打ち出すとともに、それを中国の夢の雄大な青写真を実現する重要な内容として位置付けた。これは、法に基く国家統治は小康社会の全面的な完成、中華民族の偉大な復興の中国の夢を実現する重要な保障であると表明した。

 党の第18期代表大会以来、法に基く国家統治の方策は全面的な改革の深化諸施策の推進を中心に更に繰り広げた。党の第18期第3中全会は市場の資源配置における決定的役割の発揮、行政機能の簡素化、権限の末端への委譲、政府の機能転換を提起した以上、必然的に政府の許認可審査権限を圧縮し、政府と市場と社会の関係を明確にし、行政と企業の関係、行政機関と事業体との関係をきちんと整理しなければならない。更に明確な行政の権力の境界線をはっきりさせ、行政の行為と手続きを規範化し、行政情報の公開を強化し、問責制・仕組みによって、違法や職務上の過失行為への追及する度合いを大きくし、こうすれば、高効率廉潔・サービス型法治政府を構築するために良好な基礎を打ち立てた。同時に、党の第18期第3中全会の精神に則って、法治中国を建設するには、必ず司法体制の改革を深めなければならず、公正で高効率の権威ある社会主義司法制度の整備を加速しなければならない。これはわが国の司法改革のために有利な条件を作り出した。

 改革が「深水区」と「難関突破の段階」に入った後、習近平同志は何度も指摘し、すべての重要な改革に属するものが法律的根拠がなくてはならず、改革の全過程において、立法による引率と推進の役割を発揮しなければならない。第18期第3中全会は、国家統治体系と統治能力の現代化を推し進めるべきだと提起した。法治は現代国家の重要な標識であり、法治能力は最も重要な国家統治能力であり、法治化は国家統治現代化の重要な標識であり、国家統治現代化の核心内容でもある。国家統治体系と統治能力現代化という目標の下、全面的に改革を深める重点の一つが、法に基く国家統治方策の具体的な実行を推し進めることである。正にこの背景の下、党中央は初めて法に基く国家統治を党の第18期第4中全会のテーマと確立した。この2度の全体会議の『決定』はまさに姉妹篇と形成された。

 党の第18期第4中全会が長期以来、特に党の第11期第3中全会以来わが国の社会主義法治建設に得たる歴史的な成果をを高く評価し、法に基く国家統治の経験を系統に総括し、法に基く国家統治の全面的な推進に関する若干の重要問題を研究し、法に基く国家統治について全体的配置と全面的に計画を立て、これはわが党の歴史上かつてなかったことである。今回の全体会議は法に基く国家統治方策について更なる充実させ、社会主義法治国家体系と社会主義法治国家を建設する総目標をうち出し、1997年党の15回代表大会のうち出した社会主義法体系の形成と比較すれば、「法治体系」と「法体系」は一字の差しかないが、その内容と精神は実質的にすでに明らかに変わった。法体系は立法の面の依るべき法律があることを重視するが、法治体系は科学的立法、厳格な法律執行、公正な司法、全国民順法の全過程をカバーし、法に基く国家統治、法に基く執政、法に基く行政と法治国家、法治政府、法治社会の各方面を含む。この目標を実現するために、今回の全体会議は「五大体系」の建設を打ち出し、つまり完備・規範化の法律体系、高効率の法治実施体系、厳密な法治監督システム、力強い法治保障体制、整った党内法規体系を形成するとともに、法に基く国家統治を堅持し、法に基く執政、法に基く行政を共に推し進めることを強調し、法治国家、法治政府、法治社会の一体化建設を堅持し、科学的立法、厳格な法執行、公正な司法、国民全体の順法を実現し、国家統治体系と統治能力現代化を促進することを強調した。これは実に中国の特色ある社会主義法治体系の建設を明確にし、社会主義法治国家を建設する具体的なロードマップを明確にした。同時に、法に基く国家統治は必ず憲法に従って国を治めなければならないと強調した。法に基く国家統治は、まず憲法に従って国を治めることである。法に基く政権を執ることは、肝心なことは憲法に基づく政権を執るこである。法治の理念が人の心に深く入り込む背景の下、今回の全体会議は法に基く国家統治を具体的に実施するロードマップと制度的保障を科学的に計画した。これはわが党の執政の法則に対する科学的な認識と深く総括した結果であり、経済社会の発展の内在的要請と必然的な結果でもあり、「二つの百周年」の奮闘目標(中国共産党創立百周年までに小康[ややゆとりのある]社会を全面的に築き上げ、新中国成立百周年までに富強・民主・文明・調和の社会主義現代化国家を築き上げるという目標)を実現し、中華民族の偉大な復興の中国の夢を実現するために力強い法治的保障を提供した。

 わが国は法に基く国家統治基本方策の提起、発展と充実化の歴史的な経験は、党の強靱な指導は中国の特色ある社会主義最も本質の特徴であり、中国の特色ある社会主義法治の道を確固として歩み、絶えず社会主義法治建設を進めるが最も根本的な保証であることを表明した。党の指導を法に基く国家統治の全過程と各方面に貫徹すること、これはわが国の社会主義法治建設の基本経験の一つである。世事が限りがないが、人の心はあくまでも帰着がある。富強、民主、文明的かつ調和な社会主義現代化国家は、近代以来の中国人のこつこつと求める夢であり、社会主義法治はこの追求を実現する上の重要な保障である。党の第18期第4中全会は法に基く国家統治方策の実現のための段取りと具体的な内容を全面的に計画したことにより、必ず国家統治体系と統治能力現代化を力強く推し進め、国家の長期安定、社会の調和的発展、人民の幸福を実現するであろう。

  (作者、中国人民大学常務副学長、中国法学会副会長)

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