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市場の資源配置における決定的役割を果たすよう

発表時間:2013-12-27 | 字体拡大 | 字体縮小

著者:林兆木 | 出所:「人民日報」2013年12月04日06面

 党の18期第3中会会の採択された「「改革の全面的深化をめぐる若干の重要問題に関する中共中央の決議」(以下「決議」と略称)では、次のような、一連の新たな論断、新たな見方、新たな方策、新たな対策措置を打ち出したが、これは、中国の特色ある社会主義の最新の成果、最新の発展である。その中で改革を全面的深化に対する全局と戦略の意義をもつことは、「決議」は「しっかりと市場の資源配置における決定的役割の発揮をめぐって、経済体制の改革を深化する」と明確にうち出すとともに、この要請に基き、経済分野の多くの新しい重要な改革措置を出した。これはわが国の改革開放の歴史的プロセスにおける一里塚の意味をもつ革新と発展であり、新しい歴史の起点をふまえて改革の全面的深化に対して深遠な影響を及ぼすであろう。

 一、 わが国の改革の理論の重要な発展

 党の第18回代表大会の報告では次のように指摘し、「経済体制の改革の中核的問題は政府と市場の関係をうまく処理することである」。いわゆる政府と市場の関係とは、実質的には資源の配置において市場が決定的役割を果たすか、それとも政府が決定的役割を果たすかの問題である。35年来、わが国の経済体制改革と対外開放は、ずっと政府(計画)と市場の関係を正しく認識し、処理するという中核的な問題を中心に展開されていた。

 改革開放まで、わが国は高度に集中した計画経済体制を実行したので、政府が完全に国家計画を通じて資源の配置を行っていた。改革開放は実践の上で計画経済体制の束縛を突破するには、思想面で必ず市場を否定し排斥する伝統的観念の束縛を突破しなければならない。20世紀80年代、改革開放の実践の進捗と伴い、われわれが政府(計画)と市場関係に対する認識が伝統的観念の束縛から逐次抜け出ようになり、改革と発展の促進に重要な役割を果たした。特に1992年初、鄧小平同志が南方視察における重要な談話により、われわれの政府(計画)と市場関係に対する認識は重要なブレークスルーを成し遂げられた。まもなく党の第14回代表大会は「わが国の経済体制の改革の目標が社会主義市場経済体制を確立すること」、「市場を社会主義国家のマクロコントロールの下、資源配置に対して基礎的役割を発揮させること」と明確に提起した。こうした重要な理論的突破は、わが国の改革開放と経済社会の発展にきわめて重要な役割を発揮した。

 市場の役割の位置付けをうち出した後、われわれの党はずっと改革と発展の客観的かつ実質的変化に適応する要請を引き続き探求してきた。党の第16回代表大会は「より大きな度合いで市場による資源配置の基礎としての役割を発揮させる」と提起するとともに、「国家のマクロコントロールの下」という連体修飾語を削除した。党の第17回代表大会では「制度の整備により資源配分における市場の基礎的役割をより上手に発揮させる」とうち出した。党の第18回代表大会は「資源の配置における市場の基礎的な役割をよりいっそう大きな度合いにおいて広い範囲で発揮させる」を提起した。党の第16回代表大会から第18回代表大会まで、市場の基礎的役割の前の加えたキーワードと言えば、すべて改革の方向づけが市場の役割の強化に対する強調に集中していた。これらの重要な論断は今回の「決議」が「市場資源の配置の中で決定的役割を果たす」を提起するために思想と理論上の準備を整えた。

 実践の背景から見れば、国際経済環境と国内の発展段階の重要な変化は、わが国の経済の発展パターン転換、高度化を加速、さらに発展の活力と革新の原動力を増強するよう差し迫って要請している。当面経済発展における持続できないという際立った矛盾は、すべて政府の資源配置に対する関与しすぎや不適切な関与により、市場機能の発揮の欠如と密接に関わっている。「決議」は社会主義市場経済体制の整備と現段階の経済発展の客観的な要請に基いて、各方面の意見を広く考慮し、市場の資源配置における「基礎的役割」を「決定的役割」に改正した。二字の差しかないが、重要な理論観点をうち出した。「決定的役割」と「基礎的役割」という二つの言い表しが一致してつながりあうものであり、前者は後者の基礎をふまえて時代とともに前進する発展である。「決定的役割」の言い表しは、理論の上でもっと明確で、徹底しており、現段階の経済体制の改革に対する指導が更に的確であり、わが国の改革に関する理論の新しい歴史的条件下の重要な発展である。この新たな言い表しは全党と社会全体において政府と市場関係の正しい観念の確立するのに資するし、更に生産力を解放し発展させるのに役立ち、社会の活力をいっそう解放し強めるのにプラスになるのである。市場の資源配置における決定的役割の発揮を中心に、経済体制の改革を深化し、わが国の改革開放の新しい局面を切り開くであろう。

 二、市場の決定的役割の内包と実践的意義

 われわれの言っている市場とは、商品の等価交換を準則とする経済活動の方式、つまり市場経済を指して言うのである。市場経済は資源配置の最も効率の体制であり、生産力を発展し現代化を実現する最も適正な道でもある。

 すべての経済活動の最も根本的課題は、どのようにして最も有効に資源を配置することである。市場による資源配置の優位が資源配置を誘導して価値法則に適うように最小限の投入(コスト)で最大限の産出(収益)を得るという要求にあるのである。市場による資源配置の本質的な要求は、経済活動において価値法則に従ってそれを貫徹するのである。市場の資源配置における決定的役割を発揮することであり、つまりその本質は価値法則、競争と需給の法則などの市場原理は決定的役割を果たすことである。

 わが国の経済体制の改革は総体としてこの法則に従って絶えず深めている。実践は証明したように、社会主義と市場経済はみごとに結び付けることができる。市場経済は社会主義のためにはつらつとした生気と発展の活力を注ぎ込んだし、社会主義は市場経済のために新しい生面と広々とした展望を切り開いた。社会主義と市場経済は主体的であり、絶えず前へ発展していくのである。社会主義市場経済体制の大きな優位性と強い生命力は、社会主義と市場経済の優位を互いに結合することができるだけではなく、大きな余地が展開され、実践と認識の発展と伴い、改革の深化を通じて絶えずこうした結合を適正化する。市場の資源配置における決定的役割を発揮することを提起したことは、理論と実践の上こうした結合に対する新たな重要な発展である。

 わが国の経済発展の実践の要請から見れば、改革開放35年来、わが国の圧倒的多数の経済分野の資源配置はすでに一応市場による配置を行うようになった。しかし、それぞれの経済分野、生産、建設、流通、消費それぞれの一環において、資源配置が価値法則の要請に違反したことで資源配置の効率低下、ひいては深刻な浪費現象をきたしたことがまたあまねくに見られている。その根本原因は現行の経済体制が市場主体の活力を束縛し、市場と価値法則の決定的役割の発揮を邪魔し、妨げる体制・仕組み的な弊害が依然として多く見られているからである。「決議」は、「市場体系が完備されず、政府が介入しすぎだり管理監督が徹底されていなかったりする問題の解決に力を入れなければならない」「積極的かつ穏当に広さと深さで市場化の改革を推し進めなければならず、政府の資源に対する直接配置を大幅に減らし、市場ルールや市場価格、市場競争による資源配置の収益の最大化と効率の最適化を実現するよう推し進める」と明確に指摘した。こうしたことは社会主義市場経済体制の確立、経済発展のパターン転換、経済の持続的健全な発展の促進に、重要な現実的な意義をもっている。

 第1、各種の市場主体の創業、革新の活力を最大限に引き出すに役立つ。平等な市場参入や財産権保護、公平な競争の要件と経営環境は、市場主体の生命力と活力を引き出す根本的な保証である。今市場主体の創業、革新の活力を束縛する体制的障害は、主として民営企業に対する不公平な待遇であり、民間の投資を妨げる「ガラスの扉」や「自在戸」が依然として見られている。競争的な経済分野における投資の審査許認可は、市場のメカニズムが優勝劣敗の機能の発揮にマイナスとなるだけでなく、民営資本に対して「はみだす」効果をもたらしている。一部の分野では明らかなまた形の変えた行政的独占が存在しており、公平な競争を妨げ、公共事業と社会事業の分野には参入障壁が存在しているので、多くの民間資本がどうしても込み合う競争的な経済分野でひしめきいて、一部の業種の生産能力過剰を激化させている。科学技術体制において政府と市場の位置付けが明確にされておらず、企業が技術イノベーションの主体になることを妨げている。政府は企業の技術イノベーションに関与し過ぎた一方、他方で、イノベーションのために良好な環境づくに努力が不十分である。こうした体制・仕組みにおける諸般の市場主体の創業、革新意欲の発揮を妨げる問題を解決すべきであり、経済分野が市場ルール、市場価格、市場競争による資源配置を行うことはキーポイントである。

 第2、わが国の経済のパターン転換の加速に役立つ。わが国の経済構造が不合理で、粗放型の経済発展パターンの転換が遅れをとったため、当面多くの業界において生産能力の過剰、収益減が見られいるが、その原因を求めれば、政府と経済に対してあまりにも関与しすぎ、不適な関与、市場の決定的な役割の発揮を妨げることが大いに関わっている。例えば、電力、精製油、天然ガスなどの重要な商品の価格の形成において行政的規制の特徴が明らかで、金利はまだ市場化されず、資本の市場体系は整っていないなど、これらの問題により多種の要素価格が資源の希少度と需給関係の変化を如実に反映することはできなくなった。これと同時に、財政・税務体制があまり合理的でなく、党と政府幹部の治績考課はGDPの成長率を偏りすぎたため、地方のスピード型経済成長の追求と衝動投資を助長し、重複建設と生産能力過剰の激化を招来していた。政府の不当な方式による資源配置への直接関与は、要素価格のねじ曲げ、市場メカニズムの役割の発揮の妨害につながっている。市場の資源配置における決定的役割を発揮する要求に基いて関連改革を深めること、これは経済発展のパターン転換を加速し、経済の更なる効率的かつ公平で、持続できる発展を推し進めるが肝心な対策措置である。

 第3、高効率で清廉なサービス型政府の建設に役立つ。今日の政府ガバナンスと市場機能のけじめはつかず、政府のオフサイドと欠如がともに見られた。政府は依然として多くの管理すべきではないこと、管理できないこと、管理できそうもないことを管理している。あまり多くの時間と精力をプロジェクトの審査許認や企業の誘致、資金の導入などのミクロ経済事務への直接関与にかけたため、政府が市場の管理監督、社会の管理、公共サービスなどの面の欠如を招いた一方、他方では政府が社会事務に対して取り仕切りすぎ、社会の力による社会管理への参与と公共サービスを提供する役割を十分に発揮しておらず、政府がこうした面で矛盾している焦点となることを招来した。したがって、市場の資源配置における決定的役割を発揮させ、市場と企業が解決することができることは、すべて市場と企業に下ろして、社会の仲介機構が引き受けることのできる機能、すべて社会の仲介機構に任せる。こうすれば、政府が真に役割の転換に資するだけではなく、重点を市場の管理監督、公共サービスの増強、社会の公平・正義の擁護に移すのに役立つ上、公職人員の収賄、権力と金銭の取引などの腐敗現象の土壌と根源の取り除きに寄与する。市場の資源配置における決定的役割を発揮し、政府の資源に対する直接配置を大幅に減らしすことは、腐敗現象を抑制し、根治する対応策である。

 第4、開放型経済の新体制づくりに有利である。対外開放により、わが国が国際市場と国外の資源を十分に利用し、国内の発展を強く推し進めることができるだけではなく、国内の改革のために市場経済を発展させる経験、ルールの参考を提供し、改革を促進する重要な原動力と活力の源となった。国際金融危機以来、世界経済が深く調整され、各分野の包括的投資ルールの競争が更に激しくなった。主要な先進国は新ラウンドの貿易投資の自由化交渉を推し進めており、それは及ぶ分野が広く、標準が高く、影響が大きかったなどの特徴がある。

 現在、展開している中米投資協定の交渉において、焦点とした問題はわが国に現行の外国商人の投資に対する個々の事案への審査許認可制と外商投資産業指導目録の方式を改めるよう求めることである。これらは市場参入に関わるだけでなく、体制改革にも関わり、われわれに投資の管理パターンの転換と制度の刷新の加速を求め、統一した、公平で、透明な投資市場参入体制を確立し、ミクロの主体がいっそう大きな自主的に投資する権限を獲得し、政府部門がプロジェクト審査許認可から独占禁止と安全審査などのマクロ管理機能に転換するよう要請している。対外開放の範囲から見れば、わが国が世界の主要経済体との開きは、主としてサービス業分野の開放に見られる。金融、教育、文化、医療衛生などのサービス業分野で秩序立った開放は、競争を導入し、わが国のサービス業の発展に役立つのである。要するに、市場に資源配置において決定的役割を発揮させて、はじめて新ラウンドの国際貿易投資自由化の情勢の要請に適応することができ、開放型経済の新しい体制を構築し、わが国のさらなる高質、ハイレベルの対外開放を推し進め、広範な分野において一段と踏み込んで経済のグローバル化に融け込む。

 三、市場の役割と政府機能の関係を全面的に認識する

 社会主義市場経済を発展するには、市場の資源配置における決定的役割を発揮するだけでなく、政府の経済的機能と重要な役割をも発揮しなければならない。「決議」は政府の機能をよりよく発揮することについて明確な要求をうち出し、次のように強く指摘し、「科学的なマクロコントロール、効果的な政府ガバナンスは、社会主義市場経済体制の優位を発揮するの内在的要請である」。

 欧米先進国において、政府介入の対象は市場機能が十分に発揮する成熟した市場経済であり、それと異なって、市場経済がわが国においてまだ一度も十分に発達し得ていない。わが国の経済体制の改革の起点が、政府の高度の関与下の計画経済である。現在改革開放が解決する主要課題は、依然として更に市場メカニズムの役割を発揮させることで、政府の経済への関与が多すぎで、不当に関与し、管理監督が徹底していないといった問題を解決することであり、そのために市場の資源配置における決定的役割を発揮することを提起したのであるが、これは市場が万能だとは絶対に言うものではないし、また政府が市場に対して放っておけばよいと考えることではない。「決議」は「社会主義市場経済の改革の方向を堅持する」と強調していることが、わが国の市場化改革が中国の特色ある社会主義の方向を堅持するの経済の市場化であると物語っている。市場は資源の配置において決定的役割を発揮するが、別に全部の役割を発揮することではない。市場経済は法治の経済であり、道徳を重んじ、誠実・信義を重んじる経済である。政府の「目に見える手」が市場の「見えない手」と効果的に協力し、役割を発揮してこそ、市場経済の健全な発展を保証することができる。。

 党の正しい強い指導、政府の効果なマクロコントロールと積極的な施策は、わが国の社会主義市場経済体制の独自な優位である。改革開放35年来、なぜか、わが国の経済社会の発展は史上と世界に稀にない大きな成果を得ることができるのかというと、これはわれわれの党と政府が改革開放と発展を推進し、発展環境の安定を守る上で発揮した役割とも切り離すことはできない。.

 この過程を経て、わが国がマクロコントロールと政府ガバナンスにも豊富な経験を積み重ねた。その中の重要な経験の一つが、国家発展戦略・計画を指導として、マクロコントロール経済政策の手段を正しく運用し、総需要と総供給の水準を調節し、財政、金融のシステミック・リスクに用心し、経済の周期的、大幅な揺れ動きを防止する。これと同時に、市場主体は自身の利益の最大化の追求が社会の公的利益と衝突する可能性があり、政府は必ず市場への監督管理を強化してしなければならず、市場秩序を守り、生態環境と労働者、消費者の安全、健康などの権益を保護する。政府は必ず独占と不公平な競争の経済的規制に反対し、公平な競争と消費者の利益を保障する。特に重要なのは、市場メカニズムが公共的製品の供給と収入分配の公平という問題を上手に解決することはできないため、政府は必ず公共サービスを強化し適正化しなければならず、基本公共サービスの均等化を推し進めなければならない。市場の形成した一次分配秩序を擁護し、規範させるとともに、税収、社会保障、移転支出などの手段を通じて所得再分配に合理的な調節を行い、格差の大きすぎることを防止し、共に富かになるよう促進し、公平・正義と社会の安定を維持する。

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