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わが国の農業の生産関係が変化する新たな趨勢

発表時間:2014-02-10 | 字体拡大 | 字体縮小

著者:張紅宇 | 出所:人民日報

  土地制度が農村の生産関係の中核的内容であり、その革新と変革はほんの一部の動きでも全体に影響を及ぼしている。閉幕したばかりの中央の農村活動会議では、「土地請負経営権の主体と経営権主体は分離が起こったこと、これはわが国の農業の生産関係が変化する新たな趨勢である」、「集団所有権を確実に実施し、農家の請負権を安定させ、土地の経営権を活性化し」なければならないと指摘した。これは、改革開放以来30年余りにわたって発展した結果、現在わが国の農村における土地制度整備はまさに肝心な時期に差し掛かり、時代とともにまい進し、関連制度枠組みの改革と充実化をはかることが差し迫った必要だと物語っている。

  発展の段階的な変化は使用権を核心とした農地制度の革新を呼びかけている。

  農地の財産権には占有、使用、収益、処置などの多項目の権利を含んだ権利の集合であり、どの大きな権利の下にもまた具体的な権利が多項目に細分されている。各項目の権利はどのよう設け、どのように異なる主体の間で分配するかは、農地制度の公平と効率に対して大きな影響を及ぼしてる。当面、わが国の経済社会の発展には多くの新段階的特徴が現れ、使用権を核心とした農地制度を革新する必要性と重要性がいっそう明らかになった。

  農地の私的経営は歴史によって検証された最も効率のある農地の使用制度である。新中国の建国以来、わが国農村の土地制度は三段階にの変遷されてきた。第一段階が土地改革の時期であり、農村における土地制度の基本的特徴は私有制と私的経営であった。第二段階が農業協同組合化後と人民公社の時期であり、農村における土地制度の基本的特徴は公有制と公的経営である。第三段階が改革開放以来であり、農村における土地制度の基本的な特徴は公有制と私的経営である。この三段階の農地制度の変遷を総じて見ると、所有権の課題に触れず、農民の利益保障と農業生産の業績から言って、農地の私的経営が最も優れた選択である。第一と第三段階、特に制度の変革の初期において、農村の土地の所有権の制度枠組みが異なったが、農地の私的経営パターンの下では、つねに農民の土地を営む意欲を引き出し、農業の産出の水準の向上と農民の収入増の目標を実現した。成功と失敗両方の経験と教訓が立証したように、農地の私的経営は農業の産業特徴に適い、わが国の国情に適合した農地経営のパターンであり、必ず長期にわたって堅持しなければならない。

  公有制と私的経営の枠組みの下で農地の使用制度には様々な選択の余地がある。しかし私的経営は最も効率のある農地使用制度であり、私的経営そのものは弾力性にとんだ大きな制度的展開である。農地の私的経営の基本的な枠組みの下で、農家の自己経営のほか、たとえば土地請負経営権譲渡による専業的家庭経営、農民協同組合経営、農業にかかわる企業経営などの異なる選択が見られている。特に新世紀以来、工業化、都市化が急速に進むに伴い、農業に従事する労働力の絶対的な人口数と相対的割合はともに大幅に下がったが、多くの農村人口が職業の転換と居住地の移転だけを実現し、農民とされた身分の転換を実現していないため、兼業経営は農業経営における普遍的な現象となった。2012年、農村から都市への臨時就労者は2.63億人もあり、一農家あたりひとりの臨時就労者がおり、農家の非農業兼業の行為は常態となっている。

  「集団的所有、農家請負、多元化経営」は農地制度の革新を目指す基本的方向である。前世紀90年代まで、農家はほとんど非農業への就業がなかったし、農地の請負者と経営者が高度に統一しており、請負権と経営権は区別する必要がなく、分離する値もなかったし、農村の土地は集団的所有と、農家経営という「二権分離」の制度の枠組みは農業の生産経営方式の需要を受け入れることができる上、国家、集団、農民の土地の権利を兼ねる有効な制度の枠組みであった。しかし工業化、都市化の急テンポの進捗を背景に、請負権と経営権が分離する必要性と可能性が生まれた。その必要性を見れば、多くの農民兼業経営と比較し、専業的農業経営がより高い農業的生産性を実現できるからである。可能性を見れば、ここ数年来農民専門協同組合、家庭農場と農業にかかわる企業の発展が加速され、土地請負経営権を譲渡した割合は急速に増大し、請負権と経営権の分離は実践の中でますます常態となっている。

  包括的分析をして、経済社会が急テンポの発展において、わが国の農村における土地制度のマクロ的な背景とミクロ的基盤とも深く変化している。土地の集団所有、農家請負経営の基本的枠組みの下、具体的に「集団所有、農家の自己経営」の土地経営パターンが、「集団所有、農家の自己経営、協同組合の経営、企業化経営」の多様のパターンの共存へと転換されている。これはひっそりと進んでいる、誘発的な、制度的変化であり、ある程度にすすんだら、政策や法規などの正式の制度で効果的に応対する必要である。その基本的方向として、集団所有、農家請負、多元経営を特徴とした、所有権、請負権、経営権の「三権の分離」の新型農地制度を目指すべきである。

  「三権の分離」の新型農地制度を実行に移す基本的ルーティング

  強調すべきは、「三権の分離」の農地制度の革新をうち出し、集団所有、農家請負、多元化経営の新型農地制度を構築するには、その前提として、農村の土地の集団所有、農家請負経営の基本制度が長期にわたって変わらないことを堅持し、これを踏まえて関連制度の権益の内包をさらに明確にしなければならない。これは現行の農地制度と農村における基本経営制度を充実化させ、発展させるのであり、それに背くものではない。「三権の分離」の農地制度は主に次のような政策的方向づけである。

  農村の土地の集団所有の属性は変わらない。農村の土地の集団所有は国家、集団、農民の各側の利益を兼ねて、有効な所有権制の枠組みである。しかし集団所有は弾力の大きな制度的展開である。わが国の区域経済の発展に相違性が明らかに見られ、土地の集団所有の意義が異なる地区において相違がかなり大きいのである。たとえば、広東の南海、浙江の温州、江蘇の崑山などの集団経済の比較的発達している地区において、土地の集団所有権の「財産権の度合い」は明らかに強かった。農家の請負経営権を承認するの前提の下、一部の地方では「農家の請負土地を賃貸」するような方法をとり、農地への支配能力を大いに強め、一部の地方における農家の請負経営権はすで賃貸料あるいは株式配当の収益権しか保留しないものまで後退した。大部分の主要な農業区と中・西部地区において、農村の集団経済は薄弱であり、持っている資源と支配力は不足で、集団所有権はのほどんど架空した状態に置かれている。

  農家の請負経営権をさらに細分する。請負経営権は多くの諸般の権利の内包を含んだ上絶えず豊かにし広げている権利の集合である。土地請負経営権は典型的なが用益物権であり、権利の分離が発生していない前提の下で、応分の占有、経営、収益、処置など完全な権利を有している。請負権と経営権が分離された後、請負権は占有権、処置権、およびこの基礎をふまえて派生された多重の権益としてより多く現れ、例えば、典型的相続権、退出権等であるが、相応する経営権は耕作、経営、収益およびその他の派生した多重の権益としてより多く現れ、例えば株式への加入権、抵当権などである。国家にとって、土地請負経営権の設置は農業の業績に直接影響を及ぼし、ひいてはそれを決定するになり、さらに国家の食糧の安全保障と重要農産物の有効供給に影響をもたらし、農村の社会安定と公平・平等にまで影響を与えている。農民にとって、請負経営権の設置はその経営権の大きさと土地所有権の安定性に関わっているだけではなく、その土地による財産の収益に深い影響をおよぼしている。工業化、都市化の急テンポな進捗と「四つの近代化」が同時に発展した背景の下、請負権と経営権の分離を実行する必要であり、請負権は主として農家財産の収益をもたらし、土地請負経営権の財産的価値を実現するところに具現するが、経営権がより大きな範囲内での譲渡により、有限的資源の配置効率が高められるとともに、新型の経営主体と多元化の土地経営方式は発展させる。

  請負権と経営権を分離する内包と意義

  所有、請負、経営の「三権の分離」を実行し、「三権」、特に請負権、経営権の異なる制度の内包を明確にすることは、重要な現実的な意義がある。

  請負権の意義と価値。改革開放以来の大部分の時間、農村における土地の請負権と経営権は一つとして一体化されたものであり、請負経営権には占有、経営、譲渡、株式へ加入、収益、抵当、継承、退出、処置などの多項目の権利を含んでいる。請負権と経営権が分離した状況の下で、請負権の意義が比較的に多く次の二つの面に具現している。一は、請負権の取得である。農村における土地請負権を取得するには、一定の主体とする資格を持つという条件がを備えなければならない。農村土地請負法の規定によれば、請負権の取得は集団経済組織の構成員の資格と関わっている。二は、請負権の具現である。請負権と経営権が分離した状況の下で、請負主体が請負経営権の譲渡により財産的収益を獲得し、土地の収用および退出後に財産的補償を獲得する。近い将来に土地の請負権はまた相続権として体現されるのであ。

  経営権の意義と役割。経営権は工業化、都市化の急テンポの進捗、農業の労働力の大がかりに移転し、逐次市民化され請負権と経営権の分離した状況の下で、はじめて単独で役割を発揮することができる。経営権が単独で役割を発揮すること、このことは現実的意義としてそれが行使する主体的範囲がはるかに請負権の主体を超えていることにある。請負権の取得が厳格な条件に制限されており、経営権の主体的資格に対するの制限がずっと少ない。こうしたことはより大きな範囲内で農地資源をよりよく配置し、農業生産の業績を高めることに大きな意義があり、土地制度の革新を通じて多元化経営を実現する基本的前提と必然な選択である。一、現代的農業の発展、土地、労働力と資源の利用率の向上、農業の総合的生産能力、競争力と持続的発展能力の向上に役立つ。二、商品となる農産物の生産性を最大限度に高め、農業の産業チェーンの延長に寄与する。三、家庭農場、協力機構と農業企業などの新型主体を育成し、発展させるに役立つである。四、新型職業の農民を育成するのに資するのである。「三権の分離」を推し進めることにより、経営権が単独で分離し出され、長い目でみればさらに大きな役割を発揮させるであろう。たとえば、当面、どうして土地請負経営権の抵当に対して規制的規定を設けているか、といえば、その核心的原因は土地が農民の最も重要な生産手段であるだけでなく、基本生活保障を提供するという任務を引き受けているからである。経営権が単独で分離し出された後、土地請負権とその収益に影響を及ぼさない前提の下で、土地の経営権で抵当を設定し、農業の発展のために金融的支援を提供してすれば、さらに都市に入た農民の土地請負経営権の退出のために柔軟性のある制度の枠組みを提供することができる。

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