ご意見・ご感想

中国人民政治協商会議成立65周年祝賀大会における演説

発表時間:2014-11-14 | 字体拡大 | 字体縮小

著者:習近平 | 出所:2014年9月22日付け「光明日報」

中国人民政治協商会議成立65周年祝賀大会における演説
習近平

(2014年9月21日)

同志の皆さん、友人の皆さん 

  本日、われわれはここに盛大な集いを催し、中国人民政治協商会議成立65周年を祝う。この65年、人民協商会議は中国共産党の指導のもとで、新中国の成立、新中国の建設、改革の道の模索、中国の夢の実現という偉大な実践に積極的に身を投じて、輝かしい道のりをたどり、歴史的功績を打ち立てた。 

  まず、私は中国共産党中央を代表して、成立65周年を迎える中国人民政治協商会議に熱烈な祝賀の意を表す。中国の特色ある社会主義事業にともに力を尽くし、人民政治協商事業に優れた貢献をした各民主党派、全国工商業連合会、無党派の方々、各人民団体、各民族と各界の方々に対し、崇高なる敬意を表す。香港特別行政区の同胞、澳門特別行政区の同胞、台湾の同胞、海外の華僑同胞に対し、心からの挨拶を贈る。 

  今日このとき、われわれは毛沢東同志、周恩来同志、鄧小平同志、鄧穎超同志、李先念同志ら古い世代の人民政治協商事業の指導者をいっそう深く偲ぶことになる。われわれは、人民政治協商事業に貢献したすべての人たちのことをいつまでも忘れることなく、新しい時代の条件のもとで人民政治協商事業を引き続き前へ推し進めていく。 

  同志の皆さん、友人の皆さん 

  1949年9月21日から30日にかけて、中国人民政治協商会議第一回全体会議が開かれた。この会議は全国各民族人民の意思を代表し、全国人民代表大会の権限を代行して、暫定憲法の性格をもつ「中国人民政治協商会議共同綱領」と「中国人民政治協商会議組織法」、「中華人民共和国中央人民政府組織法」を採択し、中華人民共和国の首都、国旗、国歌、紀年に関する4つの重要決議を行ったほか、中国人民政治協商会議全国委員会と中華人民共和国中央人民政府委員会を選出し、中華人民共和国の成立を宣言した。 

  このことは、中国人民が100年以上にわたって目指した民族の独立と人民解放の運動が歴史的な偉大なる勝利を収め、愛国統一戦線と全国人民の大団結が組織上完全に成し遂げられ、中国共産党の指導する多党合作・政治協商制度が正式に打ち立てられたことを示している。人民政治協商会議は新中国の成立に重要な貢献をした。 

  新中国成立後、人民政治協商会議は国民経済の回復と発展、誕生したばかりの人民政権の強化、諸般の社会改革の推進、社会主義革命と建設の促進のために歴史的な貢献をした。1954年に全国人民代表大会が初めて召集されて以降、人民政治協商会議は多党合作・政治協商の機構として、統一戦線組織として引き続き重要な役割を果たし、社会主義的改造の実現や、各種社会勢力による国家の総任務達成のための奮闘の促進、国家の政治生活の活性化、統一戦線内部の関係調整、国際交流の拡大などの諸方面において重要な役割を果たし、新中国における諸般の建設を推し進めるために尽力した。 

  中国共産党第11期3中全会以後、鄧小平同志は、「新たな時期における統一戦線と人民政治協商会議の任務は、あらゆる積極的要素を引き出し、消極的要素を積極的要素に転化させることに努め、団結できるすべての勢力を結集し、一心同体となり、衆知を集め、力を合わせ、安定・団結の政治的局面を維持、発展させ、わが国を現代化した社会主義の強国に築き上げるために奮闘することである」と述べた。鄧小平同志を中核とする中国共産党の第二世代の中央指導グループは、新しい時期における人民政治協商会議の性格と任務を明確に示し、中国共産党と各民主党派が「長期にわたって共存し、互いに監督し合い、肝胆相照らし、栄辱を共にする」という方針を打ち立て、人民政治協商会議の性格と役割を憲法に盛り込むことを推進した。江沢民同志を中核とする中国共産党の第三世代の中央指導グループは、中国共産党が指導する多党合作・政治協商の制度を中国の基本的政治制度と位置づけ、憲法の改正により同制度を長期的に存続、発展させる意思を明確化し、人民政治協商会議の性格や主題、機能を新たにした。胡錦涛同志を総書記とする中国共産党中央は「人民政治協商会議を強化する取組みに関する意見」などの文書を策定して、新世紀の新しい段階における人民政治協商事業の発展のために理論的基礎、政策的根拠、制度的保障を提供した。 

  中国共産党第18回党大会以来、中共中央は人民政治協商に関する仕事を非常に重視し、人民政治協商会議の位置づけをいっそう正確にとらえ、人民政治協商会議が協商民主の重要なチャンネルとしての役割を十分発揮し、団結と民主という二つの主題を中心に置いて政治協商、民主的監督、国政参画・協議に関わる制度の整備を推進することを強調してきた。人民政治協商会議はこれまでの機能を受け継ぎつつ発展に励み、発展の中で革新を図るとともに、経済建設をしっかりと中心に据えて国家の大局に尽力し、改革の全面的深化に向けて共通認識の形成、力の結集、建議・提案に取り組んで、新たな積極的貢献をしてきた。 

  65年にわたる人民政治協商会議の発展の道のりを振り返ると、われわれは次のような深い認識に達した。つまり、中国の歴史と文化に根ざし、近代以降の中国人民の革命の偉大な闘争から生まれ、中国の特色ある社会主義の輝かしい実践の中で発展を遂げた人民政治協商会議は、鮮明な中国の特色を持ち、国家の富強と民族の振興、人民の幸福を実現するための重要な力である。そして、われわれは十分な理由をもって、輝かしい歴史をつくり出した人民政治協商会議が、さらに輝かしい未来を育むこともできる、と確信している。 

  同志の皆さん、友人の皆さん 

  人民政治協商会議の65年にわたる豊富な実践は貴重な経験を積み重ね、われわれが人民政治協商会議に関わる仕事にしっかり取り組むために重要な原則を立てた。 

  ◇人民政治協商に関わる仕事にしっかり取り組むには、中国共産党の指導を堅持しなければならない。中国共産党の指導は各民主党派、各団体、各民族、各階層、各界の人々を含めた全中国人民共通の選択であり、中国の特色ある社会主義の最も本質的な特徴であり、人民政治協商事業が発展と進歩を勝ち取る根本的保障でもある。人民政治協商事業が正しい方向に沿って発展するには、いささかも揺るぐことなく中国共産党の指導を堅持しなければならない。 

  ◇人民政治協商に関わる仕事にしっかり取り組むには、人民協商会議の性格上の位置づけを堅持しなければならない。人民政治協商会議は統一戦線を成す組織であり、多党合作・政治協商を進めるための機構であり、人民民主主義の重要な実現形態であり、中国の特色ある社会主義制度の鮮明な特徴を示している。人民政治協商会議は憲法・法律と政治協商会議の規約に基づいて自らの性格を的確に位置づけた上で、自らの諸般の仕事と事業の持続的な前進と発展を大いに推進しなければならない。 

  ◇人民政治協商に関わる仕事にしっかり取り組むには、高度の団結と高度の連携を堅持しなければならない。高度の団結と高度の連携は統一戦線の本質的な要請であり、人民政治協商組織の重要な特徴である。人民協商会議は中華人民共和国を愛し、中国共産党の指導を擁護し、社会主義事業を擁護し、中華民族の偉大な復興の実現にともに尽力するという政治的基礎を堅持して、すべての積極的要素を最大限に引き出し、団結できるすべての人々と団結し、偉大な事業の達成のために協力し合う強大な力を結集しなければならない。 

  ◇人民政治協商に関わる仕事にしっかり取り組むには、社会主義民主を堅持し、発揚しなければならない。人民民主主義は社会主義の生命であるが、人民政治協商制度は人民民主主義の重要な形態である。人民政治協商会議は国家統治ガバナンス体系と統治能力の現代化推進という要請に即応し、あくまで改革・革新の精神を貫いて人民政治協商の理論・制度・仕事面の創造・革新を推進し、民主の形態を豊かにし、民主ルートの円滑化を図り、各党派、各団体、各民族、各階層、各界の人々を効果的に動員して国政の協商に当たらせ、幅広く効果的な人民民主主義の実現を促していかなければならない。 

  同志の皆さん、友人の皆さん 

  われわれの目標が高ければ高いほど、展望が明るければ明るいほど、われわれの使命はますます重大になり、責任もいっそう重くなる。それだけに、全民族の英知と力を結集し、共通認識を広く集め、絶えず団結を深める必要がある。人民政治協商会議が栄えある伝統を受け継ぎ、職責履行の能力を高め、「二つの百周年の奮闘目標」の達成と中華民族の偉大な復興の夢の実現のために新たな、より大きな貢献をするよう希望する。 

  第一に、中国の特色ある社会主義制度の優位性と特徴を堅持すること。「履くつにして必ずしも同じくすべからず、期するは足に合う。治おさむるにして必ずしも同じくすべからず、期するは民に利する」。中国の特色ある社会主義制度の生命力は、この制度が中国社会の土壌で育まれてきたことにある。人民政治協商会議は中国の国情に適い、鮮明な中国の特色をもつ制度設計である。 

  人民政治協商会議はあくまで中国の特色ある社会主義の堅持・発展を、共通の思想的・政治的基盤を強化するための主軸に据えなければならない。また、中国共産党の指導・人民主体・法に基づく国家統治という三者の有機的な統一を堅持し、中国共産党の定めた政策と活動計画を人民政治協商の中に貫徹させ、人民政治協商会議の性格、位置づけ、職責、役割を的確にとらえ、いかなる時も揺るぐことなく中国の特色ある社会主義の政治発展の道を歩まなければならない。 

  第二に、あくまで改革・発展を最も重要な着眼点とし、政治協商会議の英知と力の限りを尽くすこと。中国は依然として社会主義の初期段階にあり、しかも世界最大の発展途上国であるため、発展はなおも中国におけるすべての問題を解決する上でのカギである。われわれの直面している中心的な任務は、重要な戦略的チャンスの時期をしっかりつかみ、活用して、改革を全面的に深め、絶えず社会的生産力を解放し、発展させ、諸般の事業の全面的な発展を促し、人民の生活をよりよく改善し、保障することである。 

  人民政治協商会議は代表性が強く、連係の範囲が広く、包括性が高いという強みを十分に生かし、科学的発展の推進と改革の全面的深化における重要な問題と大衆が強い関心を寄せている問題に焦点を合わせ、調査・研究を深く進め、改革・発展のために現実に即し、実効性もある提案を出すよう努めなければならない。政治協商会議委員の皆さんには、改革・発展に関わる国の基本方針を積極的に宣伝し、それぞれの支持層が改革・発展をサポートし、それに参加し、新しい情勢のもとで改革・発展がもたらした利益構造の調整に正しく向き合い、改革・発展のために一丸となって全力を尽くしてもらいたい。そして、忌憚ない意見や忠言を述べ、偽りのない状況をタイムリーに報告するようにし、提案や批判を行う勇気をもち、不足点の発見や問題の解決を手助けし、諸般の改革・発展の政策措置が徹底されるよう促さなければならない。 

  第三に、あくまで協商民主の発展における人民政治協商会議の重要な役割を発揮させること。人民政治協商会議は憲法と政治協商会議規約、関係政策を拠り所とし、中国共産党の指導する多党合作・政治協商制度を保障として、協商・監督・参画・合作が四位一体となって機能し、社会主義協商民主の重要なルートである。 

  人民政治協商会議は専門的な協商機構としての役割を発揮し、協商民主を職責履行の全過程に貫かせ、政治協商と民主的監督、国政参画・協議の制度整備を推進し、絶えず人民政治協商会議の協商民主の制度化・規範化・手順化の水準を高め、社会関係の調整や力の結集、助言・提案の提出、大局への奉仕にいっそう取り組まなければならない。また、協商の内容を拡大し、協商の形態を多様化し、協商議題の提示や活動の展開、協商の成果の採用・徹底化、フィードバックの仕組みを構築・健全化する。そして、常に特定テーマの協商や、直接関係者による協商、分野別協商、提案の取り扱いをめぐる協商をより柔軟に行い、インターネット上の国政協議や遠隔協商などの新しい形態を模索し、協商の効率を高め、各委員がそれぞれ述べたい意見を理性を保ちながら法律や規約に基づいて思う存分に述べられる好ましい協商の雰囲気をつくり出すよう努めなければならない。 

  第四に、あくまで中華民族の偉大な復興の実現につながるプラスのエネルギーを幅広く結集すること。人民政治協商会議は最も広範な愛国的統一戦線の組織である。統一戦線は中国共産党が革命・建設・改革事業の勝利を勝ち取るための重要な宝であり、中華民族の偉大な復興を実現するための重要な宝でもある。 

  「材木一本だけでは大たい廈か(大きな建物は)は絶対完成できず、川の流れ一本だけでは広い海には絶対なれない」。それゆえ、次のような取り組みを行う必要がある。◇中国共産党の指導する多党合作・政治協商制度を堅持し、充実させ、活動の仕組みを完全なものにし、活躍の場をより多く作り、民主党派と無党派の人々が政治協商会議の中でその役割をよりよく発揮するための条件をつくり出す。◇党の民族政策と宗教政策を全面的に貫徹し、各民族の大衆が偉大な祖国、中華民族、中華文化、中国の特色ある社会主義の道に対するアイデンティティーを強化するよう積極的に導き、宗教界の人々と信者たちの経済社会の発展推進における積極的な役割を十分発揮させ、民族間の団結と宗教間の仲良い関係を促進する。◇揺るぐことなく「一国二制度」、「香港の人々による香港統治」、「澳門の人々による澳門統治」、高度の自治という方針を徹底し、基本法の全面的かつ正確な実施を推し進め、内陸部と香港、澳門との交流・協力を促進し、香港、澳門の長期的な繁栄と安定を維持する。◇「海峡両岸はひとつの家族」という認識を堅持して、台湾地域の関係党派・団体や社会組織、各界の人々とのつながりと意思疎通を拡大し、両岸関係の平和的発展を推進する。◇海外の華僑同胞、帰国した華僑とその家族とのつながりを強め、彼らの合法的な権利と利益を守り、彼らが祖国(または本籍国)の現代化建設と平和的統一の大事業に積極的に参加し、助力し、中国と世界各国との文化交流の促進を後押しする。◇平和・発展・協力・ウィンウィンの旗印を高く掲げ、国の対外活動の包括的な実施計画にしたがって、各国の国民や政治団体、メディア・シンクタンクなどとの友好交流を深め、人類の平和と発展の崇高なる事業を促進するために積極的な貢献をする。 

  第五に、あくまで職責履行能力の向上に努めること。人民政治協商会議は国家統治体系の重要な構成部分であるため、改革の全面的深化の要請に応じて、思考法の変革、理念の刷新、措置の徹底化により職責履行能力の向上に大いに取り組み、国家統治体系と統治能力の現代化を推進する中でより大きな役割を発揮しなければならない。 

  人民政治協商会議は政治的判断能力を高め、理想・信念を打ち固め、政治的アイデンティティーを強化し、科学的な理論を用いて情勢の分析・判断を行い、問題を検討し、解決する能力と水準を向上させる。また、調査・研究能力を高め、問題意識をもって実際の中に深く入り、本当の状況を把握して、衆知を集め解決策を出し、対策案が的確性をもち、問題の核心をつかめるようにする。大衆と結びつく能力を強め、大衆工作の方法を刷新するとともに、各界大衆の利益表明のルートを円滑にし、さらに広げ、架け橋と紐帯としての役割を発揮させる。協力してともに実務に取り組む能力を高め、共通点を求めて相違点を残し、寛容な態度で他人の立場を理解するという優れた伝統を発揚し、民主的な協商と平等な討議という活動原則を貫いて異なる意見が存在することと表明されることを尊重し、寛容な態度を保ち、民主的態度でもって人々と団結し、絶えず共通認識を拡大し、協力・連携関係を強化する。 

  一方、中国共産党の各級の党委員会は人民政治協商事業の発展を重視し、後押しし、人民政治協商会議による政治協商を重要な一部分として政策決定のプロセスに組み入れ、政府と政治協商会議とともに年度活動計画を策定・実施しなければならないが、協商すべきだとはっきりと定められた事項については協商を経てから政策の決定と実施の段階に移さなければならない。人民政治協商会議の民主的監督を強化し、民主的監督に対する組織的指導、権利と利益の保障、状況のフィードバック、意思疎通・協調の仕組みを完全なものにする。人民政治協商会議が国政参画・協議をより深く地道に行うよう促し、重要課題の調査・研究を政治協商会議に委託し、政治協商会議委員を招いて重要プロジェクトの検討・論証に参加してもらうとともに、国政参画・協議の成果を採用し、実行に移す仕組みを充実させ、人民政治協商会議が行う国政運営に資する助言の役割をよりよく発揮させる。政治協商会議の指導陣づくりを大いに重視し、委員の選出体制を改善して、代表性が強く、参議の水準が高く、大衆から認められた才徳兼備の優れた人々を真に委員会に取り込むようにする。経済社会の発展と統一戦線の内的構造の変化に即応し、政治協商会議の各分野における役割をよりよく発揮させる考え方とやり方を深く検討し、連帯層を広げ、包括性を強め、秩序正しい政治参加の可能性をいっそう切り開く。 

  政治協商会議委員は政治協商活動の主体である。われわれは委員の民主的権利を尊重・保障し、各委員との連係制度を充実させ、連係機構を健全なものにし、彼らの職責履行のために良好な条件をつくり出さなければならない。ただ、政治協商会議委員は社会的知名度と注目度が高いので、そのすべての言動が大きな影響力と模範性を持つ。それゆえ、政治協商会議委員の皆さんが自らの栄誉を大切にし、憲法・法律を厳守し、社会主義の中核的価値観を意識的に実践し、道徳品行を鍛え磨くとともに、仕事に対する姿勢を改善し、本職においては率先垂範し、所属業界においては大衆を代表する役割を確実に発揮し、人民の大きな期待にしっかりと応え、自らの使命を全うすることを望む。 

  同志の皆さん、友人の皆さん 

  社会主義協商民主は中国の社会主義民主政治の特有の形態にして独自の優勢であり、中国共産党の大衆路線を政治分野において具現化した重要なものである。中国共産党第18回党大会は、わが国の社会主義民主政治の発展過程における協商民主の制度と活動の仕組みを充実させ、協商民主の幅広い範囲で、多レベルにわたり、制度化した発展を推進する必要があると指摘した。中国共産党第18期3中全会は、党の指導の下で、経済社会の発展における重要問題と大衆の切実な利益にかかわる現実的問題について社会全体で幅広い協商を進め、政策決定の前と政策実施の中で協商を徹底させることを強調した。これらの重要論述と行動計画は、中国の社会主義協商民主の発展のために方向性をはっきりと示した。 

  ――われわれは、社会主義協商民主が中国の社会主義民主政治の特有の形態にして独自の優勢であるという重要な断定を全面的に認識しなければならない。中国共産党が人民を指導して人民民主主義を実行するのは、人民の主体的地位を保障し、支えるためである。ただ、人民の主体的地位の保障と支持はスローガンや机上の空論に陥ってはならず、国の政治生活と社会生活の中に徹底され、人民が法に基づいて国の政治・経済・文化・社会に対し管理の権力を行使することを保障しなければならない。 

  「名はいわれもなく付けられたものではなく、必ずその実質に従うべく」。民主の実現形態は多種多様であるので、硬直化したモデルに固執することはもとより、世界のどこにも適用できる評価基準は一つしかないと断言してはならない。人民が民主的権利を享有しているか否かについては、人民が選挙時の投票権や、日常的政治生活への持続的な参画権、民主的選挙の権利、民主的意思決定・民主的管理・民主的監督に関する権利を持つかどうかを見るべきである。社会主義民主は整った制度的手順が必要なだけでなく、完全な参画の実践も必要である。人民の主体性は中国共産党の執政と国家統治の過程や、中国共産党と国家機関の各方面・各レベルの活動、そして人民による自身の利益の実現と発展に具体的かつ現実的に具現化されなければならない。 

  人民民主主義を実行し、人民主体を保障するには、われわれは国政を運営するにあたり人民の内部で各方面から幅広く協議することが求められている。毛沢東同志は、「国の各方面の関係は協商されるべきである」「わが政府の特性は人民と協議した上で活動を進めることに示されている。これについて、あなたたちはすっかり分かったと思う」「われわれの政府は協議型政府と呼ばれてもよい」と述べた。周恩来同志は、「新民主主義的議事の真髄は最後段階の採決にあらず、主として事前の協議と繰り返される討議にあるのである」と述べた。 

  わが国の社会主義制度のもと、協議が最も重視され、大衆に関わる事柄が大衆によって協商され、社会全体の意思と要請の最大公約数を見つけ出すことは人民民主主義の真髄である。人民の利益に関わる事柄については、人民内部でその運び方を協議すべきである。協議せず、または協議が不十分であれば、事を順調に運ぼうとしても難しい。われわれが事を計画する前にも、問題に直面する時にも、実施中にも大いに協議する方針を堅持するのは、こうした協議が多ければ多いほど、また深ければ深いほどより好ましい効果が得られるからである。全国各民族人民の利益に関わる事柄は全人民と社会全体の中で、ある地域の人民大衆の利益に関わることがらはこの地域の人民大衆の中で、一部の大衆または特定の大衆の利益に関わる事柄はこの部分の大衆の中で、末端の大衆の利益に関わる事は末端大衆の中で幅広く協議する。人民内部で各方面から幅広く協議する過程は、民主を発揚し、衆知を集める過程であり、思想を統一し、共通認識を深める過程であり、科学的・民主的に意思決定する過程であり、人民主体を実現する過程でもある。こうしてこそ、国家統治と社会統治の深い基盤が打ち固められ、強大な力を結集することができるのである。 

  あらゆる実践が示しているように、人民主体を保障し、支持するうえで、法に基づく選挙を通じて人民の代表を国家生活と社会生活の管理に参加させることは重要であり、選挙以外の制度・方式を通じて人民をそれに参加させることも重要である。人民に投票権がありながらも幅広い参加の権利がなければ、人民の意識が投票の時にだけ喚起され、投票後には休眠期に入ってしまうようでは、民主は形式主義的なものである。 

  新中国の人民民主主義の実践を総括した上で、われわれは次のようなことを明確に指摘している。人口が多く、国土が広いわが社会主義国においては、国家の経済と国民の生活に関わる重要な問題がいずれも中国共産党の指導の下で幅広く協議され、これは民主と集中の統一を具現化したものである。また、人民が選挙と投票を通じて権利を行使することと、重要な政策決定が行なわれる前に人民の内部で各方面から十分に協議してともに関心を寄せている問題で可能な限り意見の一致を達成することは、中国の社会主義民主の二つの重要形態である。中国では、この二つの民主形態は互いに取って代わったり排斥しあったりするものではなく、相互補完・相互促進の関係をなすものであり、両者はともに中国の社会主義民主政治制度の特徴と強みを築き上げた。 

  協商民主は中国社会主義民主政治の独自の民主形態である。それは、中華民族の長期にわたり形成してきた、社会奉仕や万物の包括・包容、大同への追求と小異の保留などを旨とする優秀な政治文化、近代以降の中国の政治発展の現実的なプロセス、中国共産党が人民を指導して行った革命・建設・改革の長期にわたる実践、新中国成立後各党派、各団体、各民族、各階層、各界の人々が政治制度の面でともに実現した偉大な創造、改革開放以来の中国の政治体制における絶え間ない革新から生まれたものであるから、極めて深い文化的・理論的・実践的・制度的な基礎をもっている。 

  協商民主はこれまで中国の社会主義民主政治の全過程においてしっかりと定着している。中国の社会主義協商民主は中国共産党の指導を堅持しつつ、各方面の積極的な役割も果たしており、人民の主体的地位を堅持しつつ、民主集中制の指導制度と組織原則を貫いており、人民民主主義の原則を堅持しつつ、団結・調和の要請に順応している。この意味から言えば、中国の社会主義協商民主は民主の形態を豊かにし、民主のルートを広げ、民主の中身を厚くした。 

  ――われわれは、社会主義協商民主が中国共産党の大衆路線を政治分野において具現化した重要なものであるというこの性格付けを深くとらえなければならない。中国共産党は自らのすべてが人民から来たもので、人民に奉仕することを旨とする政党である。このことは、中国共産党が人民を指導したことによって成立した中華人民共和国は人民にしっかりと依拠して国政運営と社会管理を進めなければならないことを決定付けている。中国共産党は自らの活動において大衆路線を実行し、すべてが大衆のために、すべてが大衆に依拠し、大衆の中から大衆の中へという理念を堅持し、党の正しい主張を大衆の自覚的な行動に変えていく。中華人民共和国憲法には、「国家のすべての権力は人民に属する」「いかなる国家機関と国家公務員も人民の支持に依拠しなければならず、常に人民との密接なつながりを保ち、人民の意見と建議に耳を傾け、人民の監督を受け、人民への奉仕に努めなければならない」という規定がある。それゆえ、中国共産党の執政においても国家機関の国政運営においても、大衆路線を堅持・貫徹し、人民にしっかりと依拠しなければならない。 

  「政まつりごとの興る所は民の心に順したがうに在り。政の廃する所は民の心に逆らうに在り(政治の高揚は為政者が民心に従うところから起こり、反対に政治の荒廃は民心に逆らうことから起こる)」。一つの政党、一つの政権にとって、その前途や運命が究極的には人心の向背に左右される。中国共産党と中華人民共和国の発展史がわれわれに教えているように、中国共産党と中華人民共和国が事業の成功を収めることができたのは、終始一貫して人民大衆との血肉のつながりを保ち、最も広範な人民の根本的利益を代表したためである。もし大衆から遊離し、人民の擁護と支持を失えば、失敗するだろう。われわれは人民の利益を第一とし、いかなる時でも、いかなる状況の下でも、人民大衆と息を通わせ、運命を共にする立場を変えてはならず、誠心誠意人民に奉仕する趣旨を忘れてはならず、大衆が真の英雄であると確信する史的唯物論の観点を捨ててはならない。 

  誠心誠意人民に奉仕することと終始一貫して最も広範な人民大衆の根本的利益を代表することは、われわれが協商民主を実行し、発展させることができる重要な前提であり、基礎でもある。中国共産党の規約には、中国共産党は「労働者階級と最も広範な人民大衆の利益のほかに、みずからの特殊な利益はない」という規定がある。中国共産党およびそれが指導する国家は最も広範な人民の根本的利益を代表しているだけに、そのすべての理論と路線・方針・政策、そのすべての活動計画と実施計画は人民から来たものであるべきで、人民の利益のために策定・実施されるべきである。この重要な政治的前提を踏まえて、われわれは人民内部の各方面からの意見や建議に幅広く耳を傾けるべきであり、そうすることもできるのである。中国共産党の統一的指導の下で、多様な形態の協商を通じて幅広く意見や建議を聞き入れ、批判や監督を受け入れれば、次のような弊害を解消することができる。◇政策決定と活動の中で最大の共通認識を幅広く達成し、党派や既得権益集団が自らの利益のために競い合い、ひいては軋轢を生む弊害を効果的に克服することができる。◇さまざまな利益の要望・要求を政策決定のプロセスに幅広く取り入れるチャンネルを円滑化し、異なる政治勢力が自らの利益のために持論に固執したり、異分子を排斥したりする弊害を効果的に克服することができる。◇ミスや誤りを見つけ出し、是正する仕組みを幅広く築き上げ、政策決定の中で状況を把握できず、独善的な立場にこだわる弊害を効果的に克服することができる。◇人民大衆が各レベルでの管理と統治に参画する仕組みを幅広く築き、人民大衆が国家政治生活と社会統治に対し意思表明・参画できない弊害を効果的に克服することができる。◇改革・発展の推進に向けた社会全体の英知と力を幅広く結集し、諸般の政策と活動に対する共通認識が高くなく、実行に移せない障害を効果的に克服することができる。これらのメリットは中国の社会主義協商民主の独特の強みである。 

  民主は人の目を惹きつけるための飾り物ではなく、人民が解決を望む問題を解決するためのものである。中国共産党のすべての執政活動、中華人民共和国のすべての統治活動は人民の主体性を尊重し、人民の創造精神を尊重し、人民を師とし、人民の創造的実践に深く根を下ろして、そこから政治的知恵を多く借りて国政運営の能力を高め、各方面から出した真の識見を残りなく国政運営に生かさなければならない。 

  「天の視みるは我が民の視るに自したがい、天の聴くは我が民の聴くに自う(天は民の目にしたがってすべてを見、民の耳にしたがってすべてを聞く)」。われわれはあくまで最も広範な人民の根本的利益をしっかり実現し、擁護し、増大させることを党と国家のすべての活動の出発点と帰結点としなければならず、重要な活動と重要な政策決定にあたっては民情を把握し、末端の実状に合わせなければならない。それゆえ、人民大衆の利益を第一義として、人民大衆の期待を念頭に置いて、大衆の声に真摯に耳を傾け、大衆の望みを本当に反映させ、真心をこめて大衆の悩みや苦しみに関心を寄せる必要がある。また、取り組みの重心を下部に移し、実際に深く入り、末端に深く入り、大衆の中に深く入って、人民の気持ちを理解し、人民の心配事を解決し、人民の苦情を解消し、人民が満足できる実務に大いに取り組み、人民大衆の積極性・能動性・創造性を十分引き出す必要がある。 

  ――われわれは、協商民主の幅広い範囲で、多レベルにわたり、制度化した発展の推進という戦略的任務を確実に実行に移さなければならない。将来に向けて諸般の事業をしっかりと発展させ、国の安定・団結の政治局面を打ち固め、政党、民族、宗教、階層、国内外同胞それぞれの間の相互関係の調和した発展を促進する上で、非常に重要な条件の一つは民主集中制の方式を通じて、提言の道を広く開き、衆知を集め、すべての人々が一緒に頑張らなければならないということである。いわば、「天下の目をもって視みれば、則すなわち見ざるなし。天下の耳をもって聴けば、則聞かざるなし。天下の心をもって慮おもんぱかれば、則知らざるなし」。 

  社会主義協商民主は、見せかけではなく正真正銘のものに、特定の方面だけに偏ったものではなく全方位的なものに、決まったレベルに限るものでなく国を挙げて進めるものにすべきである。それゆえ、手順が合理的で、展開プロセスが完全な社会主義協商民主体系を構築して、協商民主が制度や規則に従いつつ秩序正しく発展できるよう確保しなければならない。 

  協商は本格的な協商でなければならない。本格的な協商を実現するには、政策決定の前と策定中に各方面の意見や建議にしたがってわれわれの政策と活動方針を確定し、調整し、協商の成果を確実に実行に移すよう制度面から保障し、われわれの政策と活動方針がよりよく人民の意思に即応し、実際に合致できるようにする必要がある。また、さまざまなルートや手段、方式を講じて改革・発展・安定をめぐる重要な問題、とりわけ人民大衆の切実な利益に関わる問題について幅広く協議し、しかもこの過程で大多数の意思を尊重しつつ少数の人々の合理的な要請にも配慮して、大衆の意見を多く取り入れ、衆知を集め、共通認識を深めて、向心力を強める必要もある。そして、中国共産党、人民代表大会、人民政府、人民政治協商会議、民主党派、人民団体、末端組織、企業・事業体、社会組織、各種シンクタンクなど協商のチャンネルをいっそう広げ、政治協商、立法協商、行政協商、民主協商、社会協商、末端協商など多様な協商を深く繰り広げ、提案、会合、座談、論証、公聴、公示、評価、諮問、インターネット利用など多種の協商方式を導入し、充実させ、絶えず協商民主の科学性と実効性を高める必要もある。 

  人民大衆は社会主義協商民主の最も重要な対象である。人民大衆の利益に関わる政策決定と活動の多くは、主として末端で進められている。それゆえ、大衆と協商し、大衆のために協商するという要請にしたがって、末端の協商民主を大いに発展させ、末端大衆との協商を重点に置く。大衆の切実な利益に関わる政策決定はすべて大衆の意見を十分に聞き、さまざまな方式を通じて各レベルで各方面から大衆と協議しなければならない。末端組織が大衆と結び付く制度を充実させ、協商による議事を強化し、トップダウン式の意思伝達とボトムアップ式の状況報告にしっかり取り組み、法に基づく人民の自己管理を保障する。権力行使の公開化・規範化を推進し、党務公開・政務公開・司法公開と各分野における業務公開の制度を完全なものにし、人民が権力を監督することができ、権力が白日のもとで行使されるようにしなければならない。 

  同志の皆さん、友人の皆さん 

  65年前の今日、毛沢東同志は中国人民政治協商会議第1回全体会議における開幕の言葉の中で、「われわれはみなこう信じている――われわれの仕事は人類の歴史に書きこまれ、それは人類総数の四分の一を占める中国人がこのときから立ちあがったことをしめすであろう」、「われわれの民族は、これ以後、平和と自由を愛する世界諸民族の大家庭の一員となり、勇敢かつ勤勉に仕事にとりくみ、みずからの文明と幸福をつくりだすとともに、また世界の平和と自由を促進するであろう」と述べた。今や、すでに立ちあがった中華民族は自らの勤勉な労働と刻苦奮闘を通じて、歴史にいっそう輝かしい一章を書き加えている。 

  「成す者は常に成り、行く者は常に至る」。65年にわたる人民政治協商会議の輝かしい道のりは歴史に記されているが、中華民族の美しい未来を切り開くには中国人一人ひとりが一心同体となって努力することが必要である。われわれはいっそう緊密に結束し、中国の特色ある社会主義の偉大な旗印を高く掲げ、団結して勇往邁進し、開拓と革新にいっそう励み、人民政治協商事業史の新しい一ページを絶えず綴ろうではないか。 

関係論文