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より公平で持続できる社会保障制度をうち立てる

発表時間:2014-01-07 | 字体拡大 | 字体縮小

著者:尹蔚民 | 出所:人民日報

 改革の全面的深化という党の18期3中全会の総体的配置に基づき、小康社会を全面的に築き上げる決定的段階において、必ずよりよく民生を保障、改善することをめぐり、社会の公平・正義を促進し、社会体制改革を深化しなければならず、社会分野における制度の革新を推し進め、基本公共サービスの均等化を促し、より公平で持続できる社会保障制度を確立する。社会保障分野の制度の改革と刷新を加速させ、新たな情勢、新たな要請を正しくとらえ、改革の基本原則と主要任務を明確にする。

 わが国の社会保障制度の改革の歴史的過程

 社会保障制度は現代国家の重要な社会経済制度の一つであり、主として社会保険や社会救済、社会福祉、慈善事業などの内容を含め、その中において社会保険は社会保障制度の中核の部分である。改革開放以来、計画経済体制から社会主義市場経済体制への踏み込んだ転換に伴い、わが国の社会保障制度は政府と企業による保障から社会保障、従業員保障、都市農村の全住民への保障という重要な変革を実現した。

 党の第12回代表大会から党の14回代表大会に到るまで、経済体制と企業経営の管理体制改革の一連の措置として、社会保障体系整備が計画経済期の労働保険制度に対して改革を探求する時期に入った。この時期、国営企業の経営メカニズムの転換と労働契約制の実行を行うために、企業の労働、人事、分配の面の自主権を実行に移し、社会保障の改革のテストケースは主として退職、一時帰休などの費用の社会的統一プールにより企業の負担が軽くなったり重くなったり偏った問題を解決して来た。1984年、全民所有制と集団所有制企業で定年退職費用の社会の統一プールを試行し始めた。1991年、国務院は「企業従業員養老保険制度の改革に関する決定」を発表し、基本養老保険、企業補充養老保険、従業員個人の貯金的養老保険と結びついた養老保険制度を逐次確立することを提起し、養老保険がすべて国家、企業が請け負う方式を改め、国家、企業、個人の三方が共に負担し、基本養老保険基金の一部を積み立てるよう実行するほか、まず市、県クラスからの統一プールから、省クラスの統一プールへと逐次移行することを明確に規定した。1986年、国務院は「国営企業従業員一時帰休保険臨時規定」を公布し、初めてわが国で企業従業員の一時帰休保険制度を確立し、企業の労働契約制度の改革を実行し、労働者雇用仕組みの活性化に制度的保障を提供した。

 党の第14回代表大会から党の第16回代表大会に到るまで、社会主義市場経済体制を確立することを総体の目標として、社会保障体系の整備が諸般の制度の全面的改革と刷新の時期に入った。党の第14回代表大会は社会主義市場経済体制を目標とする改革の道程を歩みだし、党の14期3中全会は社会保障制度を社会主義市場経済体制の基本的な骨組みの五つの柱の一つとしたこと、これはわが国の社会保障制度の改革が重要な転換期に入ったことを示した。党の14期3中全会は社会保障制度を確立する基本原則、主要任務と総体目標をうち出し、個人口座と社会統一プールと結合する基本養老保険と医療保険制度モデルの実行を確立し、更に失業保険制度の充実化をはかり、あまねく企業の労働災害保険制度を確立し、行政と企業を分離し、統一的に管理する社会保障管理体制を確立するよう要求した。改革の試行を通じて、1994年に公布した労動法が特定の一章を以て社会保険を規定した。1994年また1996年、労動部は相前後して「企業の従業員の出産保険試行方法」と「企業の従業員の労災保険試行方法」を公布し、社会化した従業員の労働災害、出産保険制度を規範化させ、確立した。1995年、国務院が民政部の更なる農村社会養老保険事業の的確な遂行という意見を配布し、農民の個人による保険料納付を主として、集団による保険料納付を補助とし、国家の政策支援による農村社会養老保険制度(旧い農民養老保険)の探求を提起した。

 1997年国務院は統一した企業従業員の基本養老保険制度を確立する決定を発表し、統一した保険料納付の割合、個人口座の規模、基本養老年金の計算・交付方法と基金の管理方法を定めた。1998年、国務院は都市部の従業員の基本医療保険制度の確立に関する決定を行い、もとの公費医療、労働保険医療制度に対し改革し始め、全国お範囲内で個人口座と社会統一プールを結合する都市部の従業員の基本医療保険制度を確立し、都市部のすべての企業・事業体および従業員をカバーするよう明確に要求した。1994年、国務院は都市部の住宅制度の改革を深化することについての決定を公布し、1998年、また更に都市部の住宅制度改革の深化について配置を行い、エコノミー住宅を主体とする多段階の都市部住宅の供給体制を構築し、充実化することを提起した。1999年、国務院は「失業保険条例」を発表し、法規の形式で失業保険制度を規範化し、充実させ、もともと国有企業のみに適用した「一時帰休保険制度」をすべての都市部の企業・事業体および従業員に広げ、企業のみ保険料納付から企業・事業体と従業員個人の共同保険料納付へと改めた。「都市住民の最低限の生活保障条例」を公布し、都市部の貧困住民への社会救助事業を規範化させた。

 「社会保険料徴収臨時条例」を公布し、社会保険料徴収と基金の収支二本立て管理の実行などの政策を明確にし、社会保険基金管理監督制度を確立した。1998年、国務院の機構改革案はもと労動部の基礎を踏まえて労働・社会保障部を成立することを決定し、一応社会保険管理体制をすっきりさせるように整理した。

 党の第16回代表大会から党の第18回代表大会に到るまで、都市と農村の統一した計画下での発展を顕著な標識として、社会保障体系整備は都市と農村の統一プールで、全国民をカバーし、全面的に発展する時期に入った。党の第16回代表大会は小康社会の全面的建設の奮闘目標をうち出し、社会保障体系の比較的健全化を重要な指標の一つとして、都市農村の社会保障制度の改革に対し新しい要求をうち出した。党の16期3中全会と党の第17回代表大会が社会保障制度の改革を都市農村の発展を統一的に企画し、調和の取れた社会を築き上げ、民生の保障と改善を重点任務とし配置する。東北三省のテストケースから得た経験を踏まえて、国務院は相次いで企業の従業員の基本養老保険制度の充実化政策と措施を発表し、個人口座の積立を確実に行い、出稼ぎ労働者や土地を収用された農民の社会保障問題を解決し、都市部企業の従業員の基本養老保険関係のポータビリティー手続きを策定し、あまねく養老保険省クラスの統一プール制度を確立ようと求めてきた。

 2003年、国務院は新型農村合作医療制度のテストケースの展開を決定し、2007年、都市部住民の基本医療保険の試行を展開した。2007年、国務院は全国で農村の最低限の生活保障制度をうち立することを決定し、2012年末までに総体的に都市・農村おいての最低限生活保障制度を整備し、保障すべきものはすべて保障するようになった。2009年、国務院は新型農村社会養老保険のテストケースの展開を決定し、2011年、都市部住民の社会養老保険の試行を行い、2012年末までに制度の全域カバーを実現する。2003年、国務院はわが国の国情に適合する住宅保障制度の確立の加速化と充実化をうち出し、2007年、住宅保障制度の改革の加速化に取り組むようになり、都市部の保障タイプ住宅、都市のバラック区改造と農村の老朽化住宅改造への政府の投入を増大させ、都市と農村の住宅難の人びとの住宅問題を重点的に解決する。これとともに、国家がまた企業年金、商業保険、都市・農村の医療救助の発展への支援政策・措施を制定し、実施し、多段階の社会保障体系枠組は初歩的に形成した。

 社会保障制度の整備が基本的な民生の改善と社会公平・正義に関わっているので、基本公共サービスの均等化を実現する重要な具現であり、社会の関心度が高く、利益に関わる訴え、請求が様々である。特にわが国の高齢化と都市化過程が加速されている新しい情勢の下、社会保障制度改革の任務はいっそう困難で差し迫まるようになっている。改革を着実に推し進め、実効果を得るよう確保するには、必ず以下の基本原則をしっかりととらえなければならない。

 基本的国情から出発することを堅持し、社会保障を全面的に行きわたらせ、基本的保障の実現を優先にすることを目標とする。わが国はいまなお、そしてこれからも長期にわたって社会主義の初級段階にあり、生産力水準の向上は総体的にまた比較的低かったし、都市と農村と地域間における発展の格差は比較的大きく、社会保障制度を発展させる経済的土台は依然として比較的に弱かったし、統一的に計画し各方面に配慮することは依然としてかなり難しい。社会保障制度改革の過程において、わが国の基本国情と社会保障事業の発展法則と結合し、中国の特色ある社会保障制度のモデルを強化し、充実化させ、経済社会の発展レベルと適応するよう堅持し、改革の進捗と度合いを適切に把握する。わが国の人口構造、都市と農村の二元構造が著しく変わっている実状から出発し、高齢化の加速化による社会保障制度への厳しい試練に積極的に立ち向かい、都市農村の社会保障制度の包括的発展を推し進めるよう努める。社会保障を全面的に行きわたらせ、基本的保障の実現を優先にすることを目標として、力相応に全力を尽くして取り組み、社会保障のカバーエリアを拡大し、諸般の社会保障待遇基準を着実に高め、都市と農村の住民が改革と発展の成果をより多く分かち合うようにするとともに、広範な大衆を指導して社会保障に対して合理的な予期を形成する。

 トップ・ダウン・デザインを強化し、制度の公平性と持続可能性を向上させ、改革の全体性と協調性を強める。社会保障は多くの具体的な制度からなる制度体系であり、諸般の制度は互いに独立しながら緊密につながり合い、現在に関わるとともに長期間にも関わっている。社会保障制度の改革は必ずこうした基本特徴を十分に考慮しなければならない。公平と効率、権利と義務、統一性と融通性との相互結合を堅持するとともに、制度の公平性とインセンティブ・制約機能の増強をいっそう重視し、誰もが基本的社会保障の共有を実現する。現実の際立った問題を解決するとともに、制度の持続可能性の増強をいっそう重視し、社会保障制度の長期にわたる安定運行を実現する。個々の社会保障制度の改革の充実化をたゆまず推し進めるとともに、総体的に制度面でのトップダウンデサインをいっそう重視し、諸般の制度の効果的統合と成熟と定型化を実現する。諸般の制度の基本機能効果を合理に確定し発揮させるとともに、諸般の制度の間の相互協調をいっそう重視するとともに、異なる制度の間の順調なつなぎ合うことを実現する。

 テストケースの先行を堅持し、改革・刷新した経験をいち早く総括し、普及させる。社会保障制度の改革は広範な人民大衆の切実な利益に関わっており、積極的かつ確実に推し進めなければならない。30年あまりの実践が表明したように、社会保障制度の改革はテストケースの先行を堅持しなければならず、試行によって法則を掌握し、経験を積み重ね、途方を探求し、テストケースから得た経験の総括をふまえて逐次広げる。各方面の受容能力を十分に考慮し、改革の段取りと度合いを合理的に把握し、局部の利益の調整による社会の不安定をきたすことをさける。末端部の大胆な新機軸を打ち出すことを積極的に励ますとともに、みごとな経験ややり方を普遍性のある政策と法規制度にレベルアップように図り、諸般の社会保障制度を革新し続ける実践の中で絶えず充実化させていく。

 科学的な民主的政策決定を堅持し、改革案に対するの研究・論証と改革の実施に対して社会的監督を強化する。社会保障制度の改革は多分野、複数の学科に及ぶ総合プログラムであり、かなり複雑で、敏感であり、科学かつ周到な、オープン的、透明な手続きを踏まえて政策策定を行わなければならない。改革案を設計し、制定するまでに、深く突っ込んだ調査研究を展開し、繰り返し理論研究を行って、方案をいっそう客観の実際に合うように、よりいっそう客観的法則に従うようにする。

 改革案を研究し、形成するにあたり、専門家の意見を十分に聴取し、公衆の意見を広く求め、方案をいっそう実行可能なものにし、より良く社会の願いを具現する。改革案を発表し実施に移すにあたっては、深く突っ込んで入念に宣伝・解読を行い、其の進捗を即時にフォローアップ・監督指導を行い、実事求是の態度をとり社会に改革の効果と見られる問題点を通達し、社会の監督メカニズムの健全化に力を入れ、社会の監督のルートを円滑に機能し、広範な人民大衆に改革に対してより十分な知る権利を持たせ、より高い情熱で社会保障制度の改革プロセスへ参与してもらう。

 新時期におけるわが国の社会保障制度改革の重点任務

 党の第18回代表大会は社会保障の国民全体へのカバーを小康社会の全面的建設の重要な目標とし、すべてのカバー、基本保障、多段階、持続可能な方針を堅持すし、公平性を強め、移動性に適応し、持続可能な保証を重点として、都市農村住民をカバーする社会保障システムを全面的に築き上げるよう求めた。党の18期第3中全会は更にいっそう公平で持続可能な社会保障制度を確立するとい改革の目標をうち出し、わが国の社会保障制度改革が新たな重要な時期に入ることを示した。この新たな重要な時期に、改革の重点的任務は次の諸点がある。

 社会保険の制度改革を進めることを加速させる。一、社会の統一プールと個人口座の結合する基本養老保険制度を堅持し、個人口座制度を充実させ、多く納付すれば多く受領するインセンティブメカニズムを充実化させ、保険加入者の権益を確保し、基礎養老年金の全国プールを実現し、精算してバランスとるという原則を堅持する。社会統一プールと個人口座を結合する基本的制度のモデルを安定化させ、次第に定型化する。更なるハイレベルの社会プールで社会の公平を十分に具現させ、社会保障資金をより有効的に活かして人民大衆に幸福をもたらす。養老保険基金の収支のバランスを精算し予測して、養老保険制度の持続可能な安定運行のために信頼できる根拠を提供する。二、機関・事業体の養老保険制度改革を推し進める。社会の統一プールと個人口座を結合する基本モデルに則って、機関・事業体の養老保険制度を改革し、養老保険「二重体制」を解除するとともに、機関・事業体の特徴を具現する職業年金制度を確立する。三、都市農村住民の基本養老保険制度、基本医療保険制度を統合する。現行の新型農村社会養老保険と都市部住民社会養老保険を統合して統一した都市農村住民基本養老保険制度となり、都市農村住民の制度上の公平と公共資源の共有を実現する。四、社会保険関係のポータビリティー手続き政策を充実させ、保険への加入・料金納付率を高め、適時に社会保険料率を下げる。労働者の就労流動性が増大する需要に適応し、都市と農村の異なる地方での医療決済についての統一プールを重点とし、社会保険関係のポータビリティー手続き政策を更に充実させる。保険への加入・料金納付率を高め、基金のバランス維持能力を強める前提に、適時に社会の保険料率を引き下げ、効果的に国家、部門、個人の負担のバランスがとれるようにはかる。

 社会保障制度の持続的発展を保証できる体制の構築、充実化を加速させる。一、社会保障の財政投入制度を充実化させ、社会保障の予算制度を完備する。政府の受け持つ社会保障の責任を明確にし、公共財政の民生保障における役割をよりよく発揮させる。予算管理の実施により、社会保障資金の管理運用の透明度と拘束力を強める。二、各類人員の社会保障待遇の合理的に兼ねた社会保障待遇を確定し、正常に調整するメカニズムを確立し、充実させる。従業員と住民の収入を基礎に合理的に社会保障のレベルを確定し、収入増、物価変動などの主な要因を包括的に考慮する正常に調整するメカニズムを確立し、社会保障の待遇と経済社会の発展と連動した持続でき、秩序だった、合理的な増加を実現させる。三、社会保険基金の投資管理と監督を強化し、基金の市場化、多元化投資、運営を推し進める。養老年金の発給を確保し、基金の安全を保証する前提に、基金の市場化、多元化投資・運営を積極的かつ確実に促進し、基金管理監督体制の健全化をはかり、元本と運用益の増大を実現する。社保基金の法律監督、行政監督、社会監督を強化し、基金の安全と効果的運用を確保する。四、漸進的な退職年齢延長政策を研究し、制定する。わが国の人口構造、就業構造の変動傾向、社会保障の持続できる発展の要請を包括的に考慮し、それに相応しい退職年齢延長の漸進的な調整方式をとり、従業員の退職年齢延長政策を次第に充実させる。五、社会保障管理体制と取り扱い・サービス体系の健全化をはかる。社会保障制度の新しい改革と発展の変動に基いて、いち早く社会保障行政管理体制を調整し、行政管理機能の統合に力を入れ、行政管理効率を高める。社会保障・取り扱い管理サービスの規範化して、標準化、情報化整備を強化し、取り扱い・サービスプロセスを合理化し、標準の統一した、全国ネットワークの社会保障情報管理システムを立ち上げ、精確な管理と便宜かつ快適なサービスを実現する。

 多段階の社会保障体系の整備を急ぐ。一、都市農村の最低限生活保障制度の包括的発展を推し進める。絶えず都市農村の最低限生活保障制度を充実させるとともに、足軸を都市農村の統一プールに逐次転換し、都市と農村の制度・待遇を統合しつながるように推し進める。二、住宅保障制度をを改革し充実させる。国情に合う住宅保障・供給体制の確立と健全化をはかり、保障タイプ住宅の建設、管理、分配の有効な方式を積極的に探求し、住宅難を抱える大衆の住宅問題をいっそう公平かつ有効に解決する。オープンで規範化した住宅公共積立金制度を確立し、住宅公共積立金の取り出し、使用、監督管理仕組みを改善し、住宅公共積立金の使用効果を高る。三、社会保険と商業を補充するよう、積極的に発展させる。免税や徴税の先送りなどの優遇政策を制定し、実施し、企業年金、職業年金などに補充的社会保険と各種の商業保険の発展を加速させ、多段階の社会保障システムを構築する。四、特殊な層へのサービス保障制度の健全化をはかる。人口の高齢化に積極的に対応し、社会養老サービス体系と高齢者向けサービス産業のの確立を加速し、高齢者の特殊なサービス保障の需要をよりよく満たすよう努める。

 農村に残された留守子供、女性、老人に関心を寄せ、ケアするサービス体系を充実化させ、残された人びとの基本生活保障や教育、就業、医療衛生・健康、思想感情などの面で効果的な関心とケア・サービスを重点的に実施する。身体障害者の権益を保障制度を充実化させ、身体障害者を尊重する良好な社会の雰囲気の醸成に力を入れ、身体障害者が平等に各種の社会権益を共有できるようにする。苦しい立場にある子供に対する分類保障制度の健全化をはかり、活動の仕組みと監督管理仕組みを充実させ、政策制度の刷新とサービス体系の整備を強化する。

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