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WTO加盟後の中国

発表時間:2012-09-25 | 字体拡大 | 字体縮小

著者:陳清泰 | 出所:経済産業研究所

  十数年にわたる困難に満ちた協議を経て、2001年末、中国はようやくWTOへの正式加盟を実現した。WTO加盟後、中国が直面する機会と挑戦に対するこれまでの様々な予測は、今現在の実践によって検証されつつある。その中には、予想通りのものもあれば、事前に十分に認識されていなかったものも含まれている。WTO加盟が実現した今、それが中国経済に与える影響の中で、どれが短期的で、どれが長期的なものか、そしてどれが直接的なものなのか、どれが潜在的なものなのか、さらには一体どれが確実で、どれが不確実なものなのかに関して、WTO加盟の協議項目、そして変化した国際・国内情勢に基づいて、推計し、判断することが求められている。ここで最も重要なのは、中国は積極的にチャンスを活かすとともに、リスクを減らす対応策を実行することである。このためには、国内の調整や改革を加速させ、全面的に、安定的に、また長期的に中国経済の競争力を上昇させることに着目すべきである。これと同時に、世界経済の安定と発展により多くの貢献をし、人々が期待している「ウィン・ウィン・ゲーム」という局面を実現しなければならない。   

    WTO加盟が中国に与える影響-損失以上の利益があるが、不確実性も大きい   

  WTO加盟が中国経済に与える影響は、経済全体に与えるものと個別産業に与えるものという二つの角度から分析することができる。

  一、中国経済全体への影響   

  WTO加盟は、中国にとってより広範囲にわたって深いレベルで経済のグローバル化というプロセスに参加することを意味する。中国経済における資源を合理的に配分できる範囲が大幅に開拓され、産業構造の調整は比較優位の育成と発揮を促し、市場開放によってもたらされる競争が経済効率のさらなる上昇を促すだろう。こうした要素は、最終的に中国経済の全体的な成長を推進させることになる。

  国務院発展研究センターの発展戦略・地域経済研究部は、中国のWTO加盟に関する公式文章を前提に、「中国経済の多部門、多地域の動態モデル」(DRCCGEモデル)を使って、中国の経済成長に対するシミュレーションを行った。その結果、サービス貿易と対外開放の条件に考慮しないという前提の下で、WTO加盟を実現しない状況(すなわち、中国ではどのような貿易自由化の改革も行われない状況)と比較すると、2010年に中国のGDPは2.1%上昇すると推計している。かつて、世界銀行や米国の国際貿易委員会などの機構も、計量研究をベースにWTO加盟が中国経済の成長を加速させると結論付けている。

  ここで注目すべき点は、こうした計量研究が、WTO加盟後の比較優位に基づく資源の新たな配分による効率の上昇だけを考慮しており、基本的に、WTO加盟によってもたらされる投資、技術、競争と体制といった成長要因を考慮していないことである。実際には、WTO加盟後の中国では対外貿易の環境改善に伴い、ハイテク設備の輸入が増大し、産業構造が高度化されるだろう。中国の投資環境が大きく改善されることになり、外国による直接投資が増加し、それによって先進技術と管理ノウハウがもたらされるだろう。市場開放の結果、多国籍企業の進出も増えるであろう。中国国内において、国民待遇原則が実行されることによって、従来制限された投資主体の市場への参入条件が改善され、競争の度合いと質がともに上昇するだろう。WTOの規則を適応できるよう、大量の法律・規則の調整が求められ、それが結果的に、貿易と投資環境の改善につながり、新しい成長要因が出てくることになる。静態的な比較優位による資源配分の変化と比べ、こうした変化はもっと深刻で、長期的なものである。こうした変化によってもたらされる「内生的成長効果」を考えると、WTO加盟によって、これからの10年間、中国のGDP成長率に年平均0.5%前後の効果がもたらされると見込まれる。

  一方、WTO加盟による収益の分配も不均衡で、貿易と投資の自由化が異なる部門に与える影響も違ってくる。比較優位、貿易と投資環境、市場構造、グローバル化の程度、産業の成熟度、潜在的需要などの違いによって、WTO加盟後、収益の高い部門もあれば、比較的低い部門もある。そして、いくつかの部門が強い衝撃を受けるだろう。さらに、影響を受ける時期もそれぞれ違ってくる。同じ部門の内、異なる製品が受ける影響の方向性と程度が大きく異なるため、その部門が受ける影響に対して、総合的な判断を下すことは非常に難しい。個別の企業にとっても、業界全体が利益を受けても、競争力の強い企業と弱い企業では予想される影響が完全に異なる。WTO加盟後、中国経済全体が利益を受けることは確実である。異なる部門の調整方向と度合いが違っても、あらゆる部門が例外なく調整の圧力に直面していることには変わりない。それに対応する戦略の違いによって、各部門の間での調整の結果と最終利益は不確実なものとなる。この点は、以下の産業と体制が受ける影響に対する分析によって明らかにされるだろう。

  二、中国の産業に対する影響

   1.農業に対する影響   

  中国の農業の生産、加工と流通は、明らかに経営規模が小さく、コストも高い。しかも、市場化の程度が低く、そして政策による支援が少ないため、その国際競争力は比較的弱い。長期にわたる貿易保護は農業分野に歪んだ構造をもたらし、その結果、比較優位が十分に発揮されていない。WTO加盟に当たって、中国は農産品市場を大幅に開放することを約束し、農産品貿易に対する保護を大幅に減らすことになった。同時に、WTO加盟後、輸入に対する管理と産業政策の手段が厳しく制限されるため、農業が最も挑戦を受ける部門の一つになる。

  農産品市場の開放が中国国内の農業に与える衝撃は、主に、価格が安く品質の良い農産品の輸入によるものである。特に穀物などの農産品の輸入は、国内農産品の市場価格を低下させ、国内農産品の市場シェアを奪ってしまい、農民の収入が減少することになる。計量モデルの結果に基づくと、2005年までに、農業総生産が2%、農民の収入が280億元ほどそれぞれ減少すると見込まれている(1990年の不変価格に基づく)。

  しかし、WTO加盟は中国の農業に衝撃を与えるのと同時に、多くの機会ももたらすことになる。相当の衝撃を受けても、もしそれへの対応措置が適切であれば、依然として安定な成長の勢いを保つことができる。農民の収入は食糧などの農産品の輸入による衝撃を受け、減少するかもしれない。しかし、中国の穀物における比較優位がすでに低下しているため、この機会を活かし、積極的に産業構造の調整を図り、農民達を、付加価値が高く市場見通しの良い農産品の生産に誘導できれば、農民達の収入を上昇させることも可能である。農業、特に栽培業が農村労働力を吸収する水準は、WTO加盟によって影響されるだろう。しかし一方では、WTO加盟が資源配分と産業構造に変化をもたらし、その他の領域における農村労働力の吸収を増加させることになるのである。

  従って、WTO加盟後、中国の農業が健全な発展を実現できるかどうかは、対応戦略の適切性に大きく依存している。これについて、調整と改革が十分に展開されるかどうかは最も重要である。例えば、中国の肉類、野菜類、果物と花類などの労働集約型農産品は、一定の比較優位と輸出潜在力を持っている。しかしこれまで長い間、こうした製品の品質、衛生、技術基準は国際市場で求められる水準に到達できず、しかも、国内の農業生産と流通の組織化の程度が低く、業界が分割され、部門における独占現象が深刻であるため、これら製品の競争優位と輸出競争力が十分に実現されていない。こうした状況を変え、農業生産、流通管理の体制及びそれをサポートする体制の大幅な調整と改革を即時に行う必要がある。

  2.製造業に対する影響   

  農業やサービス業に比べ、中国の製造業の開放度と競争力は全体的にやや高く、しかもいくつかの領域では世界的な生産基地になる可能性もある。WTO加盟後、中国製造業に対する影響として、対外開放の度合い、産業組織の構造、市場の構造、静態的比較優位などの要素が最も注目されている。結論として、いくつかの領域の見通しは決して楽観的ではない。しかし、国内の潜在需要、新しい投資の導入、市場化の度合い、産業の発展段階と成熟度、グローバル化の度合い、動態的比較優位といった中国の国内的、中長期的、動態的な要素を同時に観察すると、その見通しが大きく変わるだけではなく、いくつかの領域において、すばらしい発展が期待できるだろう。従って、こうした二つの要素を結合する際に、後者の要素に対して十分注意を払うことは、WTO加盟後の中国製造業の見通しを把握する際に非常に重要な意義を持っている。

  国務院発展研究センターの産業経済研究部の研究において、こうした動態的な要素を考慮し、WTO加盟後の中国製造業への短期と中長期の影響に対して、三つの分類に分けて研究を行った。

  第一類は、比較的強い競争力を持ち、中長期には明らかに比較優位と発展の余地を持っている産業である。この業界は、主に労働集約型、一部の資源集約型、そして資本と技術集約型における加工と組み立ての部分、また部分的には、一定の技術集約的な特徴の領域も含んでいる。食品加工と製造業、繊維服飾、毛皮羽毛製品、プラスチック製品、非金属鉱物製品、非鉄金属、金属製品、オートバイ、家電、一部の電器機械及び機具、一部の電子と通信設備の製造業である。市場化、開放度、そして市場競争度が高いことは、この業界の特徴である。WTO加盟後、良い発展の機会を迎えるだろう。中長期的に見ると、この業界は国内潜在需要が大きく、比較優位と競争が顕著である特徴を持っており、良好な発展条件を持っているといえよう。

  第二類は、競争力が普通で、中長期には一定の潜在的競争優位と発展の余地を持つ業界である。飲料製造業、タバコ、石油加工及び石油化工、化学原料及び製品、化学繊維、ゴム製造、紙とその製品、鋼鉄製造、普通の機械製造、交通運輸設備の製造(自動車とオートバイを除いて)、器具と計器、OA機械の設備などが含まれている。国内外に対するより一層の開放を通じて、その一部の業界は比較的大きな競争力と産業の発展の余地を持っている。しかし潜在的需要とグローバル化程度の差異によって、それぞれの業界は異なる発展条件に直面するだろう。

  第三類は、WTO加盟後、短期的には強い衝撃を受けるが、中長期的には多くの発展の余地と潜在的な競争の優位を持つ産業である。自動車と化学医薬は、その典型的な業界である。自動車を例にとると、そのグローバル化の度合いが高いのに対して、中国の自動車業界の対外開放と市場化の度合いが低く、WTO加盟後、強い衝撃を受けることが予想される。一方、中国は自動車産業の高度化の初期段階にあって、仮に市場を積極的に開放し、競争の度合いを上昇させると同時に、大きな潜在需要、関連産業との協力体制が整備されていることと、人力資源の低コスト性、規模の経済の効果といった優位性を十分に発揮できれば、今後、伸びる余地は十分にある。これからの10-20年のうちに、中国は世界で最も大きな自動車の消費国になるだけではなく、世界で最も大きな自動車の生産国にもなる可能性が大きい。

  3.サービス業に対する影響   

  中国のサービス業の発展は、長い間、あまり重視されていなかった。過保護と行政による独占、部門分割の結果、国際競争力が非常に弱い。2000年、中国のサービスによる貿易総額は664.6億ドルであり、輸出入総額の14%しか占めていない。これに対して、アメリカのサービス業が輸出入総額に占める割合は21.2%(1999年)である。これまでの中国は、一貫してサービス収支の赤字国である。2000年、中国のサービス貿易の赤字金額は56億ドルであるが、2001年上期だけでその赤字はすでに32億ドルに達している。

  WTO加盟は中国のサービス業に有利な影響も与える。サービス市場の開放後、外資系サービス提供者の進出が、国内サービス業における業界独占を打破し、市場競争を強化させ、サービス業の効率の上昇を促すことである。外資系サービス提供者によってもたらされた先進のサービス商品、理念と管理の経験は、中国に受け入れられることでサービス業全体の底上げをもたらし、国内の潜在的需要の実現をも促すことになる。またプロジェクトの請負、遠洋運輸といった中国が競争優位を持っているサービス業は、国際市場からより公平な条件を獲得することができ、より一層の発展が実現されるだろう。

  サービス業の市場開放は、一定の期間において、マイナスの影響をもたらすことも予想される。国内のいくつかのサービス業者は、特に経済全体に対して重要な役割を担っており、長期間にわたる行政の独占によって競争力が欠けている大型国有企業が、外資系サービス業者との競争に敗れ、ダメージを受けてしまうことで深刻な結果を招いてしまうかもしれない。例えば、銀行業の対外開放後、外資系金融機関はシステム、資金、ブランド、サービス、管理などの優位性を生かし、中国国内の銀行に対して、激しい競争を展開するだろう。もし国内の銀行業がその対応に遅れた場合、国内金融システムの正常運営及び国家の経済安定に大きな悪影響を与えることになる。さらに、市場開放後の人材獲得競争が激化すれば、人件費が非常に高くなる。こうした変化は、人的資源の利用と育成に刺激を与えるかもしれないが、同時に中国のサービス業のコストと価格を上昇させ、本来持っている低コストという優位性を失ってしまう恐れがある。

  またWTO加盟の中国のサービス業に対するメリットがデメリットより大きくなるかどうか、深刻な局面を避けられるかどうか、そのカギは根本的に国内改革の進展にかかっている。具体的には、中国の国有商業銀行が所有権構造、コーポレート・ガバナンス、経営管理などの面における改革で飛躍的な進展を達成し、そして、各種の所有制が銀行業において平等に競争と発展するような環境を形成させなければならない。外資系銀行が中国市場への参入を果たすと、国内の銀行との間には競争と協力の関係が同時に存在することになる。競争の結果、いくつかの企業が倒産に強いられる可能性はあるが、国内銀行は全体的に崩れることはなく、中長期にはより大きな発展の余地を獲得できる。これと同時に、国有商業銀行が、インフラといった固有の優位を生かし、外資系銀行と多分野にわたる協力を展開し、国内銀行と外資系銀行の「ウィン・ウィン・ゲーム」の局面を実現できるように促すことも重要であろう。

  三、中国経済体制に対する影響

   1.直接的な影響   

  中国がWTOに加盟する際の約束は大きく三つに要約される。一つ目は、例えば財市場とサービス市場の開放を含む市場開放に関するものである。二つ目は、WTO加盟後の輸出に関する約束である。それには輸出保護手段と輸出商品の国外での待遇が含まれている。三つ目は、以上の約束の実行を保証するための体制に関する約束である。この約束の対象は広く、国民待遇、透明性、貿易制度の統一的実施、司法査定、対外貿易の権利、輸出入許可の順序、価格の国家による策定、TRIPsとTRIMsでの規定の実行、標準と技術法定なども含まれている。

  こうした約束を見ると、二つ目のものが国内の経済体制と直接的には関係しない以外、大多数の約束は事実上、中国の経済体制の調整と改革に直接関わっている。こうした約束を実行することは、中国の現在の経済体制に多方面から重要な影響を及ぼし、その中には、すでに影響を与えたものもある。

  まず、政府が国内市場を保護する伝統的な方式は今後適用できない。中国は、WTO加盟後の関税の大幅な削減、割当などの非関税障壁の廃止、そして適切ではない財政補助金を廃止するなどを約束したため、伝統的な保護手段をもはや使用できなくなり、国内市場に対する保護の程度も大きく低下するだろう。実際、WTOは国内市場に対する保護を完全に禁止しているわけではない。WTO規則と衝突している国内市場への保護の手段を廃止するのと同時に、WTO規則に適応し、国内市場の保護に有効な新たな方法を積極的に探るべきである。

  第二に、政府は国内産業の国際競争力を支持する手段を変えなければならない。長い間、中国は計画経済体制を実施し、改革開放以来、輸出促進と輸入代替を結合した発展戦略を実行してきた。これを背景に、かつて中国は東アジア諸国で実行された産業政策の経験、つまり政府による国内市場に対する保護と輸出に対する直接な支持を、産業競争力が上昇する重要な手段として学ぼうとしていた。WTO加盟後、国内産業の国際競争力を支持するために、政府は市場保護、直接補助などの従来の方法を変え、重点を企業のコーポレート・カバナンスの改善か、公平な競争の維持、技術革新の保護と奨励、社会取引コストの削減などを促すよう政策転換を行われなければならない。

  第三に、政府は対外経済管理における役割及び方式を変えなければならない。WTO加盟後、対外経済管理の法律と政策は、より透明性と安定性を増している。司法査定、輸出入許可の手続きなどに対し、中国政府はすでに具体的な約束をしている。その結果、政府は、対外経済管理において、従来の単純な「管理者」としてではなく、管理とサービスを共に重視するように要請されている。同時に、政府が役割を果す方式もそれに合わせて変革し、政府公務員達が必ず法律に基づいて行政を行い、管理の任意性を克服することも重要である。

  最後に、政府は対外経済管理の機構も調整しなければならない。WTO加盟の約束を実行すると、対外貿易の許可といった従来の政府の対外経済管理の職能はもはや存在しなくなる。一方、外国からの輸入製品に対するダンピング調査、外国との貿易協議といった新たな対外経済管理の機能を強化する必要もある。これに伴い、政府の対外経済管理の機構も同様に調整しなければならない。

  2.間接的な影響     

  中国が約束を着実に実行し、対外経済体制に対して改革を行う際、それに対応する国内経済体制の改革も要請されている。さもないと、深刻な体制の不均衡現象をもたらし、最悪の場合、体制そのものの正常な運営にまで影響を及ぼしかねない。更に重要なのは、WTO加盟によって中国が、より激しい国際競争にさらされるということである。こうした環境に適応し、しかも競争から利益を受けるには、中国経済体制全体の質の改善が急務となっている。従って、WTO加盟の経済体制に対する直接な影響と比べ、その間接的な影響はもっと広く、より深刻なものである。

  まず、市場経済体制の整備を加速させなければならない。経済のグローバル化がますます加速している中、各国の対外開放度は次第に高まっている。これに伴い、国際競争のメリットを享受するために最も重要なのは、魅力のある投資環境を作り出すことである。つまり、世界における資金、人材、技術、そして情報などの生産要素を十分に利用した上で、自国の比較優位を発揮し、経済の健全化を図らなければならない。投資環境は、インフラ、関連産業とサービスの整備、さらに制度環境によって構成されている。発展途上国である中国は、こうした三つの面のいずれにおいても先進諸国に大きな差をつけられており、制度環境における差が最も大きい。WTO加盟後、改革の深化と制度革新によって、市場経済体制の整備はますます急務となろう。

  また、開放的かつ、公平な競争環境の整った、統一された国内市場の建設を加速させなければならない。WTO加盟後、外資系企業に対して、国民待遇を与えるのと同時に、公平な競争環境を作り出すため、中国国内の企業、特に非国有企業に対する原則のうち国民待遇原則に違反するものについては廃止する必要がある。WTO加盟の協議の際、中国が経済貿易政策の中、関税領土範囲内での統一実施を約束したことから、国内市場における地方と管轄官庁による行政的分割状態を根本から変革し、国内市場の統一を一日も早く実現させることが肝要である。

  さらに、政府機能の転換を早く実現させなければならない。中国経済の移行期において、政府は一貫して特別かつ重要な位置に君臨してきた。政府は改革の発動者と推進者である一方、政府機能の転換が立ち遅れていることが、中国経済の移行期における一つの際立った問題である。WTO加盟の際の約束を着実に実現するためには、政府機能の転換が特に重要である。  

  陳清泰  Chen Qing Tai

「WTO加盟後の中国」研究グループ主査。河北省生まれ。1962年清華大学動力学部卒業後、自動車関連会社にてエンジニア、董事長、総経理などの経験を重ねる。その後、国務院経済貿易弁公室副主任、経済貿易委員会副主任を歴任、1998年より国務院発展研究センター副主任。清華大学公共管理学院院長でもある。

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