ご意見・ご感想

経済体制改革を重点に改革を全面的に深化させよう

発表時間:2014-01-23 | 字体拡大 | 字体縮小

著者:張高麗 | 出所:人民日報

 中国共産党第18期中央委員会第三回全体会議はわが国が小康社会を全面的に構築する決定的な段階に入ってから開かれたきわめて重要な会議であった。この会議は中国の特色ある社会主義の偉大な旗印を高く掲げ、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論、「三つの代表」という重要思想、科学的発展観を導きとし、第18回党大会の趣旨を全面的に貫き、「改革の全面的深化における若干の重要問題に関する中共中央の決定」(以下「決定」と略称)を採択した。「決定」は中国の特色ある社会主義を堅持し、発展させるという主軸を強調するとともに、党の基本理論、基本路線、基本綱領、基本的経験、基本的要求を貫いており、思想を解放し、実事求是を旨とし、時代とともに前進し、真実を求め、実践に励むことを堅持しているほか、改革を全面的に深化させていくという習近平同志を総書記とする党中央の確固たる決意と大きな勇気、国家の富強・民族の興隆・人民の幸福に対する深謀遠慮と責任感を十分に表わしている。「決定」は、中国の特色ある社会主義制度を充実、発展させ、ガバナンス・システムとガバナンス能力の現代化を推し進めることが改革を全面的に深化させるうえでの全般的目標であることをはっきりと示したほか、経済体制・政治体制・文化体制・社会体制・エコ文明体制と党の建設制度の改革に対する全面的な布石をおこない、改革の系統性・一体性・協調性をはっきりと示し、新しい思想や新しい論断、新しい措置を多く提起するとともに、新たな青写真や未来図を描き、新たな目標も打ち立てた。「決定」は改革を全面的に深化させるうえでの全般的な布石、全般的な動員を再びおこなったもので、わが国の現代化建設の過程において一里塚的意義を持っており、新たな歴史的出発点に立って中国の特色ある社会主義の偉大な事業を全面的に推し進めるうえでの行動綱領である。「決定」は、経済体制改革は改革を全面的に深化するうえでの重点であり、市場が資源配分において決定的な役割を果たすようにする方針をしっかりと固めて、経済体制改革を促さなければならないと強調した。われわれは経済体制改革の方向、目標、重要な任務を正しく把握したうえで、絶えず経済体制改革を深化させて、小康社会を全面的に構築し、富強・民主・文明・和諧の社会主義的現代化国家を築き上げ、中華民族の偉大な復興という中国の夢を実現させるために奮闘しなければならない。

 一、改革を全面的に深化させる重点とする経済体制改革の重要な意義を十分に認識する

 「決定」は、「経済体制改革は改革を全面的に深化させる重点である」と指摘している。これは、中央が改革開放の経験に対する全面的総括、国内外の情勢への正しい理解、五位一体の全般的な布石に関する統一的計画を踏まえて下した科学的判断であり、重要な政策決定でもある。

 (一)経済体制改革の深化を重点とすることは、基本的国情に立脚し、総合国力を増強させるための必然的選択である

 党の11期三中総以来、われわれは大きな政治的勇気をもって改革開放を鋭意推し進めてきた。農村から都市へ、沿海地区から内陸地区へというように、経済体制改革は終始一貫して改革を全面的に推し進めるための「突破口」、「見せ場」であり、理論と実践の面で大きな進展を遂げたことで、社会的生産力を最大限に解放し、発展させ、経済・社会の発展を促すうえで世界の注目を集める偉大な成果を収めた。ここ数年、わが国が国際金融危機や世界経済の低迷によるショック、深刻な自然災害の影響を克服して、国民経済の安定した、比較的速い発展、人民の生活のたゆまぬ改善を実現した大きな原因は、経済体制改革の深化を堅持したことにある。その一方で、国内外の環境がめまぐるしく、大きく変化しており、わが国の経済規模は世界第二位に躍進したが、一人当たりの国内総生産(GDP)は世界平均水準の約60%に過ぎないために、一連の際立った矛盾や新しい試練に直面しているということを、われわれは冷静に見て取らなければならない。わが国がいまもなお、そしてこれからも長期にわたり社会主義初級段階にあるという基本的な国情は変わっておらず、人民の日増しに増大する物質・文化面の必要と立ち遅れた社会的生産の矛盾というこの主要な社会矛盾は変わっておらず、また世界最大の発展途上国としてのわが国の国際的地位も変わっていない。この「三つの変わっていない」は、われわれが終始堅持している経済建設を中心としなければならないという方針を決定した。また、経済建設を中心とすることと経済体制改革を重点とすることは、本質的に一致しており、われわれは経済体制改革を深化させることにより、徐々に社会的生産力を解放し、発展させ、総合国力と国際競争力を高めなければならない。

 (二)経済体制改革の深化を重点とすることは、情勢の変化に適応し、経済の形態転換・高度化を促進するために必要不可欠なことである

 国際面からみれば、世界経済が低速成長となって、経済構造の調整がさらに進み、国際競争がいっそう激しさを増している一方で、科学技術の革命には新たなブレークスルーが育まれており、わが国の発展を取り巻く外部環境はより複雑かつめまぐるしく変化している。国内面からみれば、わが国は新たな歴史的出発点に立っており、経済の持続可能かつ健全な発展を目指すうえで多くの有利な条件に恵まれている。一方で、わが国の経済は今なお経済成長加速のギアチェンジ期、構造調整の陣痛期にあり、「中所得経済の罠」を乗り越えるという厳しい試練に直面しているほか、発展のアンバランスや調和の欠如、持続不可能の問題が依然として際立っており、一部の分野には今なお比較的大きなリスクが潜んでおり、従来の経済発展パターンの継続が困難となっている。こうした矛盾や問題を引き起こした原因はいろいろあるが、その最たる原因は社会主義市場経済体制がまだ不完全で、経済発展パターンの転換を束縛する体制・仕組み上の障害がかなり多いということである。経済体制改革の深化は経済発展パターンを転換させる前提と保障である。それゆえ、われわれはより確固とした決意、より大きな勇気、より多くの知恵をもって社会主義市場経済体制の充実化を急ぎ、経済の形態転換・高度化を制度上から保障し、経済の持続可能かつ健全な発展を促すようにしなければならない。

 (三)経済体制改革の深化を重点とすることは、その他の分野の改革をリードし、五位一体の建設を推し進める客観的な要請である

 生産力が生産関係を規定し、経済的土台が上部構造を規定する。この社会発展の基本的法則は、経済体制改革を導きとすることで、それに牽引車の役割を果させ、改革の全面的な深化のための条件を整え、原動力をつくり出さなければならないと結論付けている。経済体制改革を深化させるという「カナメ」をしっかりと押さえられるなら、その他の分野の根本的な矛盾の解消を促し、その他の分野の改革をともに進めることができる。また、改革が一定の段階に達したなら、経済体制改革をさらに深めるためにいち早く経済・文化・社会・エコ文明などの分野の改革を統一的に企画し、それを推し進め、経済体制・政治体制・文化体制・社会体制・エコ文明体制の改革の相互協調・支え合いを実現する必要がある。われわれはあくまで経済体制改革を重点にその他の改革をともに推し進め、各分野の改革が相互作用しながらともに進む好ましい局面を作り出すよう努力し、強力な改革の合力を形成して中国の特色ある社会主義経済建設・政治建設・文化建設・社会建設・エコ文明建設を全面的に推し進めなければならない。

 二、経済体制改革の中心的問題である政府と市場の関係を正しく処理する

 「決定」は、政府と市場の関係を正しく処理し、市場が資源配分における決定的な役割を果たすようにし、政府の役割をより良く果たすことが経済体制改革の中心的問題であると強調している。これは理論上の重要な突破、実践上の重要な革新であるだけでなく、鮮明な時代的特徴ももっており、今後の経済体制改革を深化させる上での方向性を示している。

 (一)市場の法則を尊重し、市場の資源配分における決定的な役割を十分に発揮させる

 市場が資源配分における決定的な役割を果たすようにすることは、「決定」の中で述べられている重要かつはっきりとした立場である。わが党の市場法則に対する認識はさらに高まり、「基礎的」から「決定的」役割に代わった。党の第11期三中総以降、わが国の経済体制改革は一貫して政府と市場の関係の調整をめぐっておこなわれており、計画経済から計画的な商品経済、さらに社会主義市場経済へと、市場の力は徐々に放出されてきている。認識を絶えず深めたからこそ、われわれは実践の中で市場の役割をいっそう重視し、経済の持続可能で、比較的速い発展を促すことができたのである。そして、市場が資源配分において決定的な役割を果たすことには、時代とともに進むという特徴と現実的な対応性があることを見て取るべきである。改革開放が始まってかなり長い期間にわたり、わが国の市場体系、市場メカニズムはまだ健全ではなく、市場が効果的に資源配分をおこなうことができなかった。そのため、漸進的改革を推し進める必要があった。社会主義市場経済体制の充実化につれて、市場の資源配分の機能や条件が徐々に整えられていき、社会の各方面もそれなりの共通認識を持つようになった。現在、わが国には市場体系が不完備、市場法則が不統一、市場秩序が規範化されていない、市場競争が不十分、政府の権力が大きすぎる、許認可が複雑、関与が多すぎる、監督管理が確保されないといった問題があり、経済発展の活力と資源配分の効率に影響を及ぼしている。われわれは時期を逃すことなく改革の度合いを大きくし、社会主義市場経済という改革の方向性を堅持して、認識面では市場が資源配分を規定するという市場経済の一般的法則をより尊重し、行動面では政府による資源の直接配分を大幅に減らし、市場ルール、市場価格、市場競争によって資源配分をおこなうようにし、経済発展パターンを着実に転換させ、資源配分効率の最適化、効果・利益の最大化の実現に努めなければならない。

 (二)科学的管理を全面的に実行し、よりいっそう政府の役割を発揮させる

 市場が資源配分における決定的な役割を十分に果たすことは、決して政府が何もしなくていいというのではなく、すべきこととすべきでないことをはっきり見極めたうえで、マクロコントロールや科学的管理のレベル向上に力を入れて取り組まなければならない。今回の国際金融危機に立ち向かう中で、世界各国は政府の役割の発揮について新たな認識をもち、われわれの理解もより深くなった。政府の役割をより良く発揮するには、最低ライン思考に長け、マクロ的思考を重んじるほか、全局にかかわる、戦略的で、予見性のある重要な措置や問題について深く検討し、法治政府・サービス型政府の構築を目指して政府機能の過大・過小・混乱といった問題を着実に解決する必要がある。また、マクロ政策の安定化、ミクロ政策の柔軟化、社会政策の最低保障充実をはかり、マクロコントロールを着実に強化し、充実させ、景気変動による影響を小さくし、マクロ経済を安定させ、持続可能な発展を推し進めなければならない。そして良質な公共サービスをより多く提供し、民生の保障と改善によって広範な大衆が改革・発展の成果を共有し、ともに豊になるよう促さなければならない。さらに公正な競争の保障、市場への監督管理の強化、市場秩序の維持をよりいっそう重視し、市場メカニズムが正常に機能するような条件や環境をつくり出し、市場の主体がより多くの活力とより大きな空間をもって富を生み出し、経済を発展させ、人民に幸福をもたらすようにしなければならない。

 (三)協調を強化し、政府と市場の「二つの手」の役割をうまく発揮させる

 現代的市場経済の条件下で、市場が見えざる手として、資源配分において決定的な役割を果たしている。それに対して、政府は見える手であり、主として市場の失敗を補うときに機能する。市場が資源配分において決定的な役割を発揮させるにせよ、政府の役割をより良く発揮させるにせよ、いずれの場合においても政府と市場の「二つの手」の協調に取り組む必要がある。また、政府と市場の両者は対立したものではなく、互いに補完し合うものである。政府と市場の問題は、市場の役割を多くし、政府の役割を少なくするという単純なものではなく、統一的にとらえ、強みを相互補完し、有機的に結びつけ、ともに役割を果たさなければならない。政府と市場の境界をはっきり定め、市場が機能する範囲内であれば、政府は行政の簡素化や権限の下放、規制緩和による後押しを行って、関与を控えるべきである。市場が効果的に機能しない場合は、政府は能動的に機能不全を補い、やるべきことはしっかりとやり、問題が出ないように合理化・高度化をはからなければならない。ネガティブリスト管理モデルをうまく活用することによって、してはならないことを市場主体にはっきりと教えることはできるが、何ができるか、何をすべきかについては、市場主体が市場の変化に応じて判断するのである。市場と政府の行動について最も良い接点を見つけ出し、着実に市場と政府の強みを十分引き出して、社会主義市場経済体制の特徴と優位性をしっかりと示さなければならない。

 三、経済体制改革を深化させる重要な任務について正しく理解する

 われわれは「決定」に基づき、市場が資源配分において決定的な役割を果たすことを軸とした経済体制改革を深化させ、基本的経済制度を堅持し、それを充実させるほか、現代的市場体系、マクロコントロール体系、開放型経済体系の充実化を加速させ、いち早く経済発展パターンを転換させ、イノベーション型国家の建設を急ぎ、より効率的で、より公平な、より持続可能な経済の発展を推し進めなければならない。

 (一)基本的経済制度を堅持し、それを充実させ、わが国の経済・社会発展の重要な基盤をうち固める

 公有制を主体として多種類の所有制経済をともに発展させる基本的経済制度は中国の特色ある社会主義制度の重要な支柱であり、社会主義市場経済体制の基本でもある。公有制経済、非公有制経済はともに社会主義市場経済の重要な構成部分であり、わが国の経済・社会発展の重要な基盤でもあり、両者の財産権は侵すことができない。そのため、法律に則って諸生産要素を平等に利用すること、公開され、公平で、公正な市場競争への参入が行われること、同じく法律の保護を受けることが保証されなければならない。われわれは「決定」に基づいて、次のようなことを求めなければならない。①所有がはっきりし、権限と責任が明確、しっかりとした保護、スムーズな移転といった現代的所有権制度を健全化をはかり、さまざまな所有制経済の所有権と合法的利益を保護すること。②混合所有制経済を基本的経済制度の重要な実現形態として、非国有資本の国有資本投資プロジェクトの資本参加を許可し、混合所有制経済において職員の持株を許可すること。③経営政策決定の規範化、資産の安全確保と運用益の増大、公平な競争参入、企業の効率向上、企業の活力増強、社会的責任の分担に重きを置いて、国有企業改革をいっそう深化させ、コーポレート・ガバナンスの仕組みを充実させること。④権利・機会・ルールの平等を貫徹させ、非公有制経済に対するいかなる不合理な規制も廃止し、さまざまな潜在的な障壁を取り去って、非公有制企業向けの特別許可経営業種参入方法を作成し、非公有制経済の活力と創造力を引き出すこと、である。

 (二)現代的市場システムの充実化を速め、発展を目指して公平に競争できる環境づくりをおこなう

 統一し、開放され、秩序ある競争といった市場システムを築き上げることは、市場が資源配分において決定的な役割を果たすうえでの基盤である。わが国は、社会主義市場経済体制を実行に移して以来、市場システムの整備は大きな成果をあげてきたが、市場メカニズムが不完全なことから、生産要素市場が健全に発展しなかった分野もある。社会主義市場経済を発展させるには、市場メカニズムが十分に機能するプラットフォームを築き上げ、企業が自ら経営し、公平に競争し、消費者が自由に選択し、自ら消費し、製品と諸生産要素の自由な移転がなされ、平等な交換がなされるようにしなければならない。そのうえで、「決定」は次のことを打ち出している。①開放され、公平、透明な市場ルールをつくり、統一した市場参入制度を実施し、ネガティブリストを基礎にして、各種の市場主体が法律によってそれ以外の分野に平等に入れるようにすること。②主に市場が価格を決定する仕組みを充実させ、市場による価格形成が可能なものは、すべて市場に任せ、水道・石油・天然ガス・電力・交通・電信などの分野の価格改革を推し進めること。③重要な生産要素市場の改革を推し進め、都市・農村の一体化した建設用地市場を形成するほか、金融市場システムを充実させ、技術革新による市場誘導の仕組みを健全化すること、である。ここで強調したいことは、現代経済の中核である金融分野の対内・対外開放を拡大し、重層化した資本市場システムを充実させ、人民元為替レート市場化形成の仕組みを改善し、金利の市場化をいち早く推進して、クロスボーダー決済における人民元の使用を早急に実現させるとともに、さまざまなリスクを断固回避し、金融市場の効果的な運営と全般的な安定を確実に保障しなければならない、ということである。これらの措置は明確な目的があるもので、市場障壁の除去や全国で統一した現代的市場システムの早急な充実化に役立っている。

 (三)政府の機能をいち早く転換させ、政府管理の効率と水準を引き上げる

 科学的なマクロコントロールと政府による効果的なガバナンスは社会主義市場経済体制の優位性を発揮させるうえでの内在的要請である。それは一方で、マクロコントロール体系の充実化に重点を置いて、国家発展戦略・計画を導きとし、財政政策、通貨政策を主な手段にした上で、マクロコントロールの目標設定や政策運用の制度化を推し進め、マクロコントロールの予見性・対応性・協調性を絶えず向上させ、他方で、全面的かつ正しく政府の機能を果たし、さらなる行政の簡素化や権限の下放を行い、中央政府によるミクロ分野の事項への管理を最大限に減らし、断固として「三つのすべて」を実施することである。つまり、市場メカニズムにより効果的に調節できる経済活動とは、すべての許認可を取り消すこと、直接に末端向けた、数が多く範囲が広い、地方が管理したほうが効果的な経済・社会に関する事項は、すべて地方や末端に任せること、投資体制改革を深化させ、国家の安全保障や生態安全、全国的な重要生産力の配置、戦略的なエネルギー開発や重要な公共利益に関わるプロジェクト以外の企業投資プロジェクトは、すべて法律に則って企業が自主的に政策決定をおこなうことである。特に強調すべきは、政府機能の転換に当たって行政の簡素化、権限の下放と監督・管理の強化をともに重んじ、基準を定めた上で確実に権限を下放するとともに、監督・管理を強化し、政府のガバナンス能力を強め、政府の行政効果・効率を向上させ、法治政府・サービス型政府を築き上げることである。政府機関の設置や機能の配置、仕事の手続きの合理化をはかり、政策決定権・執行権・監督権が制約し合いながら協調し合う行政運営の仕組みを充実させなければならない。

 (四)財政・税制の改革を深化させ、現代的財政制度を確立する

 財政はナショナル・ガバナンスの基礎であり、重要な支柱でもある。科学的な財政・税制は資源配分の最適化や市場の一本化の維持、社会公平の促進、国の長期的安定の実現を制度面から保障する。財政・税制の改革は経済体制改革の重点の一つであり、全局に影響を及ぼす改革である。ここ数年、財政・税制の改革は絶えず深められ、ある程度成果をあげたが、政府機関間の権限・支出責任が不明確、税制構造が不合理、予算管理制度が不完全などの問題がみられる。これらの問題に対応するため、「決定」は次のような案を提起している。①予算管理制度を改善し、全面的で規範化した、公開された、透明な予算制度を実施し、重点支出と財政収支の伸び率もしくは国内総生産(GDP)が連動する項目を整理、規範化して、一般的に連動させる方法を取らず、規範化・最適化した中央・地方政府債務管理の仕組みやリスク早期アラームシステムを確立し、一般的移転支出増加の仕組みを充実させ、移転支出特別プロジェクトを整理、統合し、それを規範化させること。②権限と支出責任が釣り合った制度を確立し、中央の権限と支出責任を適度に強化すること。③租税制度の改革を深め、地方税システムを充実させ、直接税の割合を徐々に引き上げ、国税と地方税の徴収・管理システムを充実させること、である。

 (五)都市・農村発展の一体化を目指す体制・制度を充実させ、都市と農村の格差を徐々に縮小する

 都市・農村の二元構造はわが国の経済・社会発展にかかわる最も大きな構造的問題でもあり、都市・農村発展の一体化を制約する主な障害でもある。わが国では、農業の基盤が依然として弱く、都市と農村の間にも就業や所得、インフラ整備および公共サービス水準などの面で大きな差がある。小康社会を全面的に築き上げるうえでの最も困難、重要な任務は農村にある。また、都市・農村発展の一体化と新しいタイプの都市化を推し進めることは、わが国の今後の経済発展につながる重要な原動力であり、内需拡大につながる最大の潜在力であることも見て取るべきである。「決定」は次のように強調している。①新しいタイプの農業経営システムを早急に構築し、農業における家庭経営の基礎的地位を守ること。②集団資産株式の所有・収益・有償退出や抵当・担保・相続の権利を含む財産に関する権利をより多く農民に与え、農家の住居用地の使用権・収益権・物権を保障すること。③都市・農村間における平等な生産要素交換と釣り合いのとれた公共資源配置を促し、農民の生産要素に対する権益を維持し、農民が土地運用益を平等に配当するよう保障すること。④都市化の健全な発展につながる体制・制度を充実させ、都市化と新農村建設が互いに促進しあうよう促し、農村から転出した人々を市民化させ、条件に合った農村転出人口を逐次都市住民にすること、である。これらの改革措置は、工業の発展によって農業の発展を促し、都市の発展によって農村の発展を牽引し、工業・農業の互恵と都市・農村の一体化を実現するという新しいタイプの工業・農業、都市・農村関係を構築することに役立ち、広範な農民が平等に現代化のプロセスに加わり、現代化の成果を共有することに役立っている。

 (六)開放型経済を目指す新体制をつくり、国際経済協力・競争に参入し、それを先導する新たな優位性をいち早く生み出す

 国際金融危機の影響がかなり長引いたため、世界の枠組みが大きく調整され、国内外の情勢は大きく変わりつつある。客観的な情勢は、国内外の二つの大局を見極め、国内・海外の二つの市場と二種類の資源を十分に利用し、対内・対外開放の相互促進、「外国から導入すること」と「海外に出ていくこと」をしっかり結びつけるよう促すとともに、国内外の生産要素の秩序だった自由な流動や、資源の効果的な配分や市場の高度な融合を促すことをわれわれに求めている。「決定は」次のように述べている。①投資分野を広げ、国内企業と外資系企業にかかわる法律・法規を一本化して、外資系企業関連政策の安定・透明・予見性を保つとともに、企業や個人の対外投資を増やして、対外投資における企業や個人の主体としての地位を確立すること。②二国間、多国間、地域的またはサブ地域的な範囲における開放・協力を続け、周辺諸国を基礎に自由貿易区戦略の実施を速めること。③内陸部、辺境地域の開放を拡大し、辺境地域の重要な港や辺境都市、経済合作区が人的往来・加工・物流・観光などの面で特別な方法や政策をとることを認めるとともに、周辺諸国・地域との相互アクセスを推進し、シルクロード経済ベルトと海上シルクロードの建設を推進し、全方位開放の新たな枠組みを構築すること、である。

 (七)社会諸事業の改革・革新を推進し、人民が最も関心を持ち、最も身近で、最も現実的な利益にかかわる問題をよりよく解決する

 改革・発展をはかるうえで、人民のために、人民に依拠するという理念を堅持して、改革と発展の成果がより多く、より公平に全人民に恩恵をもたらされるようにしなければならない。あくまで経済体制改革と社会的分野改革をともに推し進め、力を入れて社会・社会発展のアンバランスを是正し、民生の保障、改善を重点とした社会建設のペースを速め、人民の利益を多く求め、人民の悩みを多く解決し、調和のとれた社会の建設をうまく推し進めなければならない。「決定」は、社会諸事業の改革・革新を推し進め、教育分野の総合改革を深化させ、就業・起業を促す体制・制度を充実させるとともに、合理的で、秩序ある所得分配の枠組みを形成し、より公平で、より持続可能な社会保障制度を打ち立て、医薬品・医療衛生体制の改革を深化させ、全過程をカバーする最も厳格な食品・医薬品安全監督管理制度を確立する必要があることを述べている。社会諸事業の改革・革新に当たっては、政府がその職責を果たす一方で、市場メカニズムの役割を十分発揮し、多様化したサービスを社会に提供した上で、人民大衆の重層化したニーズに満たすよう努力する必要がある。

 (八)エコ文明の制度づくりを速め、持続可能な発展能力を増強させる

 エコ文明建設は人民の幸福、民族の未来にかかわっている。現在、わが国の資源の制約は日増しに大きくなっており、環境汚染が深刻化し、生態系が退化するというきびしい情勢にある。今年の春、北京・天津・河北省およびその周辺地域で広範囲、長時間にわたって高汚染の濃霧が発生したこと、秋に東北三省でも濃霧が続いたことは、生態環境の悪化傾向の是正には一刻の猶予も許されていないことをわれわれに警告している。生態系分野の問題は、わが国が長期にわたって続けてきた粗放型経済発展パターンと深い因果関係がある。エコ文明の建設を際立った地位に置いた上で、経済発展と生態系整備の関係をうまく処理し、生態系分野の改革と経済体制改革の良好な相互作用を促して、麗しい祖国の建設に努め、中華民族の永続的な発展を実現しなければならない。「決定」は次のように指摘している。系統だったエコ文明の制度と仕組みを確立し、最も厳格な発生源対策制度、環境破壊補償制度、責任追及制度を実行に移すとともに、環境対策・生態回復制度を充実させ、自然資源資産所有権制度と土地用途管理・規制制度の健全化をはかり、生態保護警戒ラインを定め、資源の有償使用制度と生態補償制度を実施し、生態環境の保護に関する管理体制を改善する必要がある、と。これらの改革措置は経済発展パターンを早急に転換させ、人間と自然の調和のとれた発展を促す現代化建設の新しい枠組みを構築する上で重要な意義を持っている。

 経済体制改革の深化は国が富み栄え、強くなること、人民が幸せになり、何も心配することなく健やかに暮らすこと、社会が調和を保ち安定することにかかわる、困難かつ重要な任務である。われわれは習近平同志を総書記とする党中央の確固たる指導の下で、「決定」に定められた諸般の要請をしっかりと実行に移し、改革を全面的に深め、体制・制度を充実させ、地道に仕事に取り組み、改革開放という偉大な事業に新たな一章を書き添え、小康社会を全面的に築き上げ、中国の特色ある社会主義の新たな勝利を絶えずかち取り、中華民族の偉大な復興という中国の夢を実現するために努力し、奮闘しなければならない。

関係論文